交通反則通告制度

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交通反則告知書(いわゆる青キップ)「反則金の納付は任意」行政処分を受けるか、刑事手続にするかの選択権(裁判を受ける権利。憲法第32条で保障されている)は、違反者自身にある。それを明確にするため、「任意」であると明確に表示してある。

交通反則通告制度(こうつうはんそくつうこくせいど)とは、自動車重被牽引車を含む)またはオートバイを運転中の軽微な交通違反(「反則行為」)につき、反則行為の事実を警察官または交通巡視員により認められた者が、一定期日までに法律に定める反則金を納付することにより、その行為につき公訴を提起されず、又は家庭裁判所審判に付されないことができる、日本の法制度である。

概要[編集]

自動車交通の増大に伴い道路交通法違反事件の件数が飛躍的に増大し、これが検察、裁判所の活動を著しく圧迫するにいたったため、これらの機関の負担を軽減すべく1968年(昭和43年)に制度化された。

軽微な交通違反者に対して、すべて刑事訴訟法に基づく刑事手続(または少年保護手続)を行うことは、現実的に検察裁判所側の処理能力を圧迫する。また、軽微な違反ですべて正式な刑事手続による処分を課すことが法の主目的ではない。 そこで、行政上の観点(抑止効果による交通違反の減少)から、軽微な違反については、刑事訴訟法に基づく刑事手続をとる前に、この交通反則通告制度によって行政的な処分を課すこととし、当該処分を(自ら選択して)受けた者については、その反則行為につき刑事手続・少年保護手続を受ける事がないこととしたものである。

反則行為について、後述の#適用除外に該当する場合を除いて、告知・通告手続がなされないまま、刑事訴追がなされた場合は、刑事訴訟法338条4号に該当して判決による公訴棄却となるので、反則行為について処罰するためには必ず告知・通告の手続を経ることが必要となる。

なお、反則金を納めた者は、その反則行為に対する通告処分について行政訴訟で争うことができなくなる。従って、反則行為について争う場合は反則金を納付してはならない。

告知[編集]

警察官または交通巡視員は、反則者(反則行為を行った者)があると認めるときは、その者に対し、通常は現場において、交通反則告知書により反則行為の告知を行う。ただし、交通巡視員は、駐車および停車に関する反則行為についてのみ同様の告知をする。なお、告知書には反則金の仮納付のための書類が付属している。

仮納付[編集]

警察官・交通巡視員による告知があった後、反則者は、その日を含めて8日以内(その翌日から起算して7日以内)期間の末日が日曜日、土曜日 、国民の祝日に関する法律 に規定する休日、年末年始(12月31の1月3日まで)に該当する場合には、これらに該当しなくなる日まで(以下、通告に係る納付期限についても同様)に、反則金を仮納付することができる。

通告[編集]

警視総監又は道府県警察本部長は、警察官・交通巡視員による告知に係る反則行為が有ったことを確認したものとして、反則行為の通告を行う。通告は、告知書にある出頭の期日及び場所に反則者が出頭して受ける事ができる。なお、通告は、反則金の仮納付が有った場合には、公示にて略的に行われる。

出頭して通告を受けず、仮納付も無かった場合には、反則者に対して、改めて通告書と反則金の納付書を送付することにより通告を行う。この場合の納付書には、本来の反則金の金額に、通告書の送付費用が上乗せされる。送付は配達証明郵便等による。送付による通告は、通告書に記載されている通告の日付と、実際に通告書を受領した日の、いずれか遅い方の日になされたものとされる。

納付・処理[編集]

反則者は、反則金の仮納付をした場合、その日を含めて11日以内(または通告を受けた日の翌日から起算して10日以内)に、反則金の納付をした場合には、その反則行為につき刑事手続・少年保護手続を受ける事がない(公訴を提起されず、又は家庭裁判所審判に付されない)。反則行為をしてから、反則行為の通告の後の反則金の納付の期限が過ぎるまでの期間も同様である。ただし、次の#適用除外の場合を除く。

(なお、納付期限については、災害により納付の場所への交通が途絶していたことその他これに準ずる理由で通告を受けた者の住所地を管轄する警視総監又は道府県警察本部長がやむを得ないと認める事情があつた場合には、当該事情がやんだ日の翌日から起算して10日以内となる。)

反則金の納付は、告知書に記載された期日までに、金融機関日本銀行およびその歳入代理店(歳入副代理店を含む)、市中銀行郵便局など)を通じて行う。

適用除外[編集]

無免許運転、大型自動車等無資格運転、酒酔い運転、麻薬等運転、酒気帯び運転に該当する場合、または反則行為をし、よつて交通事故を起こした者は、反則行為および交通反則通告制度の対象外となり、同制度上の通告を受ける事はない」と定められている。告知において反則者の居所又は氏名が明らかでないとき、また逃亡するおそれがあるときもまた同様で、その場で現行犯逮捕される。また、告知または通告において、反則者がそれらの書面の受領を拒否した場合(ここで、書面への署名捺印の拒否は書面の受領の拒否には当たらない)、居所が明らかでないときにも、同様に、同制度上の告知または通告を受けることはない。

また、道路交通法違反行為のうち、そもそも反則行為に該当しない行為や、重被牽引車を除く軽車両自転車等)の運転者によるもの、歩行者や運転者以外の者によるものについては、そもそも交通反則通告制度の対象外である。

なお、交通反則通告制度における通告を受けた行為について同制度が適用されない結果として、少年保護手続を受けた場合においては、家庭裁判所において、改めて交通反則通告制度上の反則金を超えない額の反則金としての納付を指示することもある。

交通反則通告制度における告知または通告を受けた行為について同制度が適用されない結果として、刑事手続を受けた場合においても、引き続いて交通事件即決裁判手続略式手続または公判廷において科される刑罰は、通例は交通反則通告制度上の反則金を超えない額の罰金又は科料となる事が通例である。ただし、訴訟その他の費用についてはこの限りではない。また、この通例は法律で予定されているものでもない。

交通反則切符[編集]

交通反則事件を処理するために使用される書式。青い紙に書式が印刷されている、いわゆる「青切符」。交通反則告知書、交通反則通告書等が一組に綴じられており、告知または通告の際に使用される。

なお、反則行為に該当しない道路交通法違反(非反則行為、および重被牽引車を除く軽車両自転車等)の運転者または歩行者による違反行為全般)については、交通切符(赤い紙に書式が印刷されている、いわゆる赤切符、告知票)が交付される場合がある。反則行為に該当する場合であっても、反則者がそれらの書面の受領を拒否した場合(ここで、書面への署名捺印の拒否―告知内容への不服申し立ては書面の受領拒否には当たらない)も同様である。交通切符には、警察および簡易裁判所等への出頭に関する情報が記載されている。この青切符・赤切符の代表的な違いとして、前科が付くか付かないかの違いが挙げられる(道路交通法第125条)。なお、軽車両・歩行者全般で赤切符となる理由は、軽車両・歩行者自体に反則制度が存在しないからである。

道路交通法違反事件において、違反者の居所又は氏名が明らかでないとき、また逃亡するおそれがあるとき、交通切符の受領を拒否するとき、違反の態様が重大であるとき、その他悪質であると判断した時は、通常の刑事捜査が行われる場合がある(逮捕補導など)。交通切符の交付を受けて理由無く出頭しない場合、また交通反則通告制度における告知または通告を受けた行為について同制度が適用されない結果として、刑事手続・少年保護手続を受けた場合において、その受けた後に理由無く出頭しない場合などで、特に悪質であると判断した時も同様である。

複写式の用紙の2枚目に署名欄があり、その右横に押印欄がある。印鑑を所持していない場合には指紋の押捺を求められるが、この指紋押捺は法令に基づく強制的なものではなく任意であるがほとんどの警察官は押捺するまでほぼ強制させる。 交通切符の交付を受けた場合は、違反者は刑事手続・少年保護手続の下にあるので、最初から交通反則通告制度の対象外である。

関連項目[編集]