HD 10180

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HD 10180
HD 10180(中央)
HD 10180(中央)
星座 みずへび座
見かけの等級 (mv) 7.32 ± 0.01[1]
分類 G型主系列星
位置
元期:J2000.0
赤経 (RA, α)  01h 37m 53.57672s[1]
赤緯 (Dec, δ) −60° 30′ 41.4954″[1]
赤方偏移 0.000117
視線速度 (Rv) +35.2 ± 0.01 km/s
固有運動 (μ) 赤経: -14.60 mas/年
赤緯: 6.51 mas/年
年周視差 (π) 25.63 ± 0.38 mas
距離 127 ± 2 光年
(39 ± 0.6 pc)
絶対等級 (MV) 4.38 ± 0.03
物理的性質
半径 1.20 ± 0.318 R
質量 1.062 ± 0.017 M
表面重力 4.39 log g
自転速度 < 3 km/s
自転周期 24 ± 3 日
スペクトル分類 G1V C[1]
光度 1.49 ± 0.02 L
表面温度 5911 K
色指数 (B-V) 0.63 ± 0.02
色指数 (V-J) 1.074 ± 0.022
色指数 (V-H) 1.386 ± 0.041
色指数 (J-H) 0.312 ± 0.052
色指数 (H-K) 0.066 ± 0.049
他のカタログでの名称
GC 1984,
2MASS J01375356-6030414,
SPOCS 88,
CD-61 285,
GSC 08850-01715,
PPM 352502,
SRS 3926,
CPC 20.1 322,
HIC 7599,
SAO 248411,
TYC 8850-1715-1,
CPD-61 124,
HIP 7599,
SKY# 2452,
uvby98 100010180.
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HD 10180は、太陽に似たG型主系列星である。

概要[編集]

HD 10180は、みずへび座の方向に、地球から127光年離れたところに位置する。南の空にあるため、熱帯地方より北では見ることができない。視等級は7.3と暗いため肉眼では見ることはできないが、小型望遠鏡で容易に見ることができる。

大きさの比較
太陽 HD 10180
太陽 Exoplanet

HD 10180の質量太陽の質量より6%重く、半径は20%大きい。明るさは太陽の約1.5倍で、年齢は73億歳、表面温度は太陽より少し高い5911Kであると推定されている。

惑星系[編集]

HD 10180の惑星[2]
名称
(恒星に近い順)
質量 軌道長半径
天文単位
公転周期
()
軌道離心率 軌道傾斜角 半径
b (未確認) 0.00424755 MJ 0.02225±0.00035 1.17768±0.0001 0
c >0.041217 MJ 0.0641±0.001 5.75979±0.00062 0.045±0.026
i (未確認) 0.006+0.005
−0.0057
MJ
0.0904±0.0047 9.655±0.072 0.05±0.05
d >0.03696945 MJ 0.1286±0.002 16.3579±0.038 0.088±0.041
e >0.07897304 MJ 0.2699±0.0042 49.745±0.022 0.026±0.036
j (未確認) 0.016+0.0186
−0.01
MJ
0.33±0.016 67.55±0.88 0.07±0.07
f >0.07519743 MJ 0.4929±0.0078 122.76±0.17 0.135
g >0.06733159 MJ 1.422±0.026 601.2±8.1 0.19±0.14
h >0.202624 MJ 3.4±0.11 2222±91 0.08±0.07

HD 10180は、全部で7個の惑星がある。7個は太陽系外惑星の中ではケプラー90に次ぐ個数であり[3][4][5]グリーゼ581星系やケプラー11星系の6個を上回る。

これらの惑星の軌道はコンパクトにまとまっており、6個は火星軌道の内側、5個は金星軌道の内側、4個は水星軌道の内側に存在する。最も遠い惑星でも小惑星帯の外側にある。質量は多くは天王星型惑星であるが、最も内側のb地球型惑星、最も外側のh木星型惑星であると推定されている。

2010年の段階でcdefgの5個の惑星が発見され、bhの2個は存在が未確定であった。そして2012年に、bとhの存在が確定され、さらに2個の候補であるijの2個の惑星が新たに候補に加わった。もしこの2個の存在が確定されれば、太陽系の8個を上回ることになる。なお、iとjは、存在すれば表面が岩石で覆われたスーパーアースである可能性が高いという[3]

惑星の軌道は軌道共鳴をしていると考えられており、発見されているbからhは、内側からそれぞれ1:5、1:3、1:3、2:5、1:5、3:11という軌道共鳴をしていると考えられている。一方、存在が未確定であるiとjを加えると、惑星のデータは少し変化する。軌道共鳴もそれぞれc:i:d = 3:2:1、e:j:f = 3:2:1となる。

関連項目[編集]

出典[編集]

  1. ^ a b c d SIMBAD
  2. ^ Catalog”. 太陽系外惑星エンサイクロペディア. 2020年10月13日閲覧。
  3. ^ a b 過去最多、惑星9つの恒星系”. ナショナル ジオグラフィック. ナショナル ジオグラフィック協会 (2012年4月11日). 2023年11月27日閲覧。
  4. ^ BBC
  5. ^ “8惑星持つ恒星系、AIで発見 太陽系と並び最多、NASA”. AFPBB News. フランス通信社. (2017年12月15日). https://www.afpbb.com/articles/-/3155479 2017年12月15日閲覧。 

参考文献[編集]