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韓国鉄道9211系気動車

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
韓国鉄道庁281系気動車
韓国鉄道庁9211系気動車
9211系(新塗装)
基本情報
運用者 韓国鉄道庁韓国鉄道公社
製造所 大宇重工業
製造年 1984年 - 1990年
製造数 36両
運用開始 1984年10月
運用終了 2010年2月16日
2015年2月11日(特別車両)
主要諸元
編成 2両、3両、4両編成
軌間 1,435 mm
設計最高速度 120 km/h
車両定員 89人(9211形)
83人(9311形)
79人(9411形)
79人(9421形)
車両重量 47 t(9211形)
47 t(9311形)
41 t(9411形)
43 t(9421形)
全長 21,500 mm
全幅 3,160 mm(先頭車)
3,200 mm(中間車)
全高 4,200 mm
固定軸距 2,100 mm
台車中心間距離 14,800 mm
機関 Cummins NTA855R1(2,100 rpm)
機関出力 234.9 kw(315 HP)
変速機 VOITH T211R
歯車比 2.93
出力 469.8 kw(630 HP)(9211形・9311形)
234.9 kw(315 HP)(9421形)
制動装置 電磁自動空気ブレーキ
備考 主要数値は[1][2][3]に基づく。
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韓国鉄道9211系気動車(かんこくてつどう9211けいきどうしゃ)は、かつて韓国鉄道庁韓国鉄道公社(KORAIL)が所有していた気動車。製造当初は281系という形式名だった他、NDC(New Diesel Car)、ムグンファ号形気動車朝鮮語: 우등형 디젤 액압 동차)とも呼ばれていた[1][4]

概要

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韓国の中・短距離都市間優等列車であるムグンファ号のうち、都市間短距離列車向けに1984年から1990年にかけて36両が製造された。設計にはコンピュータによる構造解析が取り入れられ、前面は前照灯上部から「く」の字に曲線を描きながら曲がる流線形となり、京成初代AE形に似た前面形状となった。車内は乗客の疲労削減のため2+3列配置の回転式簡易リクライニングシートが設置され従来の客車列車(3+3列配置)から居住性が向上した。床下に搭載されたエンジンはカミンズ製のものが採用され、変速機はフォイト製のトルクコンバータを用いた[1][4][5]

なお、1999年には3両(9421+9321+9221)が大統領や政府要員、国賓などを輸送する特別車両(朝鮮語: 비즈니스 동차)に改造されている[4][3]

形式

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主要形式は以下の通りであった。なお1992年10月1日に韓国鉄道庁で気動車の車両番号変更が実施されており、"()"内はそれ以前の形式番号である[1]

  • 9211形(←281形) - 釜山側に連結された動力車(Mc)。カミンズ製のディーゼルエンジンが床下に2基搭載されていた。日本国有鉄道気動車の形式称号における「キハ」に該当する。
  • 9411形(←481形) - 大邱側に連結された制御車(Tc)。床下には給電用のエンジンが搭載された。「キクハ」に該当。
  • 9311形(←381形) - 中間に連結された、運転台がない動力車(M)。1985年から製造がおこなわれた。「キハ」に該当。
  • 9421形(←491形) - 1990年に2両が製造された、ソウル大邱側の動力車(Mc1)。ディーゼルエンジンは1基のみ搭載された。「キハ」に該当。

運用

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9211系気動車
← ソウル・大邱
釜山 →
編成 2両編成
号車 1 2
種別 Tc
Mc1
Mc
編成 3両編成
号車 1 2 3
種別 Tc
Mc1
M Mc
編成 4両編成
号車 1 2 3 4
種別 Tc
Mc1
M M Mc
記号凡例
  • Tc=9411形
  • Mc1=9421形
  • M=9311形
  • Mc=9211形

登場時は2両編成で使用され、翌1985年に中間車の製造が始まって以降は3・4両編成での運用も行われた。導入当初は釜山大邱を基点とした運用に投入され、都市間の高頻度運転実現に貢献したが、需要増加に伴い釜山・大邱地域のムグンファ号は客車列車に置き換えられたため、後年は嶺南地方を中心に活躍した他、ソウル近郊の京春線が非電化路線だった時代に設定されていたムグンファ号にも投入されていた。なお、車内の座席配置については居住性の向上を目的に2000年までに2+2列配置に変更されている[1][4]

耐用年数である20年を超えた事により2006年以降廃車が始まり、最後まで残された4両編成も2010年2月16日を最後に営業運転から退いた[6]。特別車両についてはそれ以降も在籍し、2009年以降は改造の上韓国鉄道公社の社長専用列車となったが、2015年2月11日をもって廃車された[4]

2019年現在、特別車両(3両編成)が鉄道博物館に保存されている[7]

脚注

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注釈

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出典

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参考資料

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  • 中田廣、山田俊英『韓国の鉄道 100周年を迎える隣国の鉄道大百科』JTB、1997年12月。ISBN 4-533-02943-4