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'''株式会社トヨタコミュニケーションシステム'''(略称:TCS 英文社名:Toyota Communication Systems Co., Ltd.)は、[[トヨタグループ]]に属する情報システム会社で、[[トヨタ自動車]]100%出資の[[システムインテグレーター]]([[ユーザー系]])。
'''株式会社トヨタコミュニケーションシステム'''(略称:TCS 英文社名:Toyota Communication Systems Co., Ltd.)は、[[トヨタグループ]]に属する情報システム会社で、[[トヨタ自動車]]100%出資の[[システムインテグレーター]]([[ユーザー系]])。[[トヨタ自動車]]と一体となり、トヨタの[[ReBORN]]をIT(情報技術)でサポートしている


== 概要 ==
== 概要 ==
トヨタコミュニケーションシステム(TCS)は[[トヨタ自動車]]、[[トヨタファイナンス]]等の基幹システム構築をはじめとしたトヨタグループ各社のグローバルな事業戦略をサポートする各種業務支援システムの開発を行っている。TCSはトヨタグループ各社の[[IT戦略]]を世界規模で推進するグローバルIT企業であり、トヨタ自動車の情報システム開発で培った広範囲で先進的なITソリューションを世界の市場に展開している。
トヨタコミュニケーションシステム(TCS)は[[トヨタ自動車]]、[[トヨタファイナンス]]等の基幹システム構築をはじめとしたトヨタグループ各社のグローバルな事業戦略をサポートする各種業務支援システムの開発を行っている。TCSはトヨタグループ各社の[[IT戦略]]を世界規模で推進するグローバルIT企業であり、トヨタ自動車の情報システム開発で培った広範囲で先進的なITソリューションを世界の市場に展開している。


TCSのキーワードは「大規模」、「最上流」、「グローバル」、「最先端」。トヨタグループの開発案件ではトップクラスのシェアがあり、プライムベンダーとしてトヨタ自動車およびグループ会社の情報システム部門を幅広く支えている。1990~91年にトヨタ自動車の情報システム部門が分離独立し、ベンダー各社との共同出資により設立されたトヨタグループのIT関連企業3社が2001年に再び合併したことにより発足。TCSは2006年の企業再編によって情報システム機能会社に位置付けられIT企業として専業化が図られた。
TCSのキーワードは「大規模」、「最上流」、「グローバル」、「最先端」。トヨタグループの開発案件ではトップクラスのシェアがあり、プライムベンダーとしてトヨタ自動車およびグループ会社の情報システム部門を幅広く支えている。1990~91年にトヨタ自動車の情報システム部門が分離独立し、ベンダー各社との共同出資により設立されたトヨタグループのIT関連企業3社が2001年に再び合併したことにより発足。TCSは2006年の企業再編によって情報システム機能会社に位置付けられIT企業として専業化が図られた。以来、TCSはトヨタのクルマづくりをIT(情報技術)でサポートし、グローバルビジネスを推進する情報基盤(ITシンクタンク)としての役割を果たしている

また2011年には[[トヨタケーラム]]を子会社化してパッケージソフト分野を強化し、2012年にはTT Network Integration Asia Pte.Ltd.(TTNI-A)と資本提携し、グローバル展開を加速させている。以来、TCSはトヨタのクルマづくりをIT(情報技術)でサポートし、グローバルビジネスを推進する情報基盤(ITシンクタンク)としての役割を果たしている。


トヨタ自動車の情報システム部門から分離独立した経緯から、トヨタ自動車の情報システム領域4社(TMC、TCS、TDC、TCI)として人材交流が盛んである。
トヨタ自動車の情報システム部門から分離独立した経緯から、トヨタ自動車の情報システム領域4社(TMC、TCS、TDC、TCI)として人材交流が盛んである。
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== 略称 ==
== 略称 ==
トヨタグループ内での略称 "TCS" は英文社名(Toyota Communication Systems Co., Ltd.)の頭文字を取ったものだが、インドの[[タタ・グループ]]に属するITコンサルティング企業[[タタ・コンサルタンシー・サービシズ]]や独立系ソフトウェア企業の[[TCSホールディングス]](東京コンピュータサービス)との混同を避けるため、メディア等ではトヨタCSやトヨタコミュニケーション、トヨタコミュ等と表記されることがある。
トヨタグループ内での略称 "TCS" は英文社名(Toyota Communication Systems Co., Ltd.)の頭文字を取ったものだが、[[タタ・コンサルタンシー・サービシズ]]や[[TCSホールディングス]]との混同を避けるため、メディア等ではトヨタCSやトヨタコミュニケーション、トヨタコミュ等と表記されることがある。


== 事業所 ==
== 事業所 ==

2015年7月14日 (火) 06:15時点における版

株式会社トヨタコミュニケーションシステム
Toyota Communication Systems Co., Ltd.
本社が入居するトヨタホーム栄ビル(2014年7月)
種類 株式会社
市場情報 非上場
略称 TCS
本社所在地 日本の旗 日本
461-0001
愛知県名古屋市東区1-23-22
トヨタホーム栄ビル7F
北緯35度10分28秒 東経136度54分34.8秒 / 北緯35.17444度 東経136.909667度 / 35.17444; 136.909667座標: 北緯35度10分28秒 東経136度54分34.8秒 / 北緯35.17444度 東経136.909667度 / 35.17444; 136.909667
設立 2001年4月1日
業種 情報・通信業
法人番号 4180001017641 ウィキデータを編集
事業内容 トヨタ自動車を中心としたクルマの設計、生産、販売、物流から金融にいたるまでのトータルプロセスを対象とした情報システムの開発・運用およびトヨタのグローバル事業戦略を先進的IT技術でサポート
代表者 代表取締役社長 大島 哲也
資本金 10億円
売上高 429億63百万円(2015年3月期)
従業員数 1246名(2015年4月1日現在)
主要株主 トヨタ自動車 100%
主要子会社 トヨタケーラム 100%
外部リンク http://www.toyota-cs.com/
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株式会社トヨタコミュニケーションシステム(略称:TCS 英文社名:Toyota Communication Systems Co., Ltd.)は、トヨタグループに属する情報システム会社で、トヨタ自動車100%出資のシステムインテグレーターユーザー系)。トヨタ自動車と一体となり、トヨタのReBORNをIT(情報技術)でサポートしている。

概要

トヨタコミュニケーションシステム(TCS)はトヨタ自動車トヨタファイナンス等の基幹システム構築をはじめとしたトヨタグループ各社のグローバルな事業戦略をサポートする各種業務支援システムの開発を行っている。TCSはトヨタグループ各社のIT戦略を世界規模で推進するグローバルIT企業であり、トヨタ自動車の情報システム開発で培った広範囲で先進的なITソリューションを世界の市場に展開している。

TCSのキーワードは「大規模」、「最上流」、「グローバル」、「最先端」。トヨタグループの開発案件ではトップクラスのシェアがあり、プライムベンダーとしてトヨタ自動車およびグループ会社の情報システム部門を幅広く支えている。1990~91年にトヨタ自動車の情報システム部門が分離独立し、ベンダー各社との共同出資により設立されたトヨタグループのIT関連企業3社が2001年に再び合併したことにより発足。TCSは2006年の企業再編によって情報システム機能会社に位置付けられIT企業として専業化が図られた。以来、TCSはトヨタのクルマづくりをIT(情報技術)でサポートし、グローバルビジネスを推進する情報基盤(ITシンクタンク)としての役割を果たしている。

トヨタ自動車の情報システム部門から分離独立した経緯から、トヨタ自動車の情報システム領域4社(TMC、TCS、TDC、TCI)として人材交流が盛んである。

カンパニースローガン

Do IT now for TCS!

TCS stands for Tomorrow, Customers, Society and ourselves.

略称

トヨタグループ内での略称 "TCS" は英文社名(Toyota Communication Systems Co., Ltd.)の頭文字を取ったものだが、タタ・コンサルタンシー・サービシズTCSホールディングスとの混同を避けるため、メディア等ではトヨタCSやトヨタコミュニケーション、トヨタコミュ等と表記されることがある。

事業所

沿革

トヨタ自動車の情報システム部門を分社化し、専門分野毎に大手ITベンダーと合弁会社を設立

  • 1990年9月 - 富士通との合弁会社、株式会社トヨタシステムリサーチ(TSR:Toyota System Research Inc.)を設立(資本金3億円、CAE、ECU関連システムの開発・保守)
  • 1991年2月 - 日本ユニシスとの合弁会社、株式会社トヨタソフトエンジニアリング(TSE:Toyota Soft Engineering Inc.)を設立(資本金3億円、CAD/CAM関連システムの開発・保守)
  • 1991年11月 - 日本IBM東芝との合弁会社、株式会社トヨタシステムインターナショナル(TSI:Toyota System International Inc.)を設立(資本金7億円、生産・販売・調達・管理関連システムの開発・保守)

トヨタ自動車の情報システム子会社3社を統合し、トヨタコミュニケーションシステム(TCS)が発足

  • 2001年4月 ‐ トヨタシステムインターナショナル(TSI)、トヨタシステムリサーチ(TSR)、トヨタソフトエンジニアリング(TSE)の3社が合併し、株式会社トヨタコミュニケーションシステム(TCS:Toyota Communication System Co., Ltd.)を設立(TSIを存続会社として合併前3社の業務を承継。事業内容はグローバルに展開する基幹システムの設計、開発、保守、運用、コンサルティング)

トヨタ自動車の車両開発子会社2社との事業再編により、車両開発会社(TTDC)と情報システム会社(TCS)へ再編

再編要旨:トヨタテクノサービス(1982年設立 事業内容:研究開発戦略の策定と技術情報の収集・解析)、トヨタコミュニケーションシステム(1991年設立 事業内容:設計・生産・販売・調達・管理関連のトータルシステム開発)、トヨタマックス(1990年設立 事業内容:計測機器開発)の3社を会社合併ならびに吸収分割の方式により、製品開発機能会社(トヨタテクニカルディベロップメント 事業内容:車両開発、システム開発、情報解析、CAE解析、電技開発、計測機器開発)と情報システム機能会社(トヨタコミュニケーションシステム 事業内容:エンジニアリングシステム、グローバル基幹システム、及び金融系情報システムの開発、販売、運用サービス)の2社に再編

製品

  • ExDB Premium - 製造業における開発から生産に関する情報を一元管理するPDM(Product Data Management)システム
    • BOM Integration(設計BOM・構想BOM・生準BOM)
    • CATIA Integration
    • インテリジェントナビ 仮想フォルダ
  • XVL - XVLデータ形式(ラティス・テクノロジー社が開発)に対応した各種エンジニアリングシステム
  • CAE - 「鋳造湯流れ凝固解析/TopCAST」や「プレス成形解析/FAST_FORM3D」等の各種CAEソフト

TCSの事業内容

ES:エンジニアリングシステム

CAD/CAM/CAE/PDMなどの車両開発工程(企画~発売準備)において利用されるエンジニアリング系システムの開発

  1. システム企画・開発
    • CG - DSR(Digital Styling Review)を活用したトヨタ自動車オリジナルCGシステム
    • CAD/CAM- 市販CAD/CAMをベースにトヨタ自動車独自機能を開発
    • ECU - 開発プロセスの改革提案や業務支援システムの開発
    • CAE - CAEソフトの開発・販売
      • エンジン振動解析システム - 豊田中央研究所・トヨタグループ各社との共同研究に参加
    • ダイアグツール
    • PDM - パッケージソフト(ExDB)の開発・販売・サポート
    • G-BOOKの開発
  2. システム運用・活用
    • VC推進(Virtual Content)
    • 情報インフラ整備利用技術 - インフラサーバとクライアント環境の構築
    • データ正活動推進 - 一元管理されたデジタルデータを車両開発全工程で活用

BS:ビジネスシステム

車両開発、調達、生産、物流、販売、アフターサービス、一般管理といった幅広い基幹業務システムの開発

  1. 営業・アフターマーケットシステム
    • 販売情報システム、補給システム、サービス情報システム
  2. 技術・生技システム
    • 部品表システム、出図管理システム、原価企画システム
  3. オーダー・生産・物流(サプライチェーン)システム
    • グローバルサプライチェーンシステム - トヨタIMVプロジェクトに代表される世界的規模のSCMシステム
    • オーダーシステム、生産計画/生産指示システム、部品手配システム、完成車物流システム
    • 海外拠点展開
  4. グローバル調達システム
  5. 一般管理システム
    • 経理・財務システム、連結決算システム

FS:ファイナンスシステム

金融システム(カード・クレジット・保険・証券・eコマース等)の開発・維持・運用

  1. クレジットカード・ 電子マネー - トヨタファイナンス(TFC)が発行するTS CUBICカードQUICPayに関わるシステム
    • 入会審査システム、請求・回収システム、アウトソーシング
  2. カスタマーセンター・インターネットモールシステム

SS:システムサービス

インフラ環境の構築、安定した運用サービス

  1. 情報インフラ整備・利用推進
  2. システムの維持、運用に関するアウトソーシング・サービス

その他

関連項目

外部リンク

公式
その他