荒野の誘惑
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荒野の誘惑(あらののゆうわく)はキリスト教の聖典である新約聖書に書かれているエピソードの1つ。キリスト教教理において重要な役割を果たしており、キリスト教文化圏の芸術作品の中で繰り返し用いられるモチーフでもある。
洗礼者ヨハネから洗礼を受けた後、イエスは霊によって荒れ野に送り出され、そこに40日間留まり、悪魔(サタン)の誘惑を受けた。マルコによる福音書(1:12,13)、マタイによる福音書(4:1-11)、ルカによる福音書(4:1-13)の福音書に記述がある。以下は、マタイ伝とルカ伝によるもの。
[編集] 悪魔の誘惑
40日の断食を終え、空腹を感じていたイエスの前に悪魔が現れ、神の子であるならば、石をパンに変えるよう命じたらどうだ、と問う。それに対して、イエスは「人はパンにのみ生きるのではないと書いてある」(申命記 8:3)と答える。
次に悪魔は、イエスをエルサレム神殿の屋根に立たせ、神の子であるなら、飛び降りてみろ、という。天使たちが受け止めてくれるからである。イエスは「主を試してはならないと書いてある」(申命記 6:16)と切り返す(ルカ伝では2つ目と3つ目の誘惑が逆)。
最後に悪魔は、イエスを世界中が見渡せる高みに上せ、もし私にひれ伏すならこれを全て与えよう、と誘惑する。イエスは「あなたの神である主を拝み、ただ主に仕えよと書いてある」(申命記 6:13)と答え、退ける。悪魔はあらゆる誘惑を終え、その場を去る。
[編集] 美術
ドゥッチョの祭壇画や、ボッティチェリのシスティーナ礼拝堂の壁画が有名である。近代ロシア美術では『曠野のイイスス・ハリストス』がイワン・クラムスコイの代表作の一つとなっている。

