伊藤和夫

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伊藤 和夫(いとう かずお、1927年 - 1997年1月21日)は、長野県出身の元駿台予備学校英語科講師、同主任。『基本英文700選』、『英文解釈教室』、『ビジュアル英文解釈』などの英語参考書で知られ、受験英語の神様とも呼ばれる。英文法の枠組を英文解釈に利用可能な形で取り入れた読解法は「構文主義」と呼ばれ、受験英語界(特に駿台予備学校英語科)の伝統となった。現在の高校予備校の英語教師の中には、彼の影響下にある者も少なくない。
(なお、ここで言う「構文主義」とは「くじら構文」や「so~that構文」などではなく、単語・熟語の枠を超え、文という単位で英語を理解しようとする姿勢のことである。)

誤解されがちだが、伊藤和夫が目指したものは「直読直解」であり、返り読みや品詞分解を推奨していた訳ではない。 予測と修正という考えによって、返り読みは否定されているし、品詞分解もある程度は必要悪として認めていたが、英文の原型が分からなくなるほど文を細切りにすることには否定的であった。

目次

[編集] 経歴

旧制第一高等学校(新制東京大学教養学部の前身)を受験したのは、太平洋戦争が最も激しかった1944年(昭和19年)で、この年は旧制高校の入試史上、受験科目から英語が削除された唯一の年であった。受験英語に一生を捧げるようになった伊藤ではあるが、自身は入試科目で英語を受験せずに東京大学に入ったことになる[1]

以後、専任講師として1990年代中盤まで勤務。英語科主任などを歴任。1997年に死去。

[編集] 語録

  • 「どんな英文も文頭からスタートし、左から右、上から下へ、1度目読むだけで、その構造と内容の明確な把握に到達しようとする」[2]
  • 「いいかい。訳せたから読めたんじゃない。読めてるから、必要な場合には訳せるんだ」[3]
  • 「一文一文の正確な理解をおろそかにしたままで、キーセンテンスだのパラグラフリーディングだのと言ったところで、砂上の楼閣に等しい」[4]
  • 「本書の説く思考法が諸君の無意識の世界に完全に沈み、諸君が本書のことを忘れ去ることができたとき、『直読直解』の理想は達成されたのであり、本書は諸君のための役割を果たし終えたこととなるであろう。」[5]
  • 「毎年の入学試験で問われているのは受験生の英語力だけじゃない。各大学の英語の先生の力や考え方も、あれである程度は分かるのさ。」[6]

[編集] 著作一覧

[編集] 関連項目

  • 薬袋善郎 - 駿台予備学校での同僚
  • 奥井潔 - 駿台予備学校での同僚
  • 多田正行 - 『英文解釈教室』と並ぶ本格的英文解釈参考書『思考訓練の場としての英文解釈』の著者
  • 表三郎 - 駿台予備学校での同僚で、伊藤と人気を二分する有名講師でありながら、伊藤構文主義を厳しく批判する。

[編集] 外部リンク

  • 伊藤和夫の英語
  • 入不二基義「 二つの頂点 ―『英文解釈教室』と『ビジュアル英文解釈』― 」(『現代英語教育』 1997 年 5 月号12ー17頁、研究社)

[編集] 脚注

  1. ^ 旧制高校から東京帝国大学への進学は、学部学科によっては無試験の年もあった。なお、新制東京大学発足以後の1969年東大紛争により東大の入試自体が中止された。現在では、センター試験と2次試験の外国語科目において英語ではない言語を選択することにより、英語を受験せず学部一般入試で東大に入学することは可能である。
  2. ^ 英文解釈教室【改訂版】改訂版へのはしがき
  3. ^ ビジュアル英文解釈(Part I)3.疑問詞と名詞 p.23
  4. ^ テーマ別英文読解教室【新装版】はしがき
  5. ^ 英文解釈教室【改訂版】あとがき
  6. ^ 伊藤和夫の英語学習法 6.志望の大学にどう対処するか P120
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