広渡勲

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広渡 勲(ひろわたり いさお、1940年12月3日 - )は日本の演出家音楽プロデューサー

経歴[編集]

福岡市に生まれる。福岡県立修猷館高等学校を経て、1964年、早稲田大学第一文学部文学科演劇専修卒業。早稲田大学では郡司正勝教授に師事。

卒業後、東宝演劇部に所属。東宝在籍中にハワイ大学に留学、アメリカ、カナダ、イギリス、フランス、ドイツ、イタリア、ギリシャなどの欧米の劇場を視察。帰国後、菊田一夫の助手として「ラ・マンチャの男」(日本初演)、「オリバー!」、「スカーレット」、「ファンタスティックス」(日本初演)等のミュージカル公演や、「奇跡の人」(日本初演)をはじめ商業演劇を多く手がける一方、宝塚歌劇団の東京公演に舞台監督として参加。松本白鸚(現松本幸四郎の父)率いる「東宝劇団」の狂言作者として、帝国劇場国立劇場等の歌舞伎公演にも参加している。

1970年、アメリカン・バレエ・シアター来日公演を契機にジャパン・アート・スタッフに移籍。日本舞台芸術振興会(NBS)及び傘下の東京バレエ団のプロデュースを行うほか、バイエルン国立歌劇場英国ロイヤル・オペラウィーン国立歌劇場ミラノ・スカラ座ベルリン・ドイツ・オペラメトロポリタン歌劇場ベルリン国立歌劇場フィレンツェ歌劇場パリ・オペラ座バレエ団英国ロイヤル・バレエ団モーリス・ベジャール/20世紀バレエ団ボリショイ・バレエ団など、世界の主要歌劇場やバレエ団、オーケストラの招聘、制作、舞台製作を総括。長年にわたって、指揮者のレナード・バーンスタインカルロス・クライバーリッカルド・ムーティズービン・メータダニエル・バレンボイム、オペラ歌手のエディタ・グルベローヴァ、演出家のフランコ・ゼフィレッリ、振付家のモーリス・ベジャールジョン・ノイマイヤーイジー・キリアーンパントマイムマルセル・マルソーなどの海外の著名なアーティストやスタッフとの交流を深める。

2002年、NBSを退社。2003年、昭和音楽大学音楽芸術運営科主任教授。同年、文部科学省特別補助オープン・リサーチ・センター整備事業研究総括者。2004年、東京藝術大学応用音楽特殊研究ゼミ講師に就任。

2000年、フランス共和国政府より芸術文化勲章シュヴァリエを受章。2022年、第32回日本製鉄音楽賞特別賞を受賞。

参考文献[編集]