泉南郡熊取町小4女児誘拐事件

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泉南郡熊取町小4女児誘拐事件(せんなんぐんくまとりちょうしょうよんじょじゆうかいじけん)とは、大阪府泉南郡熊取町七山地区で2003年5月20日に発生した失踪事件である。大阪府警察による正式な呼称は泉南郡熊取町における小学生女児に対する未成年者略取誘拐事件

2014年9月現在も犯人特定・逮捕・不明女児発見には至っておらず、未解決となっている。

概要[編集]

2003年5月20日、熊取町の小学校に通う4年生の女児(事件当時9歳)は学校行事である社会科見学を終えて同級生3人と一緒に帰宅。女児の自宅から560m離れた地点の交差点で同級生3人と別れ、さらに別の同級生が女児の自宅から400m離れた地点で女児を目撃したのを最後に忽然と姿を消した。女児はいつも自宅から50m離れた所にあるバス停の前を通って帰っていたが、同じ頃バス停に停車していたバスの運転手および乗客は女児を目撃していない。

18時半頃になって、家族が女児が帰宅していないことを学校に連絡。その日のうちに付近の住民の協力を得て捜索したものの、現在に至るまで発見につながる有力情報もなく、女児が当時身につけていたリュックサック衣服などの遺留品も発見されていない。

失踪当日4台の不審車両が目撃されていた(後述)。

捜査特別報奨金(公的懸賞金制度)の指定事件となっており、300万円の懸賞金がかけられている[1]

事件発生当日の状況など[編集]

起床 いつもより一時間早く起き、準備をした。
登校 いつも通り家を出る。
小学校 大阪市下水道科学館に、バスで出かける。
14時30分頃 小学校へ戻る。
14時40分頃 見学日だったため、普段より30分早く帰宅 「いつも待ち合わせて帰る近所の子」とは帰らず、同級生3人と帰る。
14時57分 七山交差点。他の3人より60m先を歩いていたが、3人とあいさつをして別れた。 交差点から自宅まで560m
14時59分頃 「一度家に帰り、自転車で遊びに行こうとしていた男児B」とすれ違う。 すれ違った地点から、自宅まで400m。「遅いねバイバイ」と言われ、女児は笑顔を返した。
15時00分頃 いつも通っていた商店前で、当時塗装作業していた男性や商店近くを歩いていた親子は女児を見ていない。当初、塗装作業をしていた男性は自宅の南東約200mの路上を女児が1人で歩いているのを目撃していた、と報道されていたが、男性は「リュックの女の子を見たけど、顔は見ていない」と話していたため、女児本人である可能性は定かではない。 商店から自宅まで300m、男児Bとすれ違った地点からは100m先である。
15時15分〜25分 バス停で発車の時間待ちのため停車していたバスの運転手や乗客たちは女児を見ていない。近くの公民館前を通った男性看護師も、女児を見ていない。近所の集会で付近住民が公民館に集まっていたが、目撃者や声などを聞いたという証言がない(悲鳴があっても聞こえなかった可能性がある)。 自宅まで50m、男児Bとすれ違った地点からは350m先である。なお、このバス停は後に廃止された。
17時00分 兄が、女児が帰って来ていないことに気づく。
18時30分 家族や付近の住民で探し始める。
19時30分頃 警察に通報。 その後、誘拐を想定し警察が女児宅に待機していたが、電話はかかってこなかった。

同級生とすれ違ってから、100mの間に失踪[編集]

14時59分30秒前後に同級生Bとすれ違ってから自宅までの400mの間に連れ去られたといわれていたが、その100m先の商店や通行人には目撃されていないため、商店の近くに行くまでの間に女児の身に何かが起きたと考えられ、自動車での連れ去りということで捜査が進められているが、進展していない。

報道された捜査内容[編集]

報道されたものや警察より発表された捜査状況など

  • 女児がいつもの下校時刻より30分早く帰っていることから、犯人が特定の女児を狙ってさらったとは考えにくいため、計画的な誘拐ではなかったという警察の見方もある。
  • 女児は性格がおとなしく、「人見知りをするタイプで、知らない人についていくことは考えにくい」とのことで、顔見知りの人物に車に乗せられたのではないかという視点でも捜査が進められている。
  • 女児が無理矢理乗せられたか、または誘われて車に乗った瞬間の目撃証言がない。
  • 悲鳴を聞いたというような証言がない。
  • 付近に交通事故や転落が起こった形跡はない。
  • 極めて短時間のうちに女児を連れ去っていることから、自動車だけでなくオートバイでの連れ去りも視野に入れた捜査をしている。
  • 付近の山林やダムも捜索し、周辺のため池の水も抜いて調べたが、何も出てこなかった。

不審車両[編集]

事件当日は、通学路の付近で10台あまりの車が通行していたが、そのうち

  • 赤い乗用車(スポーツカータイプ)
  • 白のバン
    上記の2台が現場近くの路上に駐車されていた。
  • 黒っぽい車両(セダン
    女児が姿を消す前にも、七山地区で5回目撃されており、現場を徘徊していた可能性がある。女児の消えた15時頃、自宅前を猛スピードで走り去るところが目撃されている。
  • 白色の乗用車(クラウンカムリクラスのセダン)
    現場近くに停められており、運転席に「短髪の男」が乗っていたという目撃証言もある。

4台の不審車両が目撃されており、事件に関与または目撃した可能性もあるが、所有者や車種・ナンバーが特定できていない。

その他[編集]

  • 2014年現在、女児は店の前は通っておらず、最終目撃者は男児Bであるという話が主流になっている。
  • 女児は自宅近くでは学校が指定した普段の通学路から外れ、車の通り抜けられない小道を通って帰宅する日もあったらしい。
  • 女児が消えた通学路は緩やかなカーブが続く坂道で、乗用車2台がすれ違うのでやっとの幅(約5m)だが、広い敷地の旧家が並んでいる上に高い壁が多く、事故などがあっても気付きにくい場所である。
  • テレビ番組奇跡の扉 TVのチカラ」に「2003年5月21日の早朝、岡山市内の国道2号線下り車線で黄色いリュックを背負った少女が白かシルバーの車の横に立っており、車はトランクを開けた状態で停車し、その横にいた女児はAちゃんの失踪時の服装にも似ていた」という目撃証言が寄せられたことがあるが、その後の捜査は進展していない。
  • 2014年1月12日、発生から9年経過して成人式が執り行われた。なお、3月31日で女児は20歳を迎える[1]6月27日には成人した不明女児の推定される似顔絵が公開された。

関連事件[編集]

誘拐未遂事件

  • 事件の2か月前(2003年3月)にも、熊取町内の女児(小学6年生)が下校途中に男に声をかけられ、車に連れ込まれそうになる事件が起きていたことも判明したため、本事件との関連も指摘されている。

詐欺事件

  • 事件から1年2か月経った2004年7月、大阪府堺市に住む無職の男女計2名が共謀し、女児の父親に「(女児は)三重県にいるようだ。会うには金がいる」とウソの捜索話を持ちかけ、「交通費」の名目で10万円を騙し取る事件が発生。2008年10月に家族が大阪府警に相談したことで詐欺が発覚した。
    2008年11月までに約470回にわたり「お宅の娘さんを助けたが、救出に費用がかかった」というウソの話を持ちかけ、以後「女児の捜索費」「救出後の生活費」などの名目で総額約7,000万円余りを騙し取ったことが明らかになったため、同年12月6日に大阪府警が詐欺容疑でこの男女を逮捕した[2]。詐欺犯は騙し取った金を生活費や遊興費(ギャンブル)などでほとんど浪費したという。
    この詐欺事件の裁判大阪地裁堺支部で行われ、2009年5月22日に、共犯の女に懲役2年執行猶予4年の判決が言い渡された[3]。同年10月5日に、主犯の男に懲役9年の刑が言い渡された[4]

名誉毀損事件

脚注[編集]

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外部リンク[編集]