Mental ray

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

これはこのページの過去の版です。Bcxfubot (会話 | 投稿記録) による 2020年9月6日 (日) 22:21個人設定で未設定ならUTC)時点の版 (外部リンクの修正 http:// -> https:// (web.archive.org) (Botによる編集))であり、現在の版とは大きく異なる場合があります。

mental rayとは、NVIDIAが提供していたレイトレーシングベースの3次元コンピュータグラフィックスレンダリングエンジンである。

元々は独mental images GmbH英語版 (後のNVIDIA ARC GmbH) によって開発されていたが、2007年にGPUメーカーのNVIDIAがそれを買収し子会社化した。2017年、開発終了した[1]が、PTC Creo Parametricには未だ搭載されている。

歴史

1989年から2017年に至るまで継続して開発・更新が続いていた。最初、1993年にSOFTIMAGE Creative Environment (後のSoftimage 3D) が mental ray を内部レンダラーとして統合し、その後、その後継のSoftimage | XSI、Discreet Logic社の3ds Max、Alias SystemsのMayaが続いて内部レンダラーとして採用した。また、Autodesk社のCADであるAutoCADやRevitにも搭載された。

2008年、GPU対応REYESスキャンラインレンダラーのGelato (旧Entropy←BMRT[2]、Exlunaより買収)が開発終了となり、その開発チームがmental rayの開発に加わった[3]

しかし、その後、Softimage社とAlias Systemsの買収を行ったAutodeskは、自社レンダラー「Autodesk Raytracer」 (別名Rapid RT)の開発を進め、また、2016年にArnoldの開発元であるSolid Angle社の買収を行って、同社の製品にそれらを付属することでmental rayを排除した。そのため、2017年にmental rayは開発終了となった。

特徴

フォトンマッピング技術により、物理的に確なグローバルイルミネーションのシミュレーションを行なうことで、コースティクスのような光学現象を再現することが可能。スペクトルレンダリングにも対応していた[4]

非写実レンダリング (NPR) 向けとしては、Softimageに付属するToonシェーダに定評があり、これを3ds MaxやMayaから使う方法も存在した[5]

また、mental rayにはirayエンジンも統合されており[6] (Iray mode)、3ds Maxからはmental rayを通してirayを使うことが可能であった[7]

NVIDIA Iray

NVIDIA Irayは、NVIDIAが開発するGPU対応レンダラーであり、そのレンダリングエンジンはMental Rayにも搭載されている[8]

Irayは、Autodesk 3ds Max 2011以降やDAZ Studio 4.8以降、CATIA V6R2011x以降、Substance Designer 5.3以降、Substance Painter 2以降[9]などに標準で搭載されている。分散レンダリング用としてNVIDIA Iray Serverが存在する。また、3DCG/3DCADソフトウェア用のプラグインとして以下が存在する。

その他に、単体フロントエンドとして、Dassault SystèmesのSOLIDWORKS Visualization (旧Bunkspeed)が存在する。

関連項目

脚注