異化 (生物学)

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異化のスキーム

異化(いか、Catabolism)とは、分子を小さな構成部分に分解してエネルギーを取り出す代謝過程である[1]。異化作用では、多糖脂質核酸タンパク質等の大きな分子が、それぞれ単糖脂肪酸ヌクレオチドアミノ酸等の小さな部分に分解される。多糖、タンパク質、核酸はそれぞれのモノマーの長鎖であり、ポリマーと呼ばれる。

細胞はポリマーから切り出されたモノマーを使って新しいポリマー分子を作ったり、さらに小さな廃棄物に分解してエネルギーを取り出したりする。細胞から出る廃棄物には、乳酸酢酸二酸化炭素アンモニア尿素がある。これらの廃棄物を作るには通常酸化が行われ、化学エネルギーが取り出される。その一部は熱となるが、残りはアデノシン三リン酸の合成に用いられる。この分子は細胞が同化作用を行う際に異化されて、エネルギーを供給するのに用いられる。このように異化作用は、細胞の維持や成長に必要な化学エネルギーを供給する。異化作用の例としては、解糖系クエン酸回路糖新生の基質となるアミノ酸を供給するための筋肉タンパク質の分解、脂肪組織による脂質の分解等がある。

異化作用を制御するシグナルはたくさんある。知られているシグナルのほとんどはホルモンや代謝自身に関わる分子である。内分泌学者は伝統的にホルモンを同化と異化を促進するもので分類してきた。20世紀初頭から知られている古典的な異化ホルモンとしては、コルチゾールグルカゴンアドレナリン等のカテコールアミン等がある。近年の研究で、少なくともある種の異化作用に働く多くのホルモンが発見された。サイトカインオレキシンメラトニン等である。

関連項目[編集]

出典[編集]

  1. ^ de Bolster, M.W.G. (1997年). “Glossary of Terms Used in Bioinorganic Chemistry: Catabolism”. International Union of Pure and Applied Chemistry. 2007年10月30日閲覧。