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TOI-2095

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
TOI-2095
分類 赤色矮星[1]
軌道要素と性質
惑星の数 2
位置
赤経 (RA, α)  19h 02m 31.9305592512s[2]
赤緯 (Dec, δ) +75° 25′ 06.980154744″[2]
視線速度 (Rv) -20.39±0.64 km/s[2]
固有運動 (μ) 赤経: 203.466 ミリ秒/[2]
赤緯: -21.401 ± 0.02 ミリ秒/年[2]
年周視差 (π) 23.8571 ± 0.0133ミリ秒[2]
(誤差0.1%)
距離 136.71 ± 0.08 光年[注 1]
(41.92 ± 0.02 パーセク[注 1]
物理的性質
半径 0.44±0.02 R[1]
質量 0.44±0.02 M[1]
自転周期 40+0.2
−0.4
[1]
スペクトル分類 M2.5 V[1]
表面温度 3759±87 K[1]
金属量[Fe/H] -0.24±0.04[1]
年齢 >10 億年[1]
他のカタログでの名称
UCAC4 828-018862[2]
LSPM J1902+7525[2]
2MASS J19023192+7525070[2]
PM J19025+7525[2]
TIC 235678745[2]
USNO-B1.0 1654-00089490[2]
Gaia DR2 2268372099615724288[2]
Gaia DR3 2268372099615724288[2]
Template (ノート 解説) ■Project

TOI-2095とは、太陽系から約42パーセク離れた位置にある恒星である。TESSによって2つの太陽系外惑星が周囲を公転していることが発見された[1]

概要

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大きさの比較
太陽 TOI-2095
太陽 Exoplanet

この惑星はスペクトル分類がM2.5Vの赤色矮星である。太陽質量の0.44倍、太陽半径の0.44倍を持ち、温度は3759ケルビンとされている[1]

「TOI-2095」の「TOI」はTESS object of interestのことであり、TESSによる観測で周囲に惑星候補が検出された際に指定される。他に「TIC 235678745」や「Gaia DR2 2268372099615724288」、「2MASS J19023192+7525070」などの名称も持つ。「TIC 235678745」の「TIC」はTESS Input Catalogを指し、TESSによる観測の対象となる恒星に与えられる。TOI-2095はTESSやジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡(JWST)が長期間継続して観測するContinuous Viewing Zone(CVZ)に位置している[3][4][1]

惑星系

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TOI-2095の惑星[1]
名称
(恒星に近い順)
質量 軌道長半径
天文単位
公転周期
()
軌道離心率 軌道傾斜角 半径
b <4.1 M 0.101±0.005 17.66484±0.00007 0 89.67+0.16
−0.10
°
1.25±0.07 R
c <7.4 M 0.137±0.006 28.17232±0.00014 0 89.91+0.06
−0.09
°
1.33±0.08 R

この恒星の周囲を公転する太陽系外惑星は、最初にTESSのトランジット法を用いた観測によって2つの惑星候補が存在する可能性が示され、恒星は「TOI-2095」、惑星候補は「TOI-2095.01」「TOI-2095.02」とそれぞれ指定された。これらのTOIが公開されたのは2020年7月15日である[3]。トランジットの深さはそれぞれ670 ppmと820 ppmである。その後フォローアップ観測などを経て惑星候補の存在が確認され、TOI-2095.01は「TOI-2095 b」、TOI-2095.02は「TOI-2095 c」という名称が与えられた。これらの惑星の発見及び確認を公表する論文はarXivに2023年4月18日に公表された[1]

TOI-2095 bは約17.7日の公転周期で、地球半径の1.25倍の半径を持つ。TOI-2095 cは約28.2日の公転周期で、地球半径の約1.33倍の半径を持つ。どちらの惑星も地球より大きなスーパーアースで、TOI-2095 cのほうがわずかに大きい。質量は上限のみわかっており、TOI-2095 bは地球質量の4.1倍以下、TOI-2095 cは地球質量の7.4倍以下である。TOI-2095 bとTOI-2095 cの平衡温度はそれぞれ347 K (74 °C; 165 °F) 、297 K (24 °C; 75 °F) であり、ハビタブルゾーンの内側の限界に近い位置を公転している[1]。研究チームはこれらの惑星についてドップラー分光法を用いたフォローアップ観測を行う予定である。これにより、正確な質量や密度を測定できる可能性がある[5]

脚注

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注釈

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  1. ^ a b パーセクは1 ÷ 年周視差(秒)より計算、光年は1÷年周視差(秒)×3.2615638より計算

出典

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  1. ^ a b c d e f g h i j k l m n Two super-Earths at the edge of the habitable zone of the nearby M dwarf TOI-2095”. arXiv. 2023年5月14日閲覧。
  2. ^ a b c d e f g h i j k l m n Results for TOI-2095”. SIMBAD Astronomical Database. CDS. 2023年5月15日閲覧。
  3. ^ a b TESS Project Candidates”. arXiv. 2023年5月14日閲覧。
  4. ^ TESS Objects of Interest Table Data Columns”. NASA Exoplanet Archive. 2023年5月14日閲覧。
  5. ^ 2 'super-Earth' exoplanets spotted in habitable zone of nearby star”. Space.com. 2023年5月14日閲覧。

関連項目

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