「グロッケンシュピール」の版間の差分

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音板は、共鳴箱を兼ねた箱に収められるか、箱を使わずに音板の下に共鳴管を並べる。楽器をスタンドにセットし、立奏のスタイルで演奏することが通例である。
音板は、共鳴箱を兼ねた箱に収められるか、箱を使わずに音板の下に共鳴管を並べる。楽器をスタンドにセットし、立奏のスタイルで演奏することが通例である。


音域は[[中央ハ]]の1[[オクターヴ]]半上の[[音名|ヘ]](F)<ref>Gからの仕様もある</ref>から2オクターヴ半強である。3オクターヴ<ref>スタジオ49</ref>と3 1/3オクターヴ<ref>ヤマハ</ref>のモデルも存在する。普通、楽譜には2オクターヴ低く書かれる(楽譜より2オクターヴ高い音が出る)ため、[[移高楽器]]に分類される。
音域は[[中央ハ]]の1[[オクターヴ]]半上の[[音名|ヘ]](F)<ref>Gからの仕様もある</ref>から2オクターヴ半強である。3オクターヴ<ref>スタジオ49</ref>と3 1/3オクターヴ<ref>ヤマハ</ref>のモデルも存在する。普通、楽譜には2オクターヴ低く書かれる(楽譜より2オクターヴ高い音が出る)ため、[[移高楽器]]に分類される。最高音はスタジオ49はF、ヤマハはE、ほかのアメリカ製のメーカーではDと様々で統一されていない


残響の長い楽器ではしばしば音を停める装置が付いており、ペダルで操作する。ペダルを踏むと装置が離れ、ペダルを上げると装置が触れて音が停まる。ペダル付きタイプはその使いやすさから普及し始めているが、もっていないオーケストラもまだある。
残響の長い楽器ではしばしば音を停める装置が付いており、ペダルで操作する。ペダルを踏むと装置が離れ、ペダルを上げると装置が触れて音が停まる。ペダル付きタイプはその使いやすさから普及し始めているが、もっていないオーケストラもまだある。
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音板を枹([[マレット (打楽器)|マレット]])で叩くことで演奏するが、打部(ヘッド)の材質(主として硬さ)、大きさによって、音色が変化する。木琴などよりも硬く、小さいヘッドのマレットを用いる。材質は[[真鍮]]、[[プラスチック]]、[[木材]]が主である。
音板を枹([[マレット (打楽器)|マレット]])で叩くことで演奏するが、打部(ヘッド)の材質(主として硬さ)、大きさによって、音色が変化する。木琴などよりも硬く、小さいヘッドのマレットを用いる。材質は[[真鍮]]、[[プラスチック]]、[[木材]]が主である。


また、[[現代音楽]]では、音板の縁を[[ヴァイオリン]]の弓で弾く奏法もある。非常に高い倍音が生起する。
また、[[現代音楽]]では、音板の縁を[[ヴァイオリン]]の弓で弾く奏法もある。非常に高い倍音が生起する。指で触る、という奏法もある。


== 譜面上の略記 ==
== 譜面上の略記 ==
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Bellsに関しては[[チューブラーベル]](チャイム)と略記が同一になる場合がある。
Bellsに関しては[[チューブラーベル]](チャイム)と略記が同一になる場合がある。


== 主なグロケンシュピールメーカー ==
== 主メーカー ==
* [[ヤマハ]]
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* ディーガン
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* [[ラディック・ムッサー|ムッサー]]
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* サイトウ
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* [[スタジオ49]]
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== 脚注 ==
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2016年8月4日 (木) 22:43時点における版

グロッケンシュピール(手前)、奥はアンティークシンバル
ベルリラ

グロッケンシュピール(Glockenspiel)は、金属製の音板をもつ鍵盤打楽器で、鉄琴の一種。

概要

現在日本でグロッケンシュピールというと、コンサート用の鉄琴を指すのが通例である。

  • : Glockenspiel
  • : jeu de timbres, (jeu de) carillon
  • : glockenspiel, orchestra bells, bells
  • : campanelli, campanette

グロッケンシュピールの起源はドイツで、ドイツ語Glockenspielは、グロッケンが鐘(複数形)、シュピールが一式や演奏、という意味である。鉄琴のように音板を並べたものでなく、鐘を並べたもの(カリヨン)や、それを用いた仕掛け時計(自動人形の劇)を表すこともある。英語式にオーケストラベル(ズ)、ベル(ズ)と呼ぶことがある。

グロッケンシュピールには、ピアノのような鍵盤が取り付けられたものがあり、この楽器はピアノと同じ奏法で演奏することができる。鍵盤付きグロッケンシュピール、鍵盤型グロッケンシュピールなどと呼ばれる。jeu de timbresと書かれていても鍵盤付きグロッケンシュピールを想定した作曲家もいる。

マーチング等で用いられるベルリラは、グロッケンシュピールの一種とされる。

コンサート用グロッケンシュピールの仕様

音板は、共鳴箱を兼ねた箱に収められるか、箱を使わずに音板の下に共鳴管を並べる。楽器をスタンドにセットし、立奏のスタイルで演奏することが通例である。

音域は中央ハの1オクターヴ半上の(F)[1]から2オクターヴ半強である。3オクターヴ[2]と3 1/3オクターヴ[3]のモデルも存在する。普通、楽譜には2オクターヴ低く書かれる(楽譜より2オクターヴ高い音が出る)ため、移高楽器に分類される。最高音はスタジオ49はF、ヤマハはE、ほかのアメリカ製のメーカーではDと様々で統一されていない。

残響の長い楽器ではしばしば音を停める装置が付いており、ペダルで操作する。ペダルを踏むと装置が離れ、ペダルを上げると装置が触れて音が停まる。ペダル付きタイプはその使いやすさから普及し始めているが、もっていないオーケストラもまだある。

音板を枹(マレット)で叩くことで演奏するが、打部(ヘッド)の材質(主として硬さ)、大きさによって、音色が変化する。木琴などよりも硬く、小さいヘッドのマレットを用いる。材質は真鍮プラスチック木材が主である。

また、現代音楽では、音板の縁をヴァイオリンの弓で弾く奏法もある。非常に高い倍音が生起する。指で触る、という奏法もある。

譜面上の略記

Glock. Glocken. Glsp. Camp. Bells

Bellsに関してはチューブラーベル(チャイム)と略記が同一になる場合がある。

主要メーカー

脚注

  1. ^ Gからの仕様もある
  2. ^ スタジオ49
  3. ^ ヤマハ