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ブルームバーゲンは、まず[[磁気共鳴]]において優れた業績をあげたが、特に物質中の不均一磁場の影響により広がった磁気共鳴スペクトルに飽和によるくぼみを作り、その回復の様子から緩和過程を研究した業績は有名である。
ブルームバーゲンは、まず[[磁気共鳴]]において優れた業績をあげたが、特に物質中の不均一磁場の影響により広がった磁気共鳴スペクトルに飽和によるくぼみを作り、その回復の様子から緩和過程を研究した業績は有名である。


[[1954年]]、[[タウンズ]]が[[メーザー]]の実験に成功したが、ブルームバーゲンは[[3準位メーザー]]を初めて提案し、メーザーの実用性を広げた。
[[1954年]]、[[チャールズ・タウンズ]]が[[メーザー]]の実験に成功したが、ブルームバーゲンは[[3準位メーザー]]を初めて提案し、メーザーの実用性を広げた。


この手法は後に[[レーザー]]の励起方法として広く応用されている。[[1960年]]レーザーの出現以後は、主としてレーザーによって生成された強い電磁場における物質の挙動について研究し、[[非線形光学]]と呼ばれる新分野の創造に極めて重要な役割を果たした。特に、媒質中の非線形感受率を通じて結合した4つの光波の色々な条件のもとでの振る舞いを理論的・実験的に研究し、また、これらを元にして分光学の新分野を開拓した。
この手法は後に[[レーザー]]の励起方法として広く応用されている。[[1960年]]レーザーの出現以後は、主としてレーザーによって生成された強い電磁場における物質の挙動について研究し、[[非線形光学]]と呼ばれる新分野の創造に極めて重要な役割を果たした。特に、媒質中の非線形感受率を通じて結合した4つの光波の色々な条件のもとでの振る舞いを理論的・実験的に研究し、また、これらを元にして分光学の新分野を開拓した。


[[1981年]]、A.L. ショーロー (Arthur Leonard Schawlow) とともに[[レーザー]]分光学への貢献で[[ノーベル物理学賞]]を受賞。
[[1981年]]、[[アーサー・ショーロー]] (Arthur Leonard Schawlow) とともに[[レーザー]]分光学への貢献で[[ノーベル物理学賞]]を受賞。


[[1983年]]、[[IEEE栄誉賞]]受賞。1953年には、[[国際理論物理学会]] 東京&京都 で来日した。
[[1983年]]、[[IEEE栄誉賞]]受賞。1953年には、[[国際理論物理学会]] 東京&京都 で来日した。

2011年1月30日 (日) 09:05時点における版

ノーベル賞受賞者ノーベル賞
受賞年:1981年
受賞部門:ノーベル物理学賞
受賞理由:レーザー分光学への貢献

ニコラス・ブルームバーゲンNicolaas Bloembergen, 1920年3月11日 - )は、オランダ出身のアメリカ合衆国物理学者

1941年にオランダのユトレヒト大学を卒業、1948年ライデン大学で博士号を受けた。

1949年からハーバード大学の研究生となり、1951年には準教授、1957年にはゴードン・マッケイ応用物理学教授の席についた。その後、パリ大学カリフォルニア大学バークレー校などの客員教授、1973年には母校であるライデン大学のローレンツ客員教授ととして招かれた。

ブルームバーゲンは、まず磁気共鳴において優れた業績をあげたが、特に物質中の不均一磁場の影響により広がった磁気共鳴スペクトルに飽和によるくぼみを作り、その回復の様子から緩和過程を研究した業績は有名である。

1954年チャールズ・タウンズメーザーの実験に成功したが、ブルームバーゲンは3準位メーザーを初めて提案し、メーザーの実用性を広げた。

この手法は後にレーザーの励起方法として広く応用されている。1960年レーザーの出現以後は、主としてレーザーによって生成された強い電磁場における物質の挙動について研究し、非線形光学と呼ばれる新分野の創造に極めて重要な役割を果たした。特に、媒質中の非線形感受率を通じて結合した4つの光波の色々な条件のもとでの振る舞いを理論的・実験的に研究し、また、これらを元にして分光学の新分野を開拓した。

1981年アーサー・ショーロー (Arthur Leonard Schawlow) とともにレーザー分光学への貢献でノーベル物理学賞を受賞。

1983年IEEE栄誉賞受賞。1953年には、国際理論物理学会 東京&京都 で来日した。