コンテンツにスキップ

火星の人

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
『火星の人』
The Martian
作者 アンディ・ウィアー
アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
言語 英語
ジャンル SF小説
刊本情報
刊行 2011年自費出版
2014年2月(クラウン・パブリッシング
受賞
第46回星雲賞海外長編部門
日本語訳
訳者 小野田和子
ウィキポータル 文学 ポータル 書物
テンプレートを表示

火星の人』(かせいのひと、原題: The Martian)は、アメリカ合衆国のSF作家アンディ・ウィアーSF小説日本語版は2014年小野田和子の訳でハヤカワ文庫SFから刊行された。第46回星雲賞海外長編部門の受賞作。2015年には『オデッセイ』として映画化もされている。

概要

[編集]

アンディ・ウィアーの商業デビュー作で、もともとWeb小説として連載していたものが2011年自費出版され[1]2014年クラウン・パブリッシングより再出版されるという形で刊行された。2035年火星を舞台に、一人取り残されたアメリカの宇宙飛行士マーク・ワトニーのサバイバルを扱ったストーリーとなっている[2][3][4][5]

アンディ・ウィアーは本作の執筆により、2016年に優秀な新人SF作家に与えられるジョン・W・キャンベル新人賞を受賞した。また日本語版は第46回星雲賞海外長編部門を受賞した他、『SFが読みたい! 2015年版』のベストSF2014海外篇1位を獲得している。

2024年2月11日、本書出版の10周年を記念し新たに書き下ろされた短編“The Martian: Lost Sols”がアンディ・ウィアーのX(旧Twitter)アカウントを通じて公開された[6]。この短編では、破損していたログデータを修復したという形式でログエントリー:ソル488の出来事が綴られている。

あらすじ

[編集]
作中でマーク・ワトニーが辿った道筋

アレス3ミッションの一員として火星に降り立った宇宙飛行士のマーク・ワトニーは、不慮の事故により一人火星に取り残されてしまう。地球との通信が絶たれ、食料も限られるなか、ワトニーは植物学者とメカニカルエンジニアとしての知識を総動員し、基地内でジャガイモを育て、また地球との通信の確保に奔走する。一方地球でも、衛星写真からワトニーの生存が確認され、彼の救出に向けて動き出す。マーズ・パスファインダーを用いて通信を確立したワトニーは、多くのトラブルに見舞われながらも、アレス4のMAV(火星上昇機)の元に到達。地球への帰還を果たす。

映画

[編集]

監督リドリー・スコット、主演マット・デイモンで映画化され、2015年10月に20世紀フォックスより配給された[7]。英語版は原作と同じThe Martianの名で配給されたが、日本語版は『オデッセイ』の邦題となっている。映画は2016年にヒューゴー賞映像部門長編部門を受賞した。

書誌情報

[編集]
  • アンディ・ウィアー『火星の人』小野田和子訳、早川書房、2014年。ISBN 9784150119713 
  • アンディ・ウィアー『火星の人〔新版〕 上』小野田和子訳、ハヤカワ文庫SF、2015年。ISBN 9784150120436 
  • アンディ・ウィアー『火星の人〔新版〕 下』小野田和子訳、ハヤカワ文庫SF、2015年。ISBN 9784150120443 

脚注

[編集]
  1. ^ アンディ・ウィアー「火星の人」 映画「オデッセイ」原作SF小説が20万部突破の大ヒット”. アニメ!アニメ! (2016年2月28日). 2018年8月27日閲覧。
  2. ^ Weir, Andy (January 5, 2015). “FaceBook – Andy Weir's Page – Timeline Photos (comment)”. Facebook. November 16, 2015閲覧。 "Ares 3 launched on July 7, 2035. They landed on Mars (Sol 1) on November 7, 2035. The story begins on Sol 6, which is November 12, 2035." – Andy Weir
  3. ^ Shippey, Tom (February 7, 2014). “Book Review: 'The Martian' by Andy Weir; 'Red Rising' by Pierce Brown”. The Wall Street Journal. オリジナルのFebruary 16, 2014時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20140216162437/http://online.wsj.com/news/articles/SB10001424052702304428004579351000913706472 February 16, 2014閲覧。 
  4. ^ Ayres, Jeff (February 11, 2014). “Andy Weir delivers with 'The Martian'”. Yahoo!. February 16, 2014閲覧。
  5. ^ Catucci, Nick (February 12, 2014). “The Martian (2014)”. Entertainment Weekly. March 28, 2014閲覧。
  6. ^ Ten years ago today that The Martian hit shelves. I owe everything that happened since then to my readers. I can't thank you enough. So, for the hell of it, I wrote some additional content for The Martian.”. アンディ・ウィアー X(旧Twitter)アカウント (2024年2月11日). 2024年2月13日閲覧。
  7. ^ McClintock, Pamela (June 10, 2015). “Fox Moves Ridley Scott's 'The Martian' to October”. The Hollywood Reporter. http://www.hollywoodreporter.com/news/fox-moves-ridley-scotts-martian-801733 June 10, 2015閲覧。 

関連項目

[編集]

外部リンク

[編集]