町人貴族 (リヒャルト・シュトラウス)

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組曲『町人貴族』(ちょうにんきぞく、Der Bürger als Edelmann )作品60は、リヒャルト・シュトラウスが作曲した管弦楽のための組曲モリエール戯曲町人貴族』をフーゴ・フォン・ホーフマンスタールが改作上演した際に作曲した付随音楽からの抜粋である。

概要[編集]

ホーフマンスタールによる『町人貴族』の最初の改作版は、1912年シュトゥットガルトの宮廷劇場で、マックス・ラインハルトの演出によって上演された。この版には劇中劇としてホーフマンスタールの台本によるオペラナクソス島のアリアドネ』が加えられていた。シュトラウスは1911年から1912年にかけて、劇の付随音楽とともにオペラの作曲も行い、上演の際には自ら指揮した。しかしこの上演は、その劇中劇が原因で不評に終わった。

そこでホーフマンスタールとシュトラウスは、まず『ナクソス島のアリアドネ』に別のプロローグを付けて独立させた。これは1916年に初演された。一方、『町人貴族』の方はオペラ抜きでまとめ直した。この第2の改作版『町人貴族』の付随音楽は全17曲からなるが、うち9曲は1917年に新たに作曲された。上演は翌1918年に行われている。

組曲は新旧17曲の中から9曲を抜粋して編まれ、1920年1月31日にウィーンでシュトラウス自身の指揮によって初演された。出版は1923年に行われた。

モリエールの元の戯曲は、当時リュリの音楽で上演されていたが、シュトラウスはリュリの曲を編曲したものも加えている。

編成[編集]

フルート2(ピッコロ2持ち替え)、オーボエ2、クラリネット2、ファゴット2、ホルン2、トランペットトロンボーンティンパニ大太鼓小太鼓タンブリンシンバルトライアングルグロッケンシュピールピアノハープヴァイオリン6、ヴィオラ4、チェロ4、コントラバス2

演奏時間[編集]

組曲全9曲では約35分。

構成[編集]

  1. 第1幕への序曲(Ouverture zum I. Aufzug)
  2. メヌエット(Menuett)
  3. 剣術の先生(Der Fechtmeister)
  4. 仕立て屋の入場と踊り(Auftritt und Tanz der Schneider)
  5. リュリのメヌエット(Das Menuett des Lully) - 第2幕への前奏曲。リュリの音楽の編曲。
  6. クレオントの登場(Auftritt des Cleonte) - リュリの音楽の編曲。
  7. 間奏曲(Intermezzo)
  8. 宴会(Das Diner)
  9. クーラント(Courante)

ただし、この曲順では最後に盛り上がりを欠くことから、「クーラント」を「リュリのメヌエット」の次に演奏し、「宴会」で終わるのが普通である。

参考文献[編集]

  • 作曲家別名曲解説ライブラリー9 R.シュトラウス(音楽之友社