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微分積分学における商の法則(しょうのほうそく、英: quotient rule)は二つの可微分函数の比(商)となっている函数の導函数の計算を述べるものである[1][2][3]。
具体的に g, h はともに可微分で h(x) ≠ 0 として f(x) = g(x)/h(x) と書けば、この商 f の微分は で与えられる。
陰函数微分による証明 —
f(x) = g(x)/h(x) ならば g(x) = f(x)h(x) であるから、積の法則により となり、f′ について解けば を得る。
導関数の定義式を用いた証明 —
微分すべき関数をh(x) = f(x)/g(x)とおけば次の様な極限が成り立つ。
∴ □
- f(x) ≔ tan(x) = sin(x)/cos(x) の導函数を求めるのに商の法則が利用できる:
陰函数微分を用いれば、商の n-階微分も((n −1)-階までの導函数を用いて)計算することができる。例えば、f⋅h = g を両辺二回微分して f″ について解けば を得る。