石持浅海

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
移動: 案内検索
石持 浅海
(いしもち あさみ)
誕生 1966年12月7日(47歳)
愛媛県
職業 小説家
国籍 日本の旗 日本
最終学歴 九州大学
活動期間 2002年 -
ジャンル 推理小説
処女作 『アイルランドの薔薇』
Portal.svg ウィキポータル 文学
テンプレートを表示

石持 浅海(いしもち あさみ、1966年12月7日 - )は、日本小説家推理作家愛媛県生まれ。九州大学理学部生物学科卒業。男性。兼業作家。

経歴[編集]

大学卒業後、食品会社に入社。1997年、鮎川哲也が編集をつとめる公募短編アンソロジー『本格推理 11』に「暗い箱のなかで」が採用される。本格推理シリーズにはその後も「地雷原突破」「利口な地雷」の2編が採用された(これら3編はのちに『顔のない敵』にまとめられた)。

2002年、光文社カッパ・ノベルス新人発掘企画『KAPPA-ONE』第1期に選ばれ、西澤保彦の推薦のもと『アイルランドの薔薇』で本格的に小説家デビュー。

2003年、『月の扉』が『このミステリーがすごい!』2004年版で第8位、『本格ミステリベスト10』2004年版で第3位に選ばれ注目される。2006年に文庫化されると半年で10万部を突破した[1]

2005年、『扉は閉ざされたまま』が『このミステリーがすごい!』2006年版、『本格ミステリベスト10』2006年版の両方で第2位に選ばれる。2008年には続編の『君の望む死に方』とあわせてWOWOWドラマW」枠でドラマ化され、2夜連続で放送された。

作風[編集]

多くの作品は、『類例のあまりないクローズド・サークル(閉鎖空間)』で事件が進行する。この作風の理由は、ある作品[2]の解説で、次のように明かされている。「兼業作家であるため、読書量が多くない、そのため、気がつかぬうちに、他の作家の作品とトリックがかぶることを危惧し始めた、そのために、以下の流れを考えた。

  1. 同業者が書きそうもない舞台を用意する。
  2. その舞台ならではの事件をトリックなしで起こす。
  3. 登場人物たちに議論させて真相を見つけさせる。」

というものである。

文学賞候補歴[編集]

  • 2004年 - 『月の扉』で第57回日本推理作家協会賞(長編及び連作短編集部門)候補。
  • 2006年 - 『扉は閉ざされたまま』で第6回本格ミステリ大賞(小説部門)候補。
  • 2007年
    • 『顔のない敵』で第7回本格ミステリ大賞(小説部門)候補。
    • 「未来へ踏み出す足」で第60回日本推理作家協会賞(短編部門)候補。
  • 2010年 - 「ドロッピング・ゲーム」で第63回日本推理作家協会賞(短編部門)候補。
  • 2012年 - 「三階に止まる」で第65回日本推理作家協会賞(短編部門)候補。

ミステリ・ランキング[編集]

週刊文春ミステリーベスト10[編集]

  • 2005年 - 『扉は閉ざされたまま』5位

このミステリーがすごい![編集]

  • 2004年 - 『月の扉』8位
  • 2006年 - 『扉は閉ざされたまま』2位
  • 2007年 - 『顔のない敵』13位
  • 2008年 - 『心臓と左手』18位

本格ミステリ・ベスト10[編集]

  • 2003年 - 『アイルランドの薔薇』18位
  • 2004年 - 『月の扉』3位
  • 2005年 - 『水の迷宮』7位
  • 2006年 - 『扉は閉ざされたまま』2位
  • 2007年 - 『顔のない敵』2位
  • 2008年 - 『心臓と左手』10位、『Rのつく月には気をつけよう』18位
  • 2009年 - 『君の望む死に方』13位
  • 2011年 - 『この国。』21位
  • 2012年 - 『人面屋敷の惨劇』18位
  • 2013年 - 『彼女が追ってくる』29位
  • 2014年 - 『わたしたちが少女と呼ばれていた頃』23位

ミステリが読みたい![編集]

  • 2014年 - 『わたしたちが少女と呼ばれていた頃』9位

作品リスト[編集]

単行本[編集]

座間味くんシリーズ[編集]

  • 月の扉(2003年8月 光文社カッパ・ノベルス / 2006年4月 光文社文庫
  • 心臓と左手(2007年9月 光文社カッパ・ノベルス / 2009年9月 光文社文庫)
    • 収録作品:貧者の軍隊 / 心臓と左手 / 罠の名前 / 水際で防ぐ / 地下のビール工場 / 沖縄心中 / 再会
  • 玩具店の英雄(2012年4月 光文社)
    • 収録作品:傘の花 / 最強の盾 / 襲撃の準備 / 玩具店の英雄 / 住宅街の迷惑 / 警察官の選択 / 警察の幸運

碓氷優佳シリーズ[編集]

  • 扉は閉ざされたまま(2005年5月 祥伝社ノン・ノベル / 2008年2月 祥伝社文庫)
  • 君の望む死に方(2008年3月 祥伝社ノン・ノベル / 2011年9月 祥伝社文庫)
  • 彼女が追ってくる(2011年10月 祥伝社ノン・ノベル / 2014年6月 祥伝社文庫)
  • わたしたちが少女と呼ばれていた頃(2013年5月 祥伝社ノン・ノベル)
    • 収録作品:赤信号 / 夏休み / 彼女の朝 / 握られた手 / 夢に向かって / 災い転じて / 優佳と、わたしの未来

テロリストシリーズ[編集]

  • 攪乱者(2010年4月 実業之日本社ジョイ・ノベルス / 2013年12月 実業之日本社文庫)
    • 収録作品:檸檬 / 一握の砂 / 道程 / 小僧の神様 / 駈込み訴え / 蜘蛛の糸 / みだれ髪 / 破戒 / 舞姫
  • 煽動者(2012年9月 実業之日本社)

ノンシリーズ[編集]

  • アイルランドの薔薇(2002年4月 光文社カッパ・ノベルス / 2004年9月 光文社文庫)
  • 水の迷宮(2004年10月 光文社カッパ・ノベルス / 2007年5月 光文社文庫)
  • BG、あるいは死せるカイニス(2004年11月 東京創元社 / 2007年6月 光文社カッパ・ノベルス / 2009年10月 創元推理文庫
  • セリヌンティウスの舟(2005年10月 光文社カッパ・ノベルス / 2008年5月 光文社文庫)
  • 顔のない敵(2006年8月 光文社カッパ・ノベルス / 2009年1月 光文社文庫)
    • 収録作品:地雷原突破 / 利口な地雷 / 顔のない敵 / トラバサミ / 銃声でなく、音楽を / 未来へ踏み出す足 / 暗い箱の中で
  • 人柱はミイラと出会う(2007年5月 新潮社 / 2010年1月 新潮文庫
    • 収録作品:人柱はミイラと出会う / 黒衣は議場から消える / お歯黒は独身に似合わない / 厄年は怪我に注意 / 鷹は大空に舞う / ミョウガは心に効くクスリ / 参勤交代は知事の務め
  • Rのつく月には気をつけよう(2007年9月 祥伝社 / 2010年8月 祥伝社文庫)
    • 収録作品:Rのつく月には気をつけよう / 夢のかけら麺のかけら / 火傷をしないように / のんびりと時間をかけて / 身体によくても、ほどほどに / 悪魔のキス / 煙は美人の方へ
  • 温かな手(2007年12月 東京創元社 / 2010年5月 創元推理文庫)
    • 収録作品:白衣の意匠 / 陰樹の森で / 酬い / 大地を歩む / お嬢さんをください事件 / 子豚を連れて / 温かな手
  • 賢者の贈り物(2008年4月 PHP研究所 / 2009年12月 PHPノベルス / 2011年5月 PHP文芸文庫)
    • 収録作品:金の携帯 銀の携帯 / ガラスの靴 / 最も大きな掌 / 可食性手紙 / 賢者の贈り物 / 玉手箱 / 泡となって消える前に / 経文を書く / 最後のひと目盛り / 木に登る
  • 耳をふさいで夜を走る(2008年6月 徳間書店 / 2011年9月 徳間文庫)
  • ガーディアン(2008年8月 光文社カッパ・ノベルス / 2010年5月 光文社文庫)
  • まっすぐ進め(2009年5月 講談社 / 2014年5月 河出文庫
    • 収録作品:ふたつの時計 / ワイン合戦 / いるべき場所 / 晴れた日の傘 / まっすぐ進め
  • 君がいなくても平気(2009年12月 光文社カッパ・ノベルス / 2011年10月 光文社文庫)
  • リスの窒息(2010年2月 朝日新聞出版 / 2011年6月 朝日ノベルズ
  • この国。(2010年6月 原書房 / 2013年6月 光文社文庫)
    • 収録作品:ハンギング・ゲーム / ドロッピング・ゲーム / ディフェンディング・ゲーム / エミグレイティング・ゲーム / エクスプレッシング・ゲーム
  • 八月の魔法使い(2010年7月 光文社 / 2012年7月 光文社文庫)
  • 見えない復讐(2010年8月 角川書店 / 2013年9月 角川文庫)
    • 収録作品:セミの声 / 求職者 / プレゼント / 佇む人 / 針の山 / 選択肢 / 復讐者
  • ブック・ジャングル(2011年5月 文藝春秋 / 2013年11月 文春文庫)
  • 人面屋敷の惨劇(2011年8月 講談社ノベルス
  • トラップ・ハウス(2012年5月 光文社)
  • フライ・バイ・ワイヤ(2012年11月 東京創元社)
  • 届け物はまだ手の中に(2013年2月 光文社)
  • カード・ウォッチャー(2013年3月 角川春樹事務所 / 2014年7月 ハルキ文庫)
  • 三階に止まる(2013年7月 河出書房新社)
    • 収録作品:宙の鳥籠 / 転校 / 壁の穴 / 院長室 EDS 緊急推理解決院 / ご自由にお使い下さい / 心中少女 / 黒い方程式 / 三階に止まる
  • 二歩前を歩く(2014年3月 光文社)
    • 収録作品:一歩ずつ進む / 二歩前を歩く / 四方八方 / 五ヶ月前から / ナナカマド / 九尾の狐
  • 御子を抱く(2014年7月 河出書房新社)
  • 相互確証破壊(2014年7月刊行予定 文藝春秋)
    • 収録作品:待っている間に / 相互確証破壊 / 三百メートル先から / 見下ろす部屋 / カントリー・ロード / 男の子みたいに

共著[編集]

アンソロジー[編集]

『本格推理』シリーズ[編集]

  • 本格推理11 奇跡を蒐める者たち(1997年11月 光文社文庫)「暗い箱の中で」
  • 本格推理13 幻影の設計者たち(1998年7月 光文社文庫)「地雷原突破」
  • 本格推理15 さらなる挑戦者たち(1999年11月 光文社文庫)「利口な地雷」
  • 新・本格推理 特別編 不可能犯罪の饗宴(2009年3月 光文社文庫)「ハンギング・ゲーム」

日本推理作家協会・編[編集]

  • ザ・ベストミステリーズ 2005 推理小説年鑑(2005年7月 講談社)「貧者の軍隊」
    • 【分冊・改題】仕掛けられた罪(2008年4月 講談社文庫)
  • ザ・ベストミステリーズ 2006 推理小説年鑑(2006年7月 講談社)「Rのつく月には気をつけよう」
    • 【分冊・改題】曲げられた真相(2009年11月 講談社文庫)
  • ザ・ベスト・ミステリーズ 2007 推理小説年鑑(2007年7月 講談社)「未来へ踏み出す足」
    • 【分冊・改題】ULTIMATE MYSTERY 究極のミステリー、ここにあり(2010年4月 講談社文庫)
  • ザ・ベスト・ミステリーズ 2009 推理小説年鑑(2009年7月 講談社)「駈込み訴え」
    • 【分冊・改題】Spiral めくるめく謎(2012年11月 講談社文庫)
  • ザ・ベスト・ミステリーズ 2010 推理小説年鑑(2010年7月 講談社)「ドロッピング・ゲーム」
  • ザ・ベスト・ミステリーズ 2012 推理小説年鑑(2012年7月 講談社)「三階に止まる」
  • 奇想博物館 最新ベスト・ミステリー(2013年12月 光文社)「玩具店の英雄」

本格ミステリ作家クラブ・編[編集]

  • 本格ミステリ04(2004年6月 講談社ノベルス)「顔のない敵」
    • 【改題】深夜バス78回転の問題(2008年1月 講談社文庫)
  • 本格ミステリ06(2006年5月 講談社ノベルス)「陰樹の森で」
    • 【改題】珍しい物語のつくり方(2010年1月 講談社文庫)
  • 本格ミステリ07(2007年5月 講談社ノベルス)「未来へ踏み出す足」
    • 【改題】法廷ジャックの心理学(2011年1月 講談社文庫)

その他[編集]

  • 教室 異形コレクション27(2003年9月 光文社文庫)「転校」
  • ミステリーズ! extra(2004年11月 東京創元社)「壁の穴」
  • 逆想コンチェルト 奏の2(2010年8月 徳間書店)「心中少女」
  • 名探偵に訊け(2010年9月 光文社カッパ・ノベルス)「ディフェンディング・ゲーム」
  • NOVA 5 書き下ろし日本SFコレクション(2011年8月 河出文庫)「三階に止まる」
  • 拡張幻想 年刊日本SF傑作選(2012年6月 創元SF文庫)「黒い方程式」
  • 麺'sミステリー倶楽部(2012年10月 光文社文庫)「夢のかけら 麺のかけら」

著者名本未収録短編[編集]

  • 雨の中を(幻冬舎『papyrus』2009年10月号)

連載[編集]

  • 身代わり島(朝日新聞出版『小説TRIPPER』2011年冬号 - 2012年冬号、連載終了)
  • 凪の司祭(幻冬舎『ポンツーン』2013年5月号 - 、連載中)

メディア・ミックス[編集]

テレビドラマ[編集]

漫画[編集]

  • 温かな手(画:くぼた尚子
    • 酬い(秋田書店『サスペリア ミステリー』2010年7月号)
    • 白衣の意匠(秋田書店『サスペリア ミステリー』2011年4月号)
    • 陰樹の森で(秋田書店『サスペリア ミステリー』2011年11月号)
    • 大地を歩む(秋田書店『サスペリア ミステリー』2012年9月号)

脚注[編集]

  1. ^ 光文社エンタテインメントBlog
  2. ^ 「ブック・ジャングル」文庫版 346~347ページ

外部リンク[編集]