失神ゲーム

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失神ゲーム(しっしんゲーム)は、他人または自己を意識的に失神させ、酩酊状態を観察または体験する遊戯行動。「気絶遊び」などともいわれ、小・中学生を中心に、いじめの一環や罰ゲームなど、遊び半分で行われる。

子供が遊び半分でやることであっても、また同意の上で行われていたとしても、少なくとも結果的に致傷・致死となった場合には同意傷害の通説判例に照らし傷害罪、傷害致死罪、さらに集団で行われた場合には暴力行為等処罰法違反の罪を構成する、れっきとした犯罪行為である[1]。致傷、致死の結果に至らず形式的に犯罪該当性が無いとしても[2]、不良行為として虞犯少年に該当し少年保護手続の対象になる余地がある。なお、同意が無いいじめのような場合には、結果の如何に関わらず犯罪に該当する事は論をまたない。

概要[編集]

正確な発祥は不明であるが、日本では1970年代頃から報告されており、その時どきに各教育委員会が注意を呼びかけている。失神が原因で障害後遺症を負ったり、死亡事故となるケースが後を絶たず、米国では毎年40名前後が死亡している。

失神ゲームによる死傷者数(米国)[3]
死者 負傷者
2008年 43 5 48
2009年 39 8 47
2010年 37 8 45


生理[編集]

意識的な行動で血中の灰分平衡を崩し、血圧を下げ、血流を抑制することで、を酸素不足・養分不足に至らしめ、意識消失や痙攣を発生させる。脳は酸素不足や養分不足に最も弱い臓器であり、しばしば視聴覚や記憶に重大な後遺症が残る。3分間以上継続した場合、脳死となる。[4]

主な事件・事故[編集]

日本でも傷害容疑や迷惑防止条例違反などで中学生や高校生による逮捕者が多数出ている。

  • 2002年11月 東京都の小学生が、気を失って倒れたことで前歯が4本抜ける怪我を負った。
  • 2005年7月 アメリカで10歳の男の子が失神ゲーム中に死亡。
  • 2005年12月 札幌市の中学生が失神、これを死亡したと錯覚した同級生が警察に通報。
  • 2006年10月12日 埼玉県新座市の中学生3人が失神ゲームにより同級生の気を失わせた。気付けの為に怪我を負わせたことにより、同月24日に3人、31日に2人の計5人が傷害罪の疑いで逮捕される。学校側はいじめを把握していなかったと言う。
  • 2006年11月2日 長崎県松浦市で高校生に対し失神ゲームを強要したことにより、16歳から17歳までの3人が強要罪と暴力行為法違反の疑いで逮捕される。
  • 2014年10月17日 東京都東村山市の男子中学生4人がいじめの標的にしていた男子生徒に対し失神ゲームを繰り返したとして、3人が暴力行為法違反の疑いで逮捕され、1人が補導された。やり方についてはインターネットの動画サイトを参考にしたと供述したため、警察は動画サイトに対し削除要請を行った[5]

脚注[編集]

  1. ^ 行為無価値論に立脚し、同意傷害につき、社会的相当性を逸脱する場合は違法であるとする。最決昭和55年11月13日刑集34巻6号396頁
  2. ^ 同意暴行罪の成立には議論がある。参照:b:ja:被害者の承諾・同意
  3. ^ The DB Foundation, (n. d.) "Choking Game Statistics" ChokingGame.net http://chokinggame.net/chokinggamestat.htm . Retrieved June 18, 2011.
  4. ^ Frédéric Joye (2009) "The Choking Game and its variants : physiopathological approach to mortality and morbidity" APEAS International Symposium 2009:16 http://www.jeudufoulard.com/pdf/programme_colloque.pdf . Retrieved June 18, 2011.
  5. ^ 失神ゲームいじめ 中3ら逮捕 日刊スポーツ 2014年10月18日

関連項目[編集]