パンチョ近藤

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パンチョ近藤(パンチョこんどう)は、日本ギャグ漫画家北海道札幌市在住。

妻は中央ヤンボル(ちゅうおうヤンボル)のハンドルネームで、インターネット4コマ漫画『くま夫婦』を公開している(詳細は#くま夫婦参照)。

人物、作品[編集]

独特の線のタッチと、シュール不条理なギャグが特徴。『ボブとゆかいな仲間たち』(1994年~1995年)では、メジャーリーグをいち早く漫画の題材として扱った。

しばらくマンガ界から遠ざかっていたが、再びマンガを書き始める。復帰作は『ボブとゆかいな仲間たち2009』で、月刊IKKI2009年3月号より連載開始。同年3月に、『ボブとゆかいな仲間たち』のコミックスが復刊される。

ボブとゆかいな仲間たち[編集]

ビッグコミックスピリッツ』(小学館)で1連載された(1994年8月22日・29日合併号 - 1995年10月30日号)。1話完結で、4ページ構成。

単行本は全1巻(小学館)。雑誌掲載時、柱(左右の端の空白部分)の人物紹介コメントが毎回変わっており、作品の内容とも関わっていたが、単行本には収録されていない。連載終了後、ボブの息子が主人公の読み切り作品が雑誌に掲載されたが、そちらも単行本には収録されていない。ビッグコミックススペシャル版(ISBN 978-4091848116)は絶版。

IKKI COMIX版(ISBN 978-4091884602)が2009年3月に発行されている。連載分から抜粋した37話と、書き下ろしの最終話(FINAL GAME)を収録。

架空の球団「ロサンジェルス・アースクエイクス」に所属する、ボブ・ホフマンが主人公。

ボブ・ホフマン(BOB・HOFFMAN)4番、DH、背番号37、プロ入り1976年
やや肥満体の白人選手で、一応パワーヒッターだが、「打てない」、「走れない」、「守れない」、「歩く姿はただのデブ」と4拍子そろっている。
その上「チャンスに弱い」と言う選手だが、「不動の4番」となっている(代わりの選手がいないため。また、本来メジャーでは最強打者は3番に置かれる事が多い)。
  • ただし、指名打者なので、守備は必要ない。
  • 一度だけ、他の選手(ゴンザレス)に4番の座を奪われたことがある(GAME23)。
  • 選手名鑑を模したデータでは、本塁打22本に対しわずか27打点という、凄まじいまでのチャンスの弱さが示されている。
  • ただし、ビッグコミックススペシャル版40頁の選手名鑑では本塁打王2回、打点王1回となっている。
あだ名は「黄金の家畜」、または「黄金の豚」。他に「球界の家畜」、「キングオブルーザー」。
給料はチームで一番多い。リーダー的存在でもある。
敵キャッチャーとの心理的駆け引き、自打球をわざと当てるなど、ムダなテクニックには通じている。
2度の離婚歴と最多併殺打通算15回のメジャー記録あり。
ヒゲ(口ヒゲ、アゴヒゲ)とヘアバンドがトレードマーク。ヘアバンドは、実は腹巻である(ヤングマンの日本土産)。打席に立つ場合は、その上からヘルメットを被るため、特大サイズのヘルメットが必要。
  • ただし、GAME27(ビッグコミックススペシャル版ではGAME29)の回想シーン(プロ入り前)において、すでに同じヘアバンドを使用している。
プロ入り前はヒゲを生やしていなかったが、ルーキーの時に口ヒゲを生やしている(デーブスとの「LA(ロサンゼルス)の線香花火」時代)。
身長6.1フィート(約186センチメートル)、体重300ポンド(約136キログラム)
ヤングマン(DENNIS・SCOT・YOUNGMAN)3番、サード、背番号30、プロ入り1984年
スキンヘッドの黒人選手。血の気が多く、退場回数も多い(1シーズン退場12回のメジャーリーグ記録持ち)。あだ名は「片道暴走機関車」。
自称「日本通」で、諺などを披露するが、誤った知識が多い(例、「同じ穴のムジナ(中国の諺)」、「急がばまわ」)。日本人のヨメさん募集中。
実家はネブラスカ州でガソリンスタンド経営だが、本人は現役引退後、板前希望。
データでは11本塁打ながら50打点と、ボブよりはマシな成績を残している。
ジョー(JO・JOSE・JONES)セカンド、背番号5、プロ入り1985年
卑怯なことにかけては天才的な才能を持つ。口が上手く、姑息なテクニックも心得ている。
あだ名は「カメ虫ジョー」だが、由来は不明(と、IKKI COMIX版110頁で説明されている。ビッグコミックススペシャル版142頁の選手名鑑では趣味である酒場でのナンパ後、女性に手を出してからの逃げ足の異様なまでの速さから)。本人は気に入っていてナンパの切り口は「オレがあのカメ虫ジョーさ」。
「ジョー」のスペルは本来「Joe」だが、彼の父は届出の際に誤って「Jo」と提出した。従って、ユニフォームの背中にも「JO」と記されている。
打順は7番、9番、2番、6番など、一定していない。
高校時代(数年前)から卑怯な手段を使っている。
ジャック(JACKY・JACKMAN Jr.)ピッチャー、背番号18、プロ入り1988年
いつもサングラスをかけている(試合用とお出掛け用を各3つずつ持っているが、試合用はヤングマンに腹いせに割られることが多く、シーズン中に30個ほど買い替える。ジョーに教わったスピットボールを使用するが、悪いこととは思っていない。
ノミの心臓を持つリリーフエースだが、先発もこなす。
相手チームからメッタ打ちに遭うため、あだ名は「ファイアーマン」。
趣味は俳句
デーブス
前年まで監督を務めていた人物(黒人)。成績不振を理由に解雇され、現在は解説者として生計を立てている。
全盛期は3番を打っており、「黒い休火山」と呼ばれていた。ボブとのコンビでホームランを30発放ち、「LAの線香花火」と呼ばれた。
監督
現在の監督。名前は不明(ビッグコミックススペシャル版のGAME39、GAME40のユニホームからGARYと分かる)。改革などには意欲がなく、前監督のデーブス以来、チームは万年最下位となっている。
ナインからの信頼は薄い。足し算を間違い、采配を失敗したこともある。

ボブとゆかいな仲間たち2009[編集]

月刊IKKI』2009年3月号より連載開始した。主人公のボブら4人は、前作のアースクエイクスから、ブルドッグシティ・ブルリーズに移籍している(1対4のトレード)。ブルリーズは前年度の地区優勝チームであり、前作で最後に戦った相手でもある(IKKI COMIX用の書き下ろし分)。

前作から引き続き登場

ボブ
新に「併殺打製造機」の称号を得る。
ヤングマン
血の気の多さ、意味不明な日本の諺は健在。
ジョー
カネゴングからポジションを奪う。しかし、妻は奪えなかった。
ジャック
打たれ弱さに磨きがかかり、「ゲームブレイカー」にランクアップされる。

新登場のキャラクター

カネゴング
前年は4番で二塁を守っていた。守備位置はジョーに取られ、打順はボブに脅かされている。

その他の作品[編集]

炎の雀ブラー
近代麻雀ゴールド掲載。
コミックスは、竹書房(近代麻雀コミックス)より全1巻が発売された(1998年12月)。
月に向かって打て!
パロ野球ニュース掲載。

くま夫婦[編集]

中央ヤンボルがインターネットに公開している4コマ漫画。作品内では、夫婦はデフォルメ(擬人化)された熊となっており、中央ヤンボルは熊妻(くま妻)、パンチョ近藤は熊旦那(くま夫)等と呼ばれている。

夫婦は熊化されているが、他の登場人物は人間として描かれている(ただし、熊妻の姉は目線入り。また、熊旦那の父親は例外的に動物のように描かれている)。

幻冬舎から出版された(2007年7月25日。ISBN 978-4344013575)後も、インターネットで新作が更新され続けている。出版時、「ネット発の書籍化」として、札幌テレビより取材を受けたが、素顔は非公開だった(熊妻の似顔絵を貼り、顔を隠していた)。

『月刊IKKI』では2009年6月号から2014年11月号まで連載された。なお、ハシラの「登場人物(紹介)」では、熊妻は「専業主婦」と書かれている。

『くま夫婦』で描かれた内容[編集]

夫婦をデフォルメし、日常を赤裸々に描いているが、4コマ漫画であり、真偽の程度は不明。

夫婦ともに無類の酒好きである。特に熊旦那はすい臓を壊し、何度も入院している。
熊旦那は他業種で働いていたが、倒産をきっかけに再び漫画家を目指した。復帰には、熊妻の裏工作がある。
ブルリーズのトレードマークになっているキャラクターは、熊妻がデザインしたもの。2008年のクリスマスに、熊旦那の申し出により、熊旦那のデザインしたキャラクター(ロサンジェルス・アースクエイクスのマスコット)と交換した。

関連項目[編集]

  • 江上英樹
    『月刊IKKI』編集長。単行本編集責任(IKKI COMIX版『ボブとゆかいな仲間たち』)。
    北海道に足を運び、パンチョ近藤夫妻と会った時の様子が『くま夫婦』に描かれた。神村正樹も同行。

外部リンク[編集]