塞栓

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塞栓(そくせん、: embolism: embolus)は、栓子(血塊などの塊,単数形 embolus 複数形 emboli)が血液中に遊離し、塊によって血管が塞がれ、血流が遮断されてしまうこと。塞栓症ともいう。

塞栓の種類[編集]

血栓性塞栓症
血栓の一部もしくは全部が剥離して遠隔部に運ばれ、その部位に塞栓を起こす。塞栓症の中で最も多い。一般には塞栓症と呼ばれる。静脈血栓が多い。心房細動によるもの、下肢のエコノミークラス症候群ループスエリテマトーデス抗リン脂質抗体症候群などがよく知られている。
アテローマ塞栓症
動脈硬化病巣の破片(アテローマなど)が原因となる。頸動脈や脳動脈でしばしばみられる。
腫瘍塞栓症
がん細胞が血管内へ侵入し、血管破壊をして、多くは静脈系で塞栓を形成する。
脂肪塞栓症
多くは骨折により起こる。骨髄の脂肪組織が血管内に流入して起こる。大腿骨脛骨などの長管骨骨折の90%で起こる。
気体塞栓症、空気塞栓症、ガス塞栓症
空気の血管内圧入もしくは血中窒素ガスの血管内分離によって起こる。潜水病が代表。静脈性は輸血中の空気誤入や人工透析、血管造影などで起こる。動脈性は胸部手術、気胸、肺の刺創で肺静脈枝から空気が入る場合に起こる。
骨髄塞栓症
骨折や閉鎖性心マッサージ時の肋骨骨折や胸部穿刺などでは肺動脈塞栓が見られる。
羊水塞栓症
子宮胎児死亡、稽留流産常位胎盤早期剥離前期破水などが基礎疾患となり、胎児の皮脂等の胎児成分が母体内血中に流入し、肺の微小血管に詰まることにより発症する説と、羊水中の化学活性物質を原因とする説がある。また、帝王切開におけるリスク増大の調査結果も報告されている[1]
細菌・真菌塞栓症
病巣から細菌塊・真菌塊が流入して塞栓症を起こす。
寄生虫(卵)塞栓症
寄生虫や寄生虫が宿主体内で産出した卵より血管に塞栓が起こる。寄生虫卵による塞栓においては、住血吸虫静脈に住み、或いは膀胱で産卵、卵は小血管中粘膜に定着し栓塞の状態となる。さらに静脈に流され肝内に栓塞を生じる。マンソン住血吸虫の卵は肺に、日本住血吸虫の卵はに塞栓症を起こす。異形吸虫の卵は腸粘膜から静脈に流れ、心臓、脳、脊髄に重篤な塞栓症を起こす。

原因[編集]

基礎疾患[編集]

臨床像[編集]

一般には血流が遮断されることで、虚血性の病態を生じ、最悪には壊死に至る。

関連項目[編集]

脚注[編集]

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  1. ^ 日本産婦人科・新生児血液学会 (2013年8月12日). “羊水塞栓症”. 2013年8月12日閲覧。

外部リンク[編集]