ジャコウネズミ

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ジャコウネズミ
Suncus murinus.jpg
ジャコウネズミ Suncus murinus
分類
: 動物界 Animalia
: 脊索動物門 Chordata
亜門 : 脊椎動物亜門 Vertebrata
: 哺乳綱 Mammalia
亜綱 : 獣亜綱 Theria
: トガリネズミ目 Soricomorpha
: トガリネズミ科 Soricidae
: ジャコウネズミ属 Suncus
: ジャコウネズミ S. murinus
学名
Suncus murinus
(Linnaeus, 1766)
和名
ジャコウネズミ
英名
Asian house shrew
亜種
  • リュウキュウジャコウネズミ
    Suncus murinus temmincki Abe, 1997

ジャコウネズミ(麝香鼠、学名Suncus murinus)は、哺乳綱トガリネズミ目トガリネズミ科ジャコウネズミ属に分類される哺乳類。英文学の翻訳で齧歯目マスクラットをジャコウネズミと翻訳していることが間々あるため、注意を要する。

分布[編集]

東南アジア原産だが、アフリカ東部やミクロネシア等にも人為的に移入している。日本では長崎県鹿児島県及び南西諸島に分布するが、長崎県及び鹿児島県の個体群は帰化種、南西諸島の個体群は自然分布とされているがはっきりとしていない[1][2]

生息環境[編集]

サバナ森林、農耕地、人家等に生息する。

形態[編集]

体長12-16cm。尾長6-8cm。体重は雄が45-80g、雌が30-50g。メスよりもオスの方が大型になる。腹側や体側に匂いを出す分泌腺(ジャコウ腺)を持つことからこう呼ばれる。吻端は尖る。尾は太短く、まだらに毛が生え、可動域は狭い。

生態[編集]

親の尾に噛み付いて家族で移動(キャラバン行動)するジャコウネズミの親子を再現した剥製。国立科学博物館の展示。

食性は肉食性の強い雑食性で昆虫類節足動物ミミズ等を食べるが植物質を摂取することもある。よく動くが、その動作は機敏とは言い難い。繁殖形態は胎生で、1回に3-6匹の幼体を出産する。子育ての時には幼体は別の幼体や親の尾の基部を咥え、数珠繋ぎになって移動する(キャラバン行動)。

亜種[編集]

  • Suncus murinus temmincki - リュウキュウジャコウネズミ

日本産のものを亜種リュウキュウジャコウネズミ(S. m. temmincki)とする説がある[3][4]

人間との関係[編集]

  • 人間の貨物等に紛れて分布を拡大しており、アフリカ東部やミクロネシアなどにも分布する。日本に分布する亜種リュウキュウジャコウネズミの起源は古く、史前帰化動物と考えられている。
  • 吐く実験動物として利用される。実験動物としてイヌ、ネコなどは嘔吐するが大型であり、ウサギ、ラット、マウスは小型で飼育しやすいが嘔吐しない。ジャコウネズミは小型で、薬物や揺らすことで吐くため嘔吐反射の研究に用いられるようになった。ネズミ類ではないことを強調するためスンクスと呼ばれる。肝硬変の実験のためエタノールを与えて飼育している際、吐いているスンクスを発見し応用されることとなった。[5][6]
  • 台湾では、人家の近くによく見られ「銭鼠」とよばれる。2013年7月、捕獲した1個体から狂犬病ウイルスが見つかり初の感染例となったが、その後の報告はない。[7][8][9]

種の保全状態評価[編集]

LEAST CONCERN (IUCN Red List Ver. 3.1 (2001))

Status iucn3.1 LC.svg
  • リュウキュウジャコウネズミ Suncus murinus temmincki
    • 長崎県版レッドデータブック - 絶滅危惧IA類
    • 沖縄県版レッドデータブック - 情報不足

脚注[編集]

  1. ^ 阿部永監修、阿部永・石井信夫・伊藤徹魯・金子之史・前田喜四雄・三浦慎吾・米田政明著、財団法人自然環境研究センター編 『日本の哺乳類【改訂2版】』 東海大学出版会、2008年、16頁、ISBN 978-4-486-01802-5
  2. ^ 鹿児島県環境生活部環境保護課編 『鹿児島県の絶滅のおそれのある野生動植物 -鹿児島県レッドデータブック動物編-』 財団法人鹿児島県環境技術協会、2003年、617頁、ISBN 4-9901588-0-6
  3. ^ 伊澤雅子 「ジャコウネズミ」 『改訂・沖縄県の絶滅のおそれのある野生生物(動物編)-レッドデータおきなわ-』、沖縄県文化環境部自然保護課編、2005年、38-39頁
  4. ^ 長崎県 『ながさきの希少な野生動植物 -レッドデータブック2001-』 2001年。
  5. ^ スンクス嘔吐実験モデルの確立とその応用
  6. ^ 実験動物スンクスの紹介
  7. ^ 台湾・台東、ジャコウネズミの狂犬病感染を確認 世界初か
  8. ^ 台湾における狂犬病の発生について〔Follow-up report No.4〕(平成25年8月1日付けOIE報告)
  9. ^ 台湾における狂犬病の発生状況(平成26年7月7日付けOIE報告・終報(続報72まで)

関連項目[編集]

参考文献[編集]