無免許運転

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無免許運転(むめんきょうんてん)とは、運転・操作するのに免許が必要なものを、免許を得ないままに運転・操作することをいう。

自動車建設機械列車船舶航空機などに関してこの用語が用いられるが、本稿では日本における自動車およびオートバイの無免許運転について述べる。また、便宜上無免許運転の他に免許の付帯条件に反する免許条件違反(めんきょじょうけんいはん)についても記述する。

概要[編集]

日本において狭義には、通常無免許運転といった場合は、自動車及び原動機付自転車運転免許を受けていないものが、自動車及び原動機付自転車を運転することを言う。無免許無免とも略され、これらの行為は道路交通法(昭和35年6月25日法律第105号)第64条により禁止されている。

無免許運転は次の4つに分類される[1]

純無免
現在に至るまで一度も運転免許を交付されたことのない者が運転すること。
取消無免
免許が取消されたあとに運転すること。
停止中無免
免許の停止中に運転すること。停止中に運転した場合、即座に全ての免許が取り消される。
免許外運転
一部の運転免許はあるものの、運転しようとする自動車及び原動機付自転車の種類に応じた免許を受けていないにもかかわらず運転(例えば、普通自動車運転免許しか受けていない者が大型自動二輪車を運転)すること。

また、次のような場合も無免許運転として扱われる。

  • 更新忘れなどによる有効期限切れの免許証を故意により運転
  • 免許試験合格後、免許証交付前での運転
  • 海外滞在期間3か月以内の当該外国発行による国際運転免許証での運転
    • 日本国内では無効な国際運転免許証となり、有効な免許を持っていない状態での運転

なお、運転する自動車、原動機付自転車の種類に応じた免許は受けているが、免許証を故意に携帯せず、またはうっかり忘れて運転した場合は、無免許運転ではなく「免許証不携帯」という反則行為(3,000円)となる。

免許条件違反[編集]

以下のような『特定の種類の免許は所持しているが、運転可能な車種が限られている』、具体的には運転に必要な種類は持っているものの、運転免許証の条件欄に明示されている『○○は××に限る』に反しているものについては「無免許運転」ではなく「免許条件違反」となる。

  • オートマチック限定免許(AT限定免許)でMT車を運転すること
    • AT限定免許は普通車・中型8t車・二輪車に設定されているが、AT車のみを運転することを条件に免許が発行されている。また、AT限定大型二輪免許の場合は排気量650cc以下の制限も加わる。
  • 中型8t限定免許で特定中型自動車を運転すること
    • 道路交通法改正に伴い、2007年(平成19年)6月以前に取得した普通自動車免許は、車両総重量が8tまでの制限付き中型自動車免許となった。改正以前は特定中型自動車は大型車(特定大型車に該当しないもの)として扱われたため普通自動車免許のみで運転すると「無免許運転」に該当していたが、これらが中型車となり、さらに旧普通免許も中型免許の区分になったため「免許条件違反」となった。
  • 小型二輪限定免許で、排気量が125cc超の普通二輪車を運転すること
    • 免許の種類に「普自二」(普通自動二輪車)と記されていても、条件欄に「普通二輪は小型二輪(のAT車)に限る」がある場合、125cc以下の普通自動二輪車(小型自動二輪車)のみを運転することを条件に免許が発行されている。
  • 特定二輪限定免許でそれ以外の自動二輪を運転すること
    • 2009年9月の道路交通法施行規則改正の施行に伴い、特定二輪車に該当する車両は大型自動二輪もしくは普通自動二輪の免許が必要となり、2010年9月以降はこれまで運転することのできた大型自動車、中型自動車、普通自動車の免許で運転すると「無免許運転」となる。そのため、特例として2010年8月31日までにそれらの免許を持っている場合は特例試験を受けることで大型自動二輪もしくは普通自動二輪の免許を付与することができるが、特定二輪車のみを運転することが条件となる。
  • 眼鏡もしくはコンタクトレンズの着用が義務付けられているのにそれをせずに運転すること

なお、これらの免許条件を外したい場合は「限定解除審査」を受審し、合格すると制限が解かれる。詳しくは当該項目を参照。

自動車の無免許運転[編集]

無免許運転の禁止[編集]

  • 道路交通法
    • 第64条 何人も、第84条第1項の規定による公安委員会の運転免許を受けないで(第90条第4項、第103条第1項若しくは第3項、第103条の2第1項、第104条の2の3第1項又は同条第3項において準用する第103条第3項の規定により運転免許の効力が停止されている場合を含む。)、自動車又は原動機付自転車を運転してはならない。

罰則[編集]

  • 道路交通法
    • 第117条の4 次の各号のいずれかに該当する者は、1年以下の懲役又は30万円以下の罰金に処する。
      • 2 法令の規定による運転の免許を受けている者(第107条の2の規定により国際運転免許証等で自動車等を運転することができることとされている者を含む。)でなければ運転し、又は操縦することができないこととされている車両等を当該免許を受けないで(法令の規定により当該免許の効力が停止されている場合を含む。)又は国際運転免許証等を所持しないで(第88条第1項第2号から第4号までのいずれかに該当している場合、又は本邦に上陸した日から起算して滞在期間が1年を超えている場合を含む。)運転した者

なお、無免許運転は交通反則通告制度の対象外である。

  • 自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律
    • 1.無免許運転による違反については罰を加重する。(第6条)

2012年に発生した亀岡市登校中児童ら交通事故死事件では、直接的な原因は居眠り運転であったが、加害者の運転者が無免許運転を行っており、無免許運転による交通事故が危険運転致死傷罪の構成要件を満たさないと最終的に判断され、加害者に危険運転致死傷罪が適用されなかったことが社会問題となった。このことが、『自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律(自動車運転死傷行為処罰法)』制定のきっかけの一つとなった。

行政処分[編集]

停止中無免や免許外運転の場合は、免許取消の対象となる。

純無免の場合、運転免許試験の受験資格を喪失するわけではないが、一定期間、運転免許試験に合格しても免許の拒否または保留の対象となる。

2002年5月末までは違反点数12点であったため免許外運転を含むこの手の違反は免許停止90日又は保留90日で、直ちに免許受験資格を失う違反ではなかった。しかし、2002年6月以降は違反点数19点(酒気帯び点数は23点)になったため、違反した場合は直ちに免許取り消し(免許取り消しの対象は前歴0回で15点以上)となる。さらに、2013年12月からは違反点数25点に引き上げられた。

作業に資格を必要とする特殊自動車[編集]

ホイールローダーロードローラーフォークリフトモーターグレーダーなどの大型特殊自動車は、公道を運転すること自体は大型特殊自動車免許(大特)があればできるが、これらを用いて各種の作業を行う場合、大特ではできず、その車両の種類に応じて別に車両系建設機械運転者フォークリフト運転者などの運転技能講習の資格を必要とする。これらの資格は労働安全衛生法に基づく資格であるため、資格のない者が大型特殊自動車で作業を行った場合、無免許運転ではなく、労働安全衛生法違反となる。

公道上でこれらの特殊自動車を用いて作業を行う場合、道路交通法に基づく運転免許と、労働安全衛生法で定められた資格の両方を必要とする場合もある。

大特の免許は持ってないがフォークリフト運転技能講習の資格がある場合、道路交通法が適用されない敷地や工場内でのフォークリフトを用いた作業は大特がなくてもできるが、公道に出た場合は無免許運転となる。

脚注[編集]

  1. ^ 無免許運転について - 日向自動車学校、2012年4月23日閲覧

関連項目[編集]

外部リンク[編集]