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アモス書

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

アモス書』(アモスしょ)は、旧約聖書文書のひとつ。全9章で構成される。ユダヤ教では後の預言者に分類され、キリスト教では預言書(十二小預言書)に分類される。伝統的配列では、十二小預言書のなかで3番目に位置し、『ヨエル書』の次、『オバデヤ書』の前に配置される。

著者

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1章1節によれば著者はアモスで、テコア出身の牧夫であったという。テコアについては、エルサレムの南方約18キロの地点であると同定されているため、出身地はユダ王国であると一般に解される。

預言期間は不明であるが、時期については同じく1章1節から、ウジヤ(ユダ王国)、ヤラベアム2世(イスラエル王国)の時代、地震の2年前より開始されたとの記述がある。この同じ地震への言及は、聖書中ではゼカリヤ書14章5節があるのみで、正確な時期を特定する情報は存在しない。

内容

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内容は大きく4つに分けることが出来る。

  1. 近隣諸国の民[1](1:3‐2:3)と、南ユダ王国、北イスラエル王国に対する神の裁きの宣告
  2. イスラエルの支配者たちへの悔い改めの要求
  3. 裁きについての5つの幻(イナゴ、燃える火、重り縄、夏の果物[2]、祭壇の傍らの主)
  4. 結びとして、ダビデの系統を引くイスラエル民族の回復

新約聖書での引用・類似の比喩

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5:25-27 使徒行伝 7:42-43
9:11-12 使徒行伝 15:16-18

脚注

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  1. ^ ダマスコ、ガザ、ツロ、エドム、アモン、モアブなど
  2. ^ わが民イスラエルの終りがきた。わたしは再び彼らを見過ごしにしない。アモス書(口語訳)#8:2後半