野獣死すべし

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野獣死すべし』(やじゅうしすべし)は、大藪春彦小説。幾度となく映画化され、現在では、松田優作の主演作品として認知する人が多いが、東宝で映像化された2作品にも根強いファンが存在する。なお、仲代達矢1959年版)と藤岡弘1974年版)が主演した東宝作品は、2006年7月に大藪春彦没後10年企画としてDVD発売された。

ニコラス・ブレイクの同名の本格推理小説がタイトルの由来である。

ストーリー[編集]

大学院に籍を置く学生、伊達邦彦は戦争で心に傷を受けた世代の生き残り。普段は物静かな秀才として平穏な日々を送っているが、それは表向きの顔にすぎない。彼の心の奥底には暗い憎悪と怒りが渦巻き、影では射撃、スポーツ、特殊技術の習得にストイックに没頭していた。この世で信頼するものは金と武器、そして力。やがて彼は、心に巣食う闇と日頃培った能力を解き放つかのように、空前の完全犯罪を計画する。最初の殺人、強盗を犯し、逃げおおせる伊達。ただ己のみを信じ、何者をも拒むローンウルフ、伊達邦彦。“野獣”は野に放たれ、物語は幕を開けた…。

小説[編集]

第1作以降、強盗と復讐譚が続くが(『渡米編』はパロディの性格が強い)、第5作の「諜報局破壊班員」以降は一転してエージェント小説に変化する(ただし、『諜報局-』は伊達邦彦の日本での犯罪を掴んだMI6がイギリスからの強制退去をちらつかせて工作員になる事を強要しており、ジェイムズ・ボンドのような愛国的・自発的なスパイではない)。これは、当時の007ブームの影響を受け、編集者が作者に変化を要求したとも言われている。以降、CIA、旧KGB韓国KCIA北朝鮮情報機関イスラエル諜報特務庁(モサッド)、さらにはマフィア犯罪組織と様々な組織と対決し、時としてはそれらに従事する羽目となった。ただし、伊達邦彦はあくまでもローン・ウルフとして描かれており、従来のスパイ小説とは一線を画している。

シリーズ[編集]

映画[編集]

野獣死すべし(1959年)[編集]

映画化第一作。大藪がカメオ出演している。

野獣死すべし 復讐のメカニック(1974年)[編集]

野獣死すべし(1980年)[編集]

野獣死すべし(1997年)[編集]

野獣死すべし 復讐篇(1997年)[編集]