類推

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類推(るいすい)は類比(るいひ)、アナロジー(Analogy)ともいい、特定の事物に基づく情報を、他の特定の事物へ、それらの間の何らかの類似に基づいて適用する認知過程である。古代ギリシャ語で「比例」を意味する ἀναλογία アナロギアーに由来する。

類推は、問題解決、意思決定記憶、説明(メタファーなどの修辞技法)、科学理論の形成、芸術家の創意創造作業などにおいて非常に重要な過程であるが、論理的誤謬を含む場合が高く、論証力としては弱い論理である。(科学的な新概念の形成過程は、チャールズ・パースによるアブダクション理論として区別される場合が多い)

異なる事象に対し類推することで、共通性を見出す言語的作業が比喩である。 言語学では、言語自体に対する類推が言語の変化の大きな要因とされる。

自然科学[編集]

物理学では、新たな理論が形成される際に、他の理論からの類推が大きな役割を果たした例が見られる。例えば、ファラデー電磁気学の研究において流体力学からの類推を用い、マクスウェル方程式が導かれた。

量子力学の創成期(前期量子論)においては、ボーア惑星の運動からの類推に量子条件を加えることで、原子構造を説明した。またかつてと考えられていたに粒子としての性質(光量子)があることが明らかとなり、さらに光と物質の運動との間に類似の原理(変分原理)があることから類推して、ルイ・ド・ブロイは物質にも波の性質(物質波)があると考え、これがシュレーディンガー方程式の発見につながった。

移動現象論においては、運動量物質量の移動に関して、アナロジーを用いて、同じ形の微分方程式で論じることが可能となっている。

言語における類推[編集]

言語表現において、表現される事物に関しての類推に基づいた表現方法を比喩という。これは大きく、類推であることを明示する直喩と、明示せずに別の(文字通りには別の意味にとれる)表現に置き換える隠喩(メタファー)とに分けられる。

一方言語学では、言語自体に対する類推が言語の変化の大きな要因とされる。これらは変化する時点では誤用のことが多いが、時代の推移とともに定着するものが出てくる。例えば動詞「死ぬ」は本来ナ行変格活用(連体形・口語体終止形は「死ぬる」:一部の方言には残っている)であったが、五段活用からの類推で五段活用に変化した。このように不規則変化が類推により規則変化に移行した例は、英語過去形過去分詞の語尾-edなど、多くの言語に見られる。

関連項目[編集]

  • アナロジカル・シンキング
    • TRIZ(異分野の問題解決策・自然界の現象に学べば、97%の課題は簡単に解決できるという発明理論。)
    • USIT(類比思考を自然に刺激して、創造的・革新的アイデアを生み出すための手順書。TRIZの進化形)
  • 事例ベース推論