アドミラル・シュパウン (軽巡洋艦)

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Admiral Spaun.jpg
竣工当時の「アドミラル・シュパウン」
艦歴
発注 ポーラ工廠
起工 1908年5月30日
進水 1909年8月30日
就役 1910年11月15日
退役
その後 1920年賠償艦としてイギリスに引き渡し後、1921年に解体
除籍 1920年
前級 ツェンタ級
次級 ヘルゴラント級
性能諸元
排水量 常備:3,500トン
満載:3,943トン
全長 130.6m
水線長 129.65m
全幅 12.8m
吃水 5.3m
機関 ヤーロー石炭専焼水管缶16基
パーソンズ(高速・低速)直結タービン機関2組4軸推進
最大出力 25,130hp
最大速力 27.07ノット
航続距離 24ノット/1,600海里
燃料 石炭:786トン
乗員 327名
兵装 スコダ 10cm(47口径)単装砲7基
スコダ 4.7cm(44口径)単装砲1基
7.62mm単装機銃1基
45cm単装魚雷発射管2基(1917年:4基)
機雷60個
装甲 舷側:60mm(水線最厚部)
甲板:20mm
主砲防盾:40mm(最厚部)
司令塔:60mm(最厚部)

アドミラル・シュパウン (Admiral Spaun) はオーストリア=ハンガリー帝国海軍軽巡洋艦。同型艦はない。

概要[編集]

本艦は、オーストリア=ハンガリー帝国海軍が偵察巡洋艦ツェンタ級に続いて建造・就役させた軽巡洋艦の一隻である。本艦は1906年度海軍計画において通商破壊任務を主任務として設計・建造され、高速力発揮のために推進機関を旧来のレシプロ機関から蒸気タービン機関を採用し、同海軍初のタービン推進巡洋艦となった。機関構成は高速タービン1基と低速タービン1基を1組として2組4軸推進で当時として高速の部類となる27ノットを発揮した。オーストリア=ハンガリー帝国海軍においては偵察巡洋艦に類別された。

次級のヘルゴラント級軽巡洋艦とともに第一次世界大戦期のオーストリア=ハンガリー帝国海軍では最良の軽巡洋艦であり、大戦全期間を通じてアドリア海域各地の機動作戦に使用された。

艦形[編集]

本級の船体は船首楼型船体を採用していた。船首楼甲板上に防盾の付いた単装主砲を並列配置で2基配置。船首楼甲板後端には、司令塔を基部とする艦橋と単脚型の前部マストが立つ。その後方の上甲板下は缶室区画で、甲板上に等間隔に4本の煙突が設けられた。煙突付近の舷側は端艇揚収位置となっている。また、この付近の舷側甲板上には10cm単装主砲が片舷2基ずつ置かれ、各舷の主砲の間に45cm単装魚雷発射管1基が配置された。後部マスト後方の後甲板上に主砲1基が配置された。

兵装[編集]

本艦の主砲にはシュコダ社でオーストリア=ハンガリー帝国海軍向けに製造したK11型 10cm(47口径)砲を採用した。この砲は後に自国の軽巡洋艦「ヘルゴラント級」や「サイダ」、駆逐艦タトラ級」の主砲にも採用された。

その性能は、26.2kgの砲弾を用いた場合、仰角14度での射程距離11,000mであった。これを防盾の付いた単装砲架で搭載した。旋回と俯仰は主に人力で行われ、砲身の仰角18度・俯角4度で砲架は左右に180度旋回できたが実際は上部構造物により射界に制限があった。発射速度は毎分8~10発だった。

他に対水雷艇迎撃用にシュコダ製4.7cm(44口径)砲を1基搭載した。

水雷兵装として45cm単装魚雷発射管を2基装備した。

機関[編集]

本級はヤーロー式石炭専焼水管缶16基とパーソンズ式直結タービンを採用し、片舷あたり高速型タービン1基と低速型タービン1基を1組としてこれを2組4軸を組み合わせて最大出力25,130shp、最大速力27.07ノットを発揮した。機関配置は、艦中央部前寄りに缶室、その後方に機械室をそれぞれまとめて配置する形態を採っていた。

参考文献[編集]

  • 「Conway All The World's Fightingships 1860-1905」(Conway)
  • 「Conway All The World's Fightingships 1906–1921」(Conway)
  • 世界の艦船 第718号 近代巡洋艦史」(海人社

関連項目[編集]

外部リンク[編集]