放課後のカリスマ

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放課後のカリスマ
漫画
作者 スエカネクミコ
出版社 小学館
掲載誌 月刊IKKI
レーベル IKKICOMIX
発表号 2008年6月号 -
巻数 既刊10巻
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放課後のカリスマ』(ほうかごのカリスマ)は、スエカネクミコによる日本漫画作品。『月刊IKKI』(小学館2008年6月号より連載中。

クローン」を題材としたSF漫画。ただし、ジャンルとしては「学園ファンタジー」と銘打たれている。全国書店員が選んだおすすめコミック2010で3位入選[1]

あらすじ[編集]

西暦2XXX年、セントクレイオ学園には遺伝子工学の粋を集めて造られた世界の偉人達のクローンが集められていた。学園の教師の息子・神矢史良は、父親の赴任に伴ってこの学園に編入し、唯一の非クローン学生としてこの学園で学ぶことになる。ナポレオンや一休といった友人も出来、史良が学園に生活になじんだ頃、マリ・キュリーがオリジナルの専門領域である物理学に関心を抱けず、「音楽を勉強したい」と言い出す。史良は父親に頼んで、マリを音楽学校に編入させることに成功し、マリは学園を去っていった。しかし、史良はマリへの好意を自覚するようになり、彼女への思慕の念を募らせていった。

マリが「転校」した日、学園の卒業生であるクローン・ケネディがアメリカ大統領選挙への立候補を表明中に、何者かに暗殺される。オリジナルの人生をなぞるかのようなケネディの最期を知った学園の生徒たちは「自分たちもオリジナルと同じような死を迎えるのでは?」と恐れおののく。その頃から生徒たちの間では密かに「ドリーさま」という羊のぬいぐるみが崇められ始めた。

登場人物[編集]

セントクレイオ学園生徒[編集]

神矢史良(かみや しろう)
偉人のクローンのみが通うセントクレイオ学園に通う、唯一の非クローン人間(始めから在籍していた訳ではなく、転入してきた)とされている少年。学園の教師である神矢の息子。気弱で泣き虫な性格だが、友人のために行動的になることもある。学園生活を送る中で、オリジナルと同じ、或いはそれ以上の偉業を成すことを課せられているクローン達の苦悩を目の当たりにする。マリ・キュリーを慕っており、マリの面影を持つパンドラを大事にしている。
実はその正体は、神矢の息子として学園の外で育てられたセントクレイオ学園創始者のクローンであった。その事実を知った後にセントクレイオ学園から飛び出し、外の世界で生活していたが、セントクレイオ学園を潰そうとするカイやクローン・ヒトラーに対抗するため、セントクレイオ学園に戻っていく。
ナポレオン
ナポレオン・ボナパルトのクローン。史良の友人で明るい性格。史良とフロイトの喧嘩に仲裁に入ることもしばしば。オリジナルより長身らしい。ジャンヌ・ダルクに好意を抱いていた。セントクレイオ学園を潰そうとするクローン・ヒトラーに対抗するため、大衆の前に姿を現し、クローン・ヒトラーと対決する。明るく開放的な性格ゆえに大衆の人気を集め、ヒーローとなる。
先代のナポレオンは学園卒業後、企業の社長に迎えられたが、宣伝用のお飾りの社長であり、やがて酒におぼれた。カイに誘われ、テロリスト集団に参加。
一休(いっきゅう)
一休宗純のクローン。史良の友人で眼鏡をかけている。有髪。楽天的な性格で史良たちのグループのムード・メイカー。時折、宗教家らしい哲学的なことを話すが、よくしらけられる。
フロイト
ジークムント・フロイトのクローン。史良の友人だが、非クローンである史良とはそりが合わずよく喧嘩する。常に冷静沈着な一方、むっつりスケベ。クローン・ケネディが暗殺された後、その真相をこっそり調べている。
先代のフロイトはオリジナルと同じ人生を歩むことに脱落し、現在はクローン・レオナルド・ダ・ヴィンチが創設した財団で働いている。
エリザベス
エリザベス1世のクローン。史良の友人。オリジナルが未婚のまま死んだため結婚願望が非常に強い。ロクスウェルの手引きで、セントクレイオ学園を脱出し、テロリスト集団に参加したが、史良と共にセントクレイオ学園に戻り、先代のクローン・エリザベスと再会した(赤ん坊のときに1度会っている)。
先代のエリザベスは買い手がつかず、さらに学園からの逃亡を企てたため、学園内に監禁され、精神を病む。カイとは相思相愛で、特に顔に傷を付けたカイとは仲が良かったが、後に裏切られた。何かにとりつかれたように読書にふけっていたが、やがて覇気を取り戻す。
ナイチンゲール
フローレンス・ナイチンゲールのクローン。史良の友人。マリと仲がよく、彼女の突然の転校を悲しむ。オリジナル同様、博愛精神に富み、学園がテロリストに襲われた際は自分の安全より怪我人の救助を優先させた。
先代のナイチンゲールは、学園卒業後、大病院に迎えられ、回復する見込みのない重篤患者に最後の安らぎを与える役割を与えられた。しかし、金もうけのために重篤患者にろくな治療を施さない病院の方針に疑問を持ち、テロリスト集団に参加した。
マリ・キュリー
「キュリー夫人」ことマリ・キュリーのクローン。史良の友人。本人はキュリー夫人そのものではなく音楽家になりたがっていた。その後音楽家になるために転校したとされるが、実際はクローン・レオナルド・ダ・ヴィンチが創設した財団に引き取られ、音楽の勉強を続けている。
先代のマリ・キュリーは、企業の研究職に迎えられるが、功を焦って無理な実験をおこない、甚大な被害が発生する。最期はオリジナルからの解放を望んで、カイに射殺された。
ヒトラー
アドルフ・ヒトラーのクローン。温和な性格の少年。オリジナルの犯した罪への罰として、他人と関ろうとせず常に一人で過ごしている。自分のことを「はみ出し者」だと思っており、史良とは「はみ出し者」同士仲良くなれそうだと思っている。「ドリー様」に対する信仰心が人一倍強い。エリザベスと共にロクスウェルの手引きでセントクレイオ学園を脱出し、テロリスト集団に合流。マスコミに学園の存在を告発する。巧みな弁舌によって大衆からカリスマ的人気を集めるが、クローン・ナポレオンの出現によって悪役的な扱いを受けるようになる。それが原因で本来の優しさは身を潜め、クローンを選ばれた人間と考え、クローンによる統治の実現を企んでいる。
先代のヒトラーは、宗教団体に迎えられ、オリジナルの罪を悔いて、神に祈り、オリジナルの罪を贖う役割を担わされた。
モーツァルト
ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルトのクローン。プライドが高く、非クローンで凡人の史良のことを毛嫌いしている。その一方でオリジナルを超えなくてはいけないという強迫観念に悩んでいて、自殺を試みるほど精神的に不安定だった。テロリスト襲撃後は史良との和解を通じて穏やかな性格となり、落ち着いてピアノに向かえるようになる。
先代のモーツァルトは、オリジナルのイメージのあった新曲の作成を依頼されるが、依頼者のイメージに合った曲をつくることができなかった。
ジャンヌ・ダルク
ジャンヌ・ダルクのクローン。クールで無愛想な性格。クローンの悩みを持たない史良に冷たく当たっていたが、次第に心を開くようになる。クローン・ケネディが暗殺されてからは自分もオリジナル同様早死にするのではと恐れていたが、カイによってオリジナルと同様、火刑に処せられる。
先代のジャンヌ・ダルクは貞操帯をはめられ、崇拝者たちの慰み者にされていた。カイに救出され、テロリスト集団に参加した。
ラスプーチン
グリゴリー・ラスプーチンのクローン。「ドリー様」を崇拝する集会を仕切っている。しかし他の生徒たちのように本気で「ドリー様」を崇拝しているわけではなく、あくまで集会に参加する生徒たちを観察し、「発表会」用のレポートを作成するためだった。テロリストの襲撃によって重傷を負う。
アインシュタイン
アルベルト・アインシュタインのクローン。明るい性格。ラスプーチンの集会活動に協力しており、その集会に史良を誘った。テロリストに銃撃され、死亡。
先代のアインシュタインはテロリスト集団に参加している。
卑弥呼(ひみこ)
卑弥呼のクローン。神秘的な雰囲気を漂わせる、物静かな少女。ラスプーチンとは相思相愛の仲で、「ドリー様」の集会活動にも協力していた。「発表会」後、自ら望んで学園を襲ったテロリストたちと行動を共にする。
西太后(せいたいごう)
西太后のクローン。オリジナルが何か業績を残したわけではないため他のクローン達とは違いあまり悩みはない。史実に違わず嫌な性格。また、自分の美貌を鼻にかけている。
ダーウィン
チャールズ・ダーウィンのクローン。テロリスト襲撃後、「クローンも進化しなければ生き残ることは出来ない」という仮説を発表する。

セントクレイオ学園教職員[編集]

神矢エイト(かみや エイト)
セントクレイオ学園教師。史良の父とされる人物。学園内では史良を通じて生徒たちの悩みを聞き出し、適切な対処を行なう良き教師として活動している。
その正体はセントクレイオ学園創設者であるドクター・Xの8番目のクローン。ドクター・X同様にクローンの研究者でもある。セントクレイオ学園在学中はドクター・Xによって寵愛されていたが、黒江との交流で次第に独自の人格を形成していった。ある日、ドクター・Xに対して「自分とドクター・Xの価値は同じか」と問いかけ、ドクター・Xが「そうだ」と答えたため、「自分さえ存在すればドクター・Xの存在意義はない」と判断して殺害した。一時、学園外で史良を育てていたが、その後「研究に専念するため」と称して学園に戻った。
黒江直人(くろえ なおと)
セントクレイオ学園監査。神矢と共に学園を切り盛りしていて、柔道の授業を行なうこともある。クローンたちに同情的。
ドクター・Xの実の息子で、母親が死亡した際に、父親に引き取られる形でセントクレイオ学園に編入した。しかし、学力や素行の面で父親の期待に応えることが出来ず、父親から疎まれ続けた。その後、父親からクローンの護衛とクローン売買の仲介を任務として与えられた。
ロクスウェル
セントクレイオ学園の現理事長。自由奔放な性格で周囲の人を振り回すため、学園の生徒からは敬遠されている。本人は無邪気に生徒に構いたがっているが、本性は冷酷で、クローンを「家畜」と見ている。学園の運営は神矢と黒江に任せ、自分は報告を受けるだけだが、警備上の弱点を指摘するなど、学園の実情は正確に把握している。
父親が素性の知れない人物で、本人曰く「母親とどこの馬の骨ともわからない輩との子供故に、得体の知れない『血』が混ざっているという理由で人扱いされない」ほど冷たい家庭環境で育ち、少年時代に実家から半ば厄介払いされる形でセントクレイオ学園に預けられた。偉人のクローン達よりもあらゆる分野で優秀な成績を残し、そのためクローンたちからいじめにあうが、自分が関与していることを巧妙に隠す形で復讐していた。この復讐方法は自分を迫害した実家にも適用され、一族を全滅に追い込んだ。
レオナルド・ダ・ヴィンチ
レオナルド・ダ・ヴィンチのクローン。セントクレイオ学園前理事長。偉人のクローンの製造・販売の指揮をとっていたが、つくりだした偉人のクローンたちが次々と問題を起こし、責任を問われて理事長職を解任された。その後、新たな任務に従事するが、独断専行が過ぎたために、無名の中年男性として放逐される。
ドクター・X(ドクター・エックス)
セントクレイオ学園創設者。本名の姓は「神矢」、下の名は不明。クローン研究の第一人者。完璧主義者でもあり、それが原因で妻子とは離縁している。
「子供は親の能力を完全に受け継ぐことは出来ないが、クローンならば完全に能力を受け継ぐことが出来る」という信念の下、偉人のクローン製造に没頭し、自分を含める優秀な人材のクローンで世界を満たすことを理想としていた。クローンを偏愛する一方で普通の人間は完全に見下しており、実の息子の直人のことを「私にとっての唯一の恥」と罵倒し、クローンより優秀なロクスウェルすらクローンへの刺激としか評価しなかった。しかし、自らのクーロンである神矢エイトに「クローンとオリジナルが等価ならばオリジナルは必要ない」として殺害されるという自業自得を絵に描いたような最期を遂げた。

その他[編集]

ケネディ
ジョン・F・ケネディのクローン。セントクレイオ学園の卒業生。オリジナルと同じく、アメリカ大統領選挙への立候補を表明した際に暗殺された。
パンドラ
ロクスウェルに引き取られていた幼女。天真爛漫で無邪気な性格。ロクスウェルは「マリ・キュリーのクローン(の一人)」と言っており、マリの面影がある。史良に懐いている。
カイ
史良と瓜二つの外見を持つクローン。自分が誰のクローンなのかは知らない。パンドラとは面識がある。
正体は史良や神矢と同じくセントクレイオ学園創始者のクローン。名前はギリシア文字のΧに由来している。偉人のクローンと同じように売買の対象とされているが、高額に設定されており、購入は事実上不可能。
クローンの番人という役割を与えられ、5人存在する(うち1人は自ら顔に傷をつけている)。先代の偉人のクローンたちが学園を卒業した後に悲惨な境遇におかれているのを目の当たりにし、クローンたちを解放するために顔に傷をつけたカイをはじめとする4人は学園を抜け出し、先代のクローンとともにテロリスト集団を結成し、学園を襲撃した。3人は襲撃中に射殺された(或いは自殺した)が、顔に傷をつけたカイただ一人が投降して生き残る。その後、顔に傷をつけたカイは学園を脱出して、クローン・ヒトラーを使って、大衆にクローン製造の非人道性を訴えて、セントクレイオ学園を潰そうとする。なお、顔に傷をつけたカイは先代のエリザベスと相思相愛だったが、エリザベスが学園からの逃亡を企てるよう仕向けて、彼女が監禁される理由を作った。テロリスト集団に加わらなかったカイは学園に残り、精神を病んだ先代のエリザベスの身の回りの世話をしている。
ベンジャミン
ジャーナリスト。クローンたちの不審な死や失踪に疑問を持ち、クローンについての取材をおこなうが、会社上層部の圧力で取材を禁止される。しかし、クローン・ヒトラーが名乗りをあげると、クローン・ヒトラーの売り出しとセントクレイオ学園追及へと会社の方針は転換し、ベンジャミン自身もセントクレイオ学園によるクローン・ビジネス追及の急先鋒にたつ。
ロバート・グリーン
クローン・ケネディの元支援者。クローン・ヒトラーの記者会見後、クローン・ヒトラーらのグループの支援者に名乗りをあげる。セントクレイオ学園の運営者の1人だったが、学園を潰そうとしているカイやクローン・ヒトラーと通じていることをロクスウェルに見破られ、解任される。
ブレナン
カメラマン。クローン・ナポレオンやクローン・エリザベスの存在を大衆にアピールすることでセントクレイオ学園を支持する世論を創りだそうとする史良の依頼を受け、クローン・ナポレオンやクローン・エリザベスの指導をおこなったり、写真を撮影したりする。同性愛の傾向があり、クローン・ナポレオンなどにセクハラを行っている。

用語[編集]

セントクレイオ学園
世界の偉人達のクローンが集められた私立高校。
ドリー様
クローンの間で人気となっている羊の人形。お守り的な要素がある。モデルは実在のクローン羊ドリー
発表会
生徒たちがその一年研究したことを、学園を訪れた世界各国の要人たちに発表する行事。普通の学校で言う文化祭のようなもの。当日の生徒たちはオリジナルが当時着ていた衣装(を再現したもの)を着用するため、ちょっとした仮装大会のようなイベントとして知られている。

書籍情報[編集]

脚注[編集]

  1. ^ 日販オリジナル企画 「書店員が選んだおすすめコミック2010」フェア開催
  2. ^ 1~9巻の表紙ではセントクレイオ学園の制服を着た登場人物の姿が描かれているが、10巻の表紙は巻の内容を端的に描いたデザインとなっている。

関連項目[編集]