「眠れる森の美女 (チャイコフスキー)」の版間の差分
m編集の要約なし |
|||
34行目: | 34行目: | ||
初演は[[1890年]][[1月15日]](<small>新暦</small>)に[[マリインスキー劇場]]において行われ、『白鳥の湖』よりも好意的な評価を報道された。だがチャイコフスキーは、この作品が海外の劇場で大ヒットする栄光の瞬間を味わうことはできなかった。 |
初演は[[1890年]][[1月15日]](<small>新暦</small>)に[[マリインスキー劇場]]において行われ、『白鳥の湖』よりも好意的な評価を報道された。だがチャイコフスキーは、この作品が海外の劇場で大ヒットする栄光の瞬間を味わうことはできなかった。 |
||
チャイコフスキーは[[1893年]]に他界する。それから10年後の[[1903年]]までに、『眠れる森の美女』は帝室劇場で1番人気の[[チェーザレ・プーニ|チェザーレ・プーニ]]作曲・プティパ振付の『ファラオの娘』に次ぐ地位を得た。サンクトペテルブル |
チャイコフスキーは[[1893年]]に他界する。それから10年後の[[1903年]]までに、『眠れる森の美女』は帝室劇場で1番人気の[[チェーザレ・プーニ|チェザーレ・プーニ]]作曲・プティパ振付の『ファラオの娘』に次ぐ地位を得た。サンクトペテルブルクで活躍したイタリア人バレリーナが帰国して行った[[ミラノ]]・[[スカラ座]]における上演はまるで人口に膾炙せず、『眠れる森の美女』が国際的に古典的なレパートリーとして不朽の地位を射止めたのは、ようやく[[1921年]]の[[ロンドン]]公演においてであった。ただし、それはチャイコフスキーとプティパが作った『眠れる森の美女』を基にしながらも異なる部分があり、また、ロシアにおいても革命・ソ連時代を経て異なるものに変わっていった。原作がどういうものであったのかがわかったのは、1999年4月30日、ロシア、サンクトペテルブルクの[[マリインスキー・バレエ]]が復原版を上演したときのことである<ref>その一部が2007年[[マリインスキー劇場]]ニューイヤーガラのテレビ放映で流され、ネット上でも見ることができる。</ref>。 |
||
== あらすじ == |
== あらすじ == |
||
[[ファイル:Krasavitsa.jpg|thumb|350px|プティパ版『眠れる森の美女』、サンクトペテルブル |
[[ファイル:Krasavitsa.jpg|thumb|350px|プティパ版『眠れる森の美女』、サンクトペテルブルク、1890年。第3幕の衣装をつけたオーロラ姫([[カルロッタ・ブリアンツァ]])とデジレ王子([[パーヴェル・ゲルト|パヴェル・ゲルト]])]] |
||
=== プロローグ === |
=== プロローグ === |
||
フロレスタン14世の娘、オーロラ姫の誕生により、盛大な[[洗礼]]の式典が行われている。6人の[[妖精]]たちの一行が招待を受けて、彼女の名付け親となるべくやってくる。夾竹桃の精、三色ヒルガオの精、パンくずの精、歌うカナリアの精、激しさの精、そして一番偉い善の精、リラの精である。まず国王が妖精たちに贈り物をし、妖精たちがそれぞれオーロラ姫に授け物をする(正直さ、優雅さ、繁栄、美声、および寛大さなどを授けた、とする改訂版もある)。 |
フロレスタン14世の娘、オーロラ姫の誕生により、盛大な[[洗礼]]の式典が行われている。6人の[[妖精]]たちの一行が招待を受けて、彼女の名付け親となるべくやってくる。夾竹桃の精、三色ヒルガオの精、パンくずの精、歌うカナリアの精、激しさの精、そして一番偉い善の精、リラの精である。まず国王が妖精たちに贈り物をし、妖精たちがそれぞれオーロラ姫に授け物をする(正直さ、優雅さ、繁栄、美声、および寛大さなどを授けた、とする改訂版もある)。 |
2010年6月30日 (水) 23:05時点における版
眠れる森の美女 Спящая красавица | |
---|---|
ファイル:Sleeping Beauty Scottish ballet.jpg 英国スコティッシュ・バレエ団による 『眠れる森の美女』 | |
プティパ版 | |
構成 | 序章つき3幕 |
振付 | M・プティパ |
作曲 | P・チャイコフスキー |
台本 |
M・プティパ I・フセヴォロシスキー |
美術 |
M・ボチャローフ[1]、K・イワノフ I・アンドレエフ、M・シシコフ H・レヴォト[2]、I・フセヴォロシスキー |
初演 |
1890年1月15日 マリインスキー劇場 |
主な初演者 |
【オーロラ姫】 C・ブリアンツァ 【デジレ王子】 P・ゲルト 【リラの精】 マリー・プティパ 【カラボス】 E・チェケッティ |
ポータル 舞台芸術 ポータル クラシック音楽 |
『眠れる森の美女』(ねむれるもりのびじょ、露(原題): Спящая красавица)はピョートル・チャイコフスキーの作曲したバレエ音楽(作品66)、およびその音楽を用いたバレエ作品。クラシック・バレエ作品の最も有名なものの一つに数えられる。
ロシア語や英語の題は忠実に翻訳すれば『眠れる美女』であり、また日本語では『眠りの森の美女』とも訳される。台本はシャルル・ペローのおとぎ話『眠れる森の美女』(仏語:La Belle au bois dormant)に着想を得て書かれた。チャイコフスキーのバレエ音楽の中で最も演奏時間が長く、全曲を通した上演には普及している縮小版でも優に2時間を要し、原型に基づく上演の場合、上演時間は4時間に及ぶ。
作品の経緯
サンクトペテルブルクの帝室劇場総裁イワン・フセヴォロシスキーがチャイコフスキーに、ペローのおとぎ話『眠れる森の美女』に基づくバレエの音楽がほしい、と手紙を書いたのは1888年5月13日(ユリウス暦。新暦では5月25日)のことだった。それまでチャイコフスキーのバレエ音楽の作曲の経験は『白鳥の湖』だけであり、しかもライジンガーやハンセンが振付けてモスクワのボリショイ劇場で初演したバレエ『白鳥の湖』は、当時ほとんど歓迎されることのない作品となっていた。その後8月22日にやっと台本を手にしたチャイコフスキーは、ためらうことなく新作バレエの作曲を引き受けた。『眠れる森の美女』の作曲に当たってチャイコフスキーが取り組んだ台本は、ペローの童話を基にフセヴォロジスキーが書き下ろしたものとされている。王女の両親(国王と王妃)が娘の100年の眠りを生き長らえて、眠りから覚めた姫の晴れの婚礼を見届けるという部分や、王子のキスで目覚める部分などはグリム童話の「いばら姫」に近いが、フセヴォロシスキーはペローやオーノワ夫人などフランスの童話のいくつかの話も台本に取り入れた。ともあれチャイコフスキーはフセヴォロシスキーに、この台本を読んで大いに感動し、それを最高に生かす良い着想を得たことを嬉々として伝えた。
振付を担当したのは、ロシア帝室バレエの比類ないバレエマスター(振付・演出家)マリウス・プティパであった。プティパは作曲に必要な指示を詳細に書き、その指示に従ってチャイコフスキーはこの新作を、フロロスコエの自宅ですばやく書き上げた。1888年の冬に草稿に着手し、オーケストレーションを開始したのは1889年5月30日であった。
作品の焦点は、明らかに善の力(リラの精に象徴される)と悪の力(カラボスに象徴される)との葛藤に置かれており、それぞれを表わすライトモチーフが話の筋を強調する重要な撚り糸として機能しながら、バレエ音楽全体を貫いている。しかしながら第3幕では、その2つのライトモチーフはすっかり息を潜めて、その代わりにさまざまな宮廷舞曲の一つ一つの性格に力点が置かれる。なぜ2つのライトモチーフが第3幕で息を潜めるのかは昨今の縮小版バレエではわからないが、原作を見ればその意味がわかる。
アレクサンドル3世は皇族をつれてゲネプロ当日にこれを観覧し、立ち去り際に、たった一言「とてもいい」と言い残した。チャイコフスキーは、もっと好意的な反応を期待していたので、その言葉に苛立ったという。
初演は1890年1月15日(新暦)にマリインスキー劇場において行われ、『白鳥の湖』よりも好意的な評価を報道された。だがチャイコフスキーは、この作品が海外の劇場で大ヒットする栄光の瞬間を味わうことはできなかった。
チャイコフスキーは1893年に他界する。それから10年後の1903年までに、『眠れる森の美女』は帝室劇場で1番人気のチェザーレ・プーニ作曲・プティパ振付の『ファラオの娘』に次ぐ地位を得た。サンクトペテルブルクで活躍したイタリア人バレリーナが帰国して行ったミラノ・スカラ座における上演はまるで人口に膾炙せず、『眠れる森の美女』が国際的に古典的なレパートリーとして不朽の地位を射止めたのは、ようやく1921年のロンドン公演においてであった。ただし、それはチャイコフスキーとプティパが作った『眠れる森の美女』を基にしながらも異なる部分があり、また、ロシアにおいても革命・ソ連時代を経て異なるものに変わっていった。原作がどういうものであったのかがわかったのは、1999年4月30日、ロシア、サンクトペテルブルクのマリインスキー・バレエが復原版を上演したときのことである[3]。
あらすじ
プロローグ
フロレスタン14世の娘、オーロラ姫の誕生により、盛大な洗礼の式典が行われている。6人の妖精たちの一行が招待を受けて、彼女の名付け親となるべくやってくる。夾竹桃の精、三色ヒルガオの精、パンくずの精、歌うカナリアの精、激しさの精、そして一番偉い善の精、リラの精である。まず国王が妖精たちに贈り物をし、妖精たちがそれぞれオーロラ姫に授け物をする(正直さ、優雅さ、繁栄、美声、および寛大さなどを授けた、とする改訂版もある)。
その時、邪悪な妖精カラボスがやってくる。カラボスは自分が洗礼に招待されなかったことに怒り狂い、オーロラ姫に次のような呪いをかける。
「オーロラ姫は、20回目(改訂版では16回目)の誕生日に彼女の指を刺して、死ぬでしょう。」
しかし幸運にも、リラの精だけはまだ姫に何も授けていなかったため、次のように宣言する。
「カラボスの呪いの力は強すぎて、完全に取り払うことはできません。したがって姫は指を刺すでしょうが、死ぬことはありません。100年間の眠りについたあと、いつか王子様がやってきて、彼の口づけによって目を覚ますでしょう。」
第1幕
オーロラ姫はすくすくと成長し、20歳(16歳)の誕生日を迎えた。その誕生日に編み物をしている娘たちを見て国王は激怒する。オーロラ姫を守るために編み物・縫い物は禁止していたためだ。めでたい祝いの日なので国王は怒りを鎮めて祝宴をはじめる。
オーロラ姫には4人の求婚者がおり、彼らがバラを姫に手渡したそのすぐ後、姫は何者かからつむを贈られる。彼女は尖ったものに気をつけるようにという両親の忠告にも関わらず、それを持ったまま楽しそうに踊る。そして誤って指を刺してしまう。
カラボスは、すぐに邪悪な本性を明かしながら、勝ち誇り、驚く賓客の前で姿を消す。同時にリラの精が約束通りやってきて、王と王妃、そして賓客たちに、オーロラ姫は死ぬのではなく眠りにつくのだということを思い出させる。リラの精は城にいた全員に眠りの魔法をかける。オーロラ姫が目覚めるその時に、目を覚ますように、と。
第2幕
それから100年が経った頃、デジレ王子が一行を率いて狩りを行っていた。王子は狩りが楽しくなかったため、一人になりたいと申し出て、一行から離れる。そこに突然リラの精が現れて、オーロラ姫の幻を見せられた王子はその美しさの虜となる。王子はリラの精にオーロラ姫の元へ連れて行くよう頼み込み、今や太いツルが伸び放題でからみついている城にたどり着く。リラの精はオーロラ姫の名づけ親だが、デジレ王子の名づけ親でもあった。
王子は城の中に入り、中で眠っているオーロラ姫を発見し、王子のキスによってオーロラ姫は目を覚ます(原作は非暴力的で愛すること・考えることを重視するが、改訂版では邪悪なカラボスを打ち負かす、といった展開もある)。彼女が目を覚ましたため、城にいた全員が目を覚ます。王子は姫への愛を告白し、結婚を申し込む。
第3幕
婚礼の仕度は整った。祝祭の日にさまざまな妖精たちが招かれている。結婚を祝福するのは、金の精、銀の精、サファイアの精、ダイヤモンドの精である。リラの精もカラボスも出席している。「長靴をはいた猫」や「白猫」などのおとぎ話の主人公たちも来賓として居合わせている。
華麗なダンスが次々に踊られる。4人の(宝石・貴金属の)妖精のパ・ド・カトル、2匹の猫のダンス、青い鳥とフロリナ王女のパ・ド・ドゥ、赤ずきんちゃんとおおかみの踊り、シンデレラ姫とチャーミング王子のダンスが披露され、(一般的には省略されるサラバンドの後を受けて、)オーロラ姫とデジレ王子のパ・ド・ドゥが続き、最後にマズルカで締め括られる。オーロラ姫と王子は結婚し、(リラの精が2人を祝福する、という改訂版もあるが、原作では)妖精たちを讃えるアポテオーズの中で人々は妖精たちに感謝を表し、リラの精やカラボスなどの妖精たちが人々を見守るうちにバレエは終わる。
音楽
楽器編成
ピッコロ、フルート2、オーボエ2、コーラングレ、クラリネット2、、ファゴット2、ホルン4、コルネット2、トランペット2、トロンボーン3、チューバ、ティンパニ、大太鼓、小太鼓、タンブリン、シンバル、タムタム、トライアングル、グロッケンシュピール、ピアノ、ハープ、弦五部
楽曲構成
以下は初演時の台本に基づく。台本はフランス語で記されている。
- プロローグ「オーロラ姫の洗礼」(Prologue, Le baptême de la Psse. Aurore)
- 1-a 序奏 (Introduction)
- 1-b 広間の行進曲 (Marche de salon)
- 2-a 妖精の入場 (Entrée des fées)
- 2-b おどりの情景 (Scène dansante)
- 3 グラン・パ・アンサンブル (Grand pas ensemble)(「パ・ド・シス」(Pas de six)としても知られる)
- a) 甘美なアダージョ、短いアレグロ (Grand adage suave. Petit allégro)
- b) ヴァリアシオン - 夾竹桃の精 (Variation - Candide)
- c) ヴァリアシオン - 流麗に、三色ヒルガオの精 (Variation - Coulante - Fleur de farine)
- d) ヴァリアシオン - パンくずの精 - こぼれ落ちて (Variation - Miettes - qui tombent)
- e) ヴァリアシオン - カナリアの精 - 歌って(Variation - Canari - qui chante)
- f) ヴァリアシオン - 激しさの精 - 奔放に(Variation - Violente - échevelée)
- g) ヴァリアシオン - リラの精 - 扇情的に(Variation - La Fee des lilas - voluptueuse)
- h) 全員のコーダ (Coda générale)
- 4 終曲 (Scène finale)
- a) カラボスの入場 (Entrée de Carabosse)
- b) カラボスのマイム (Scène mimique de Carabosse)
- c) リラの精のマイム (Scène mimique de la Fée des lilas)
- 第1幕「オーロラ姫の4人の求婚者」 (Act I, Les quatre fiancés de la Psse. Aurore)
- 5-a 序奏 (Introduction)
- 5-b 編み物をする女たちの情景 (Scène des tricoteuses)
- 6 村人の大ワルツ(別名「ガーランド・ワルツ」) (Grande valse villageoise, a.k.a. The Garland Waltz)
- 7 オーロラ姫の入場 (Entrée d'Aurore )
- 8 グラン・パ・ダクション (Grand pas d'action)
- 9 終曲 (Scène finale)
- a) つむをもったオーロラ姫のおどり (La danse d'Aurore avec de fuseau)
- b) 呪文 (Le charme)
- c) リラの精の到着 (L'arrivée de la Fée des lilas)
- 第2幕第1場「デジレ王子の狩」 (Act II (scene I), La chasse du Prince Désiré)
- 10-a 間奏曲 (Entr'acte)
- 10-b 王子の狩の情景 (Scène de la chasse royale)
- 11 目隠し鬼ごっこ (Colin-maillard)
- 12 貴婦人たちのおどり (Danses des demoiselles nobles)
- a) 情景 (Scène)
- b) 公爵夫人の踊り (Danse des Duchesses)
- c) 男爵夫人の踊り (Danse des Baronnes) - プティパにより初演時カット
- d) 伯爵夫人の踊り (Danse des Comtesses) - プティパにより初演時カット
- e) 侯爵夫人の踊り (Danse des Marquises) - プティパにより初演時カット
- 13 コーダ、ファランドール (Coda - Farandole)
- 14-a 情景と狩人たちの出発 (Scène et départ des chasseurs)
- 14-b リラの精の入場 (Entrée du Fée des lilas)
- 15 パ・ダクション (Pas d'action)
- a) オーロラ姫の幻の入場 (Entrée de l'apparition d'Aurore)
- b) 甘美なアダージョ (Grand adage suave) - プティパの依頼により冒頭部のハープのカデンツァを拡大
- c) ニンフのワルツ - コケティッシュな短いアレグロ (Valse des nymphes – Petit allégro coquet)
- 挿入曲:リッカルド・ドリーゴによる4小節のつなぎ
- 挿入曲:ブリアンツァ嬢のヴァリアシオン(no. 23-b の金の精のヴァリアシオン)
- c) オーロラ姫のヴァリアシオン (Variation d'Aurore) - プティパにより初演時カット
- d) 小コーダ (Petite coda)
- 16 情景 (Scène)
- 17 パノラマ (Panorama)
- 挿入曲:チャイコフスキーによるno. 19への3小節のつなぎ(no. 18は初演時カットのため)
- 18 交響的間奏曲 (Entr'acte symphonique) - プティパにより初演時カット
- 第2幕第2場「眠れる森の美女の城」 (Act II (scene II), Le château de la belle au bois dormant)
- 19 眠りの城の情景 (Scène du château de sommeil)
- 20 情景と終曲 - オーロラ姫の目覚め (Scène et final – Le réveil d'Aurore)
- 第3幕「デジレ王子とオーロラ姫の結婚式」 (Act III, Les Noces de Désiré et d'Aurore)
- 21行進曲 (Marche)
- 22 グラン・ポロネーズ(別名「おとぎ話の人物たちの行列」 (Grand polonaise dansée, a.k.a. The Procession of the Fairy Tales)
- グラン・ディヴェルティスマン (Grand divertissement)
- 23 パ・ドゥ・カトル (Pas de quatre)
- a) 入場 (Entrée)
- b) 金の精のヴァリアシオン ( Variation de la fée-Or) - 初演時はプティパによりブリアンツァ嬢のヴァリアシオンとして第2幕に移動
- c) 銀の精のヴァリアシオン (Variation de la fée-Argent) - 初演時はプティパにより「金・銀・サファイアの精のパ・ドゥ・トロワ」 (Pas de trois pour la Fées d'Or, d'Argent et de Saphir) に変更
- d) サファイアの精のヴァリアシオン (Variation de la fée-Saphir) - プティパにより初演時はカット
- e) ダイヤモンドの精のヴァリアシオン (Variation de la fée-Diamant)
- f) コーダ (Coda)
- 挿入曲:猫の入場(チャイコフスキーによる10小節の序奏)
- 24 パ・ドゥ・カラクテール - 長靴をはいた猫と白い猫 (Pas de caractère – Le Chat botté et la Chatte blanche)
- 25 パ・ドゥ・カトル (Pas de quatre) - 初演時はプティパにより「青い鳥とフロリーネ姫のパ・ドゥ・ドゥ」に変更
- a) 入場 (Entrée)
- b) シンデレラとフォルチュネ王子のヴァリアシオン (Variation de Cendrillon et Prince Fortuné) - 初演時はプティパにより「青い鳥のヴァリアシオン」に変更
- c) 青い鳥とフロリーネ姫のヴァリアシオン (Variation de l'Oiseau bleu la Princesse Florine) - 初演時はプティパにより「フロリーネ姫のヴァリアシオン」に変更
- d) コーダ (Coda)
- 26 パ・ドゥ・カラクテール - 赤ずきんと狼 (Pas de caractère – Chaperon Rouge et le Loup)
- 挿入曲:パ・ドゥ・カラクテール - シンデレラとフォルチュネ王子
- 27 ベリー人のおどり - 親指小僧とその兄弟と人食い鬼 (Pas berrichon – Le Petit Poucet, ses frères et l'Ogre)
- 28 グラン・パ・ド・ドゥ・クラシック (Grand pas de deux classique)
- a) 入場 (Entrée)
- b) アダージョ (Grand adage)
- c) デジレ王子のヴァリアシオン (Variation du Prince Désiré)
- d) オーロラ姫のヴァリアシオン (Variation d'Aurore) - プティパの依頼により初演時はリッカルド・ドリーゴにより編曲
- e) コーダ (Coda)
- 29 サラバンド - トルコ人、エチオピア人、アフリカ人とアメリカ人のカドリーユ (Sarabande – quadrille pour Turcs, Éthiopiens, Africains et Américains)
- 30-a 全員のコーダ (Coda générale)
- 30-b アポテオーズ - ルイ14世の姿をしたアポロン、妖精に囲まれた太陽の光によって輝いている (Apothéose – Apollon en costume de Louis XIV, éclairé par le soleil entouré des fées)
改作
オーロラ姫の結婚(ディアギレフ版)
1922年にセルゲイ・ディアギレフは、自前のロシア・バレエ団のために、『眠れる森の美女』を45分の長さに短縮し、『オーロラ姫の結婚』と名付けた独自の版を編み出した。この編曲では、第1幕の導入部と、第3幕のほとんどを結び付け、その他の部分を混ぜたものとなっている。この短縮版は、レオポルド・ストコフスキーによって上演・録音されており、デジタル録音ではシャルル・デュトワ指揮の録音がある。楽曲の配列は以下の通りである。
- 序奏(プロローグ) Introduction (Prologue)
- ポラッカ Polacca (Act 3)
- パ・ド・シス Pas de Six (Prologue)
- 情景 - 公爵夫人の踊り - 侯爵夫人の踊り Scene; Danse des Duchesses; Danse des Marquises (Act 2)
- ファランドール:舞曲 - テンポ・ディ・マズルカ Farandole; Danse - Tempo di Mazurka (Act 2)
- パ・ド・カトル Pas de Quatre (Act 3)
- パ・ド・カラクテール - 赤ずきんと狼 Pas de Caractere-Chaperone Rouge et la Loup (Act 3)
- パ・ド・カトル Pas de Quatre (Act 3)
- コーダ - 3人のイヴァン Coda-The Three Ivans (Act 3)
- パ・ド・ドゥ Pas de Deux (Act 3)
- フィナーレ - テンポ・ディ・マズルカ - アポテオーズ Finale - Tempo di Mazurka; Apotheose (Act 3)