ちいるんこう
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[編集] 概要
小麦粉と鶏卵を原料としたもので、一見卵焼きに似たカステラ状の蒸し菓子である。赤く染色した落花生と桔餅が入っている。落花生の色で色彩にアクセントが付き、見た目が美しくなり、桔餅の柑橘類の香りで卵の生臭さを取り除くなど、極めて優れた工夫が見られる。卵をすり鉢で摺ることで空気を入れ、ふんわりした味わいを出すことが肝心であるとされる。
[編集] 歴史
発音や製法から中国清代以降の繁体字: 鶏蛋糕; ピン音: jīdàngāo(チータンカオ)が伝来したものと考えられる。中国のものは、果実の砂糖漬けや木の実をまぶしているものもある。
「鶏卵糕」ちいるんこうという読みは現代呉方言に属す浙江省温州方言でカステラを指す「チーランコー」に近いが、全く同じ発音の方言は見いだせない。現代中国語で鶏の卵を「卵」と呼ぶのは浙江省南部の呉語の他、福建省などのビン語、広東省などの客家語などに限られる。清代の江蘇省では鶏卵のことを「鶏蛋」と呼んでおり[1]、寧波あたりまでこの語が使われているので、浙江省南部か福建省から伝わったものと考えられる。
また、浙江省では「竜游発糕」のように、ふかして多くの空洞を持つ蒸し菓子も伝統的に作られているが、通常は米が原料である。「糕」という字は、約1900年前の後漢の許慎が表した『説文解字』[2]にも見られる古い語彙であるが、米などを練って加熱した食品(日本語でいう餅)の事を指した。宋-元代の周密の『武林旧事[3][4][5]』6巻[6]には臨安(現在の浙江省杭州市)には各種の「糕」があり[7]、「麦糕」というムギを使ったものも有ったことが記されている[8]。しかし、鶏卵を使うものはなく、鶏卵と小麦粉を使う物の明確な記録は清代に浙江省や河北省で役人を務めた李代楠が記した『醒園録[9][10]』に見える「蒸西洋糕」が最古と考えられる。このレシピ[11]では、小麦粉1斤、白砂糖半斤、卵黄16個、酒醸1碗、酒粕の絞り汁、水少々を合わせて箸で混ぜ、暖かい場所で発酵させてから、蒸籠で蒸すとある。
[編集] 脚注
- ^ 袁枚、『随園食単』(岩波文庫 青 262-1) ISBN 978-4003326213 ASIN 4003326210など参照。
- ^ ただしウイキソース中国語版『説文解字』(系統版本は不明)米部
許慎: 說文解字/08#.E7.B1.B3.E9.83.A8 - ウィキソース、金壇段玉裁注說文解字第七篇 に該当はない - ^ 『武林旧事(插図本)-中華経典随筆』 2007年9月 周密著 李小龍 等評注 中華書局 ISBN 9787101058505
- ^ 武林旧事 百度百科
- ^ 武林旧事
- ^ 武林旧事 六巻 / 宋・周密撰 李宗皐等閲 早稲田大学古典籍総合データベース
- ^ 武林旧事六巻該当ページ 早稲田大学古典籍総合データベース
- ^ 邱龐同、『食説新語』「糕小史」、pp167-170、2008年、山東画報出版社、青島、ISBN 978-7-80713-604-0
- ^ 醒园录 百度百科
- ^ 醒园录(清 李化楠)
- ^ 醒園糕制三則