夕闇通り探検隊

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夕闇通り探検隊
ジャンル サイコ・ホラー・アドベンチャー
対応機種 プレイステーション
開発元 スパイク
発売元 スパイク
人数 1人用
メディア CD-ROM1枚
発売日 1999年10月7日
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夕闇通り探検隊』(ゆうやみどおりたんけんたい)は、1999年10月7日スパイクから発売されたプレイステーション用のサイコ・ホラー・アドベンチャー

概要[編集]

1996年ヒューマンより発売されたトワイライトシンドロームシリーズの後継作品。ただし、前作までの開発スタッフは様々な形で離散している為、実際に参加している人数は僅かである。発売後数年経過し再評価された作品。現在一万円を超える価格で取引されている。

システム[編集]

ゲームの期間は5月6日~8月14日までの100日間。

ゲームの流れ[編集]

ゲームの流れは大まかに「学校シーン」、「相談シーン」、「散歩シーン」、「プライベートシーン」に分かれている。100日にわたって、心霊現象から都市伝承にわたる陽見市の噂を入手し解決を繰り返すのがこのゲームの主な目的。選択するキャラクターによって入手できる噂や、解決できる噂が異なる。また同一の噂でもキャラクター選択により結果が異なる場合がある。

学校シーン
ナオ、クルミ、サンゴの中からキャラクターを選択し、2Dで表現された学校内を探索して噂を入手する。制限時間は5分間。探索範囲は「廊下」、「2年2組」、「2年3組」、「トイレ」、「校舎裏(夏休み中)」。
相談シーン
入手・検証した噂についての相談をする。検証が全て終了した噂は、ここで相談することによって「解決」される。制限時間なし。
散歩シーン
ナオ、クルミ、サンゴの中からキャラクターを選択し、入手した噂の検証をする。制限時間は約7分間。時間内であれば2Dで表現された「陽見市全域」を駆け回ることができる。
走る速度はキャラによって違うが、犬のメロスが居る場合は引っ張られるので速度が上がる。
プライベートシーン
散歩シーンで選択したキャラの、寝るまでの生活を見ることができる。深夜には「霊障」の度合いによって霊的現象が起こる場合がある。

霊障[編集]

霊障とは人面カラスによって3人にかけられた呪いの度合いの指針で、1日毎に+1され、100になると(呪い殺され)ゲームオーバーになる。イベントや、プライベートシーンの深夜に起こる霊障シーンでの選択肢でも増減する。ただし、散歩シーン中に神社へお参りすると-1(1日1度のみ)、そしてクルミのみイベントでカスカに会うと-10することが可能。


物語設定[編集]

高度成長期に伴い、ベッドタウンとして急速に発展した街「陽見(ひるみ)市」。この街にある陽見中学校では、「人面ガラス」の噂が囁かれていた。

ナオは「人面ガラスの噂を確かめる」を口実に、想いを寄せる少女クルミを誘い、強引についてきたサンゴと3人で学校裏の森の中にある「鳥塚」に向かう。鳥塚の手前から先へ進もうとしない愛犬メロスを水飲み場につなぎ、クルミとサンゴを残して1人で鳥塚に向かうナオ。そして辿り着いた彼の前に人の顔をしたカラスが現れた。

「あと100日で、誰か死ぬ」

人面ガラスの不吉な言葉を聞き、恐怖のあまり失神してしまうナオ。これを機に、陽見市で囁かれる数々の噂の検証が始まった。

登場人物[編集]

主人公[編集]

ナオ(村瀬直樹)
陽見中学校2年3組。なんの変哲もない普通の少年。13歳。ゲーム中のスクリプト写真から、恐らく吹奏楽部員。
中流家庭の一人っ子で、ナイーブだがそれを表に出さない性格。クルミのことが気になっている。霊的体験は1度もないが、漠然とその存在は信じている。塾に通い、成績も優秀な模範的「いい子」で、母親や海外出張中の父親にも逆に心配されてしまっている。怪談話は苦手で、弱気になるところをサンゴに責められることもある。
クルミ(椎名久留美)
陽見中学校2年2組。長髪で一般的に見て可愛い部類に入る少女。14歳。
幼い頃より日常的に霊的体験をし、霊の存在そのものが現実の一部となっているために奇抜な発言や行動が多く、中学校では「宇宙人」と呼ばれ、両親は将来を心配して精神科医に通わせている。屋外では常に麦藁帽子にオーバーオール。「~なのね」「いじわるい」「アイヨ」と言った独特なセリフや、ヒトリをシトリと言うような舌足らずな発音、その他サンゴの影響を受けてか時折乱暴な言葉遣いになる特徴がある。
サンゴ(平内繭)
陽見中学校2年2組。同人誌に純文学小説を寄稿する眼鏡ッ子。13歳。
名前を気に入っておらず、恋愛依存症の姉に嫌気がさし、女性らしさを封印するために「サンゴ」と名乗っている。幼馴染のナオに密かに想いを寄せるが、全く表に出さない。その心情から平素の言動は男勝りで、年上のキャラに対しても腰に手を当てたまま話をし、尊大な態度を取る。また、霊の存在を完全に否定しているものの、時々10代の女の子らしくビビる場面もある。電話でのみ話す同人仲間兼相談相手の「トモキさん」にだけは心を許し、普段見られない柔らかい口調になる。
メロス
ナオが飼っている雑種犬。ナオがクルミを誘った最初の口実が「犬の散歩」だったことから、散歩シーンで行動を共にする。大人しい性格だが、主人のピンチには勇ましく駆けつける場合もあり、また野生の感覚で霊を察知することができる。しかし廃墟や公園など特定の区画に入る際は近くにつながれ、留守番役をすることが殆ど。

クラスメート[編集]

ニシタカユキ
ナオのクラスメート。一匹狼的な雰囲気があり、成績は優秀、スポーツは万能で、女子生徒に人気がある。噂話をする相手はもっぱらナオだが、サンゴも情報源としての信憑性は買っている。
サンジョウケイナ
ナオのクラスメート。明るくさっぱりした性格で、後輩に頼られる女子バスケットボール部員。ナオに好意を寄せ、帰り道を共にすることもある。ニシが苦手。
ヤマザキタクミ
ナオのクラスの委員長。ナオとニシタカユキに対抗意識を持っている。学力では二人に劣るものの、それなりに博学。
アイバミナミ
クルミのクラスメート。物静かな霊感少女。普段は実家の神社巫女として働いている。登校拒否気味で、曇りの日のみ登校してくる。クルミ同様おトイレ軍団には気に入られておらず、ミナミ自身も彼女らに近づかないよう、クルミに促している。
イナガキマリオ
サンゴを「師匠」と呼び慕う少女。平素の話題は怪談話かアニメの話題しか無い。いわゆる腐女子で、アニメ「東京クルセイダー」中のカップリングについて頭を悩ませているものの、サンゴには大抵軽くあしらわれている。
スナカワサエ
クルミのクラスの委員長。温厚で面倒見は良いが、注意ばかりするので皆から嫌われている。
ジェリー&クッキー
本名は「サガミレイコ」と「ヨシノトモミ」の二人組み。平素から異常なほど親密なため近寄りがたいが、クルミだけは会話に入れている。内気で精神的に幼い。教室などで怪談めいた噂話をしており、クルミにとっての情報源。仲良くなった友達にはあだ名をつけるらしく、クルミを「ペッツ」と呼んでいる。
クメコウジロウ
背が高く猫背で、自分の得意分野(オカルト)の事になると口数が多くなる。日ごろからユアサ達の陰湿ないじめを受けており、屈折した復讐を目論んでいる。
セガワシンタ
ナオとは小学校からの知り合い。気が弱く、ユアサ軍団にいじめられている。
おトイレ軍団
サカイミカイワセユリ(ユリィ)を中心に、日々トイレで気に入らない人物の誹謗中傷をしている。自称霊感体質のユリィの発言から、クルミやサンゴが噂を入手することもしばしば。
ユアサ軍団
ユアサミツルを頭に、弱いものいじめを繰り返すグループ。おトイレ軍団同様噂話には目ざとく、更にナオ達を出し抜くなどの目的で探索に出ることもある。しかし行動力こそあれ、彼らの活動が噂の真相解明につながることはまず無い、完全にはた迷惑な存在である。

その他[編集]

ナオの家族
両親との3人家族。母は多感期な息子の本心がわからず、つい世話を焼き過ぎになってしまっている。父は仕事で海外赴任しており、年に数回しか帰ってこられない。
クルミの家族
両親と弟のコウイチの4人家族。両親はクルミを愛しているものの、思春期に入っても奇抜な言動が直らないことを心配して精神科医に通わせている。
サンゴの家族
両親と姉のアイ、兄のミツグの5人家族。ミツグは九州の大学に通っていて家に居ない。アイは恋愛依存症。成績が悪く、数万円もの電話代をかけるサンゴに頭を悩ませているが、基本的にはごく普通のコミュニケーション豊かな家族。
タケヒコ
クルミの両親と旧知の友人である精神科医。クルミを精神病とは思っておらず、彼女との対話によって状況を改善しようと努力している。
アキガワ
タケヒコの後輩。タケヒコに代わってクルミを診察する。クルミを精神病と断定し、投薬による治療を開始する。

怪異の者[編集]

人面ガラス
ナオ、クルミ、サンゴに呪いをかけた妖怪
カスカ
噂の調査中、クルミが相談に訪れる少女の霊で、ナオとサンゴには見えない。陽見市の奇怪な現象に詳しく、たびたび探索のヒントを与えた。人口の流入によって陽見市はどんどん“ヨドミ"に浸食されていく。それに対処しようとクルミを陽見七神に取り込もうと画策している。
お狐様
「お狐さまの噂」に登場するアイバミナミの狐。アイバミナミとクルミの二人で行われたこっくりさんに似た占い「らせん様」に、アイバミナミによって呼び出された。
ネコマタ
「猫の集会の噂」に登場する猫。ナオやサンゴからは年老いた男に見えるが、クルミからは大きな年寄り猫に見える。カギシッポ。
鳴子様
「工事現場の噂」に登場する切り株。元は立派なご神木だった。
天狗
山鳩童子

その他[編集]

  • 「陽見(ひるみ)市」のモデルは東京都日野市周辺が中心となっている(日野市だけではなく、多摩地区やそれ以外の地域からモチーフが取られている)。実在の地名としては多摩川等が登場する。
  • 2010年2月現在、プレミアがついて高値で取引されている。
  • 漫画家の押切蓮介が、この作品に強い影響を受けたことを、自伝風に書かれた作品「ピコピコ少年」の中にて述べている。
  • ゲームでは、「変わり者とされる女の子」であるクルミを取り巻く人々に焦点を当て、心霊の怖さではなくむしろその心霊が生まれるきっかけを作った「生きた人間」の心の闇が描写されている。

外部リンク[編集]