永井克孝

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

これはこのページの過去の版です。220.109.38.233 (会話) による 2021年1月1日 (金) 11:00個人設定で未設定ならUTC)時点の版であり、現在の版とは大きく異なる場合があります。

永井 克孝(ながい よしたか、1931年昭和6年)9月7日 - 2014年平成26年)6月23日)は、日本の生化学者、理学博士医学博士日本生化学会名誉会員、日本基礎老化学会名誉会員、日本神経化学会名誉会員、日本神経免疫学会名誉会員、日本糖質学会名誉会員、日本脂質生化学会名誉会員、米国生化学分子生物学会en:American Society for Biochemistry and Molecular Biology)名誉会員、理化学研究所名誉研究員、東京大学名誉教授。専門は糖鎖生物学[1]。妻は永井和子

略歴

新潟県新潟市出身。1950年昭和25年)3月に新潟高等学校を卒業、同年4月に東京大学に入学、木村雄吉前田護郎に師事[2][3][4]1954年(昭和29年)3月に東京大学教養学部教養学科を卒業。

1958年(昭和33年)4月に東京大学伝染病研究所助手に就任、山川民夫に師事[4]1963年(昭和38年)4月に東京大学教養学部助手に就任。同年12月に東京大学から理学博士号を取得。

1966年(昭和41年)4月に東京大学教養学部助教授に就任、1968年(昭和43年)4月に東京大学医科学研究所細胞化学研究部助教授に就任、1974年(昭和49年)4月に東京都老人総合研究所生化学部部長に就任。

1977年(昭和52年)1月に東京大学から医学博士号を取得。1979年(昭和54年)4月に東京大学医科学研究所癌細胞学研究部教授に就任、1981年(昭和56年)5月に東京大学医学部生化学第二講座教授に就任。

1984年(昭和59年)4月に新潟大学脳研究所客員教授に就任[注 1]1987年(昭和62年)9月に第37代日本生化学会会長に就任[注 2]1988年(昭和63年)6月に「生理活性ガングリオシドの研究」で第29回藤原賞を受賞[4][5][6][7]

1991年平成3年)4月に東京都臨床医学総合研究所所長に就任[注 3]、1991年(平成3年)10月に理化学研究所 国際フロンティア研究システム 糖鎖機能研究グループ ディレクターに就任[注 4]

1992年(平成4年)6月に東京大学名誉教授の称号を受称、1994年(平成6年)11月に紫綬褒章を受章[4][5][6]1995年(平成7年)4月に三菱化学生命科学研究所取締役所長に就任[注 5]

1998年(平成10年)3月に理化学研究所 国際フロンティア研究システム システム長に就任[注 4]1999年(平成11年)10月に理化学研究所 国際フロンティア研究システム アドバイザーに就任[注 6]

2000年(平成12年)4月に理化学研究所 研究顧問に就任。2002年(平成14年)11月に勲三等旭日中綬章を受章[4][5][6][8]2004年(平成16年)2月に日本糖鎖科学コンソーシアムの設立とともに理事長に就任[9][10][注 7]

糖脂質の生理活性に関する研究や、糖鎖を介した細胞外リン酸化酵素の発見などで、細胞生物学に大きな影響をもたらし、世界における糖鎖生物学のリーダーの一人となった[5][11]

著書

編書

  • 『生化学ハンドブック』井村伸正大島泰郎黒川正則三浦謹一郎水島昭二[共編]、丸善、1984年。
  • 『続生化学実験講座 第5巻: 免疫生化学研究法』大沢利昭[共編]、東京化学同人、1986年。
  • 『レセプターの化学』野沢義則林恭三[共編]、化学同人、1987年。
  • 『新生化学実験講座 第4巻: 脂質III 糖脂質』牧田章脊山洋右[共編]、東京化学同人、1990年。
  • 『生命-「もの」と「かたち」』木村雄吉[著]、金子務[共編]、学会出版センター、1991年。
  • 『グリコバイオロジーシリーズ 1: 糖鎖の多様な世界』木幡陽箱守仙一郎[共編]、講談社、1993年。
  • 『グリコバイオロジーシリーズ 2: 糖鎖の細胞における運命』木幡陽・箱守仙一郎[共編]、講談社、1993年。
  • 『グリコバイオロジーシリーズ 3: 細胞社会のグリコバイオロジー』木幡陽・箱守仙一郎[共編]、講談社、1993年。
  • 『グリコバイオロジーシリーズ 6: グリコパソロジー』木幡陽・箱守仙一郎[共編]、講談社、1993年。
  • 『グリコバイオロジーシリーズ 5: グリコテクノロジー』木幡陽・箱守仙一郎[共編]、講談社、1994年。
  • 『グリコバイオロジーシリーズ 4: グリコジーンとその世界』木幡陽・箱守仙一郎[共編]、講談社、1994年。
  • 『糖鎖: I. 糖鎖と生命』東京化学同人、1994年。
  • 『糖鎖: II. 糖鎖と病態』東京化学同人、1994年。
  • 『糖鎖: III. 糖鎖の分子設計』東京化学同人、1994年。
  • 『生命のかたち 木村雄吉の学問と思策』木村雄吉[ほか著]、金子務[共編]、学会出版センター、2004年。

監修書

論文

脚注

注釈

  1. ^ 1993年平成5年)3月に退任。
  2. ^ 1988年昭和63年)10月に退任。
  3. ^ 1995年(平成7年)3月に退任。
  4. ^ a b 1999年(平成11年)9月に退任。
  5. ^ 2004年(平成16年)3月に退任、同年4月に顧問に就任、2006年(平成18年)3月に退任。
  6. ^ 2000年(平成12年)3月に退任。
  7. ^ 2010年(平成22年)5月に退任。

出典

  1. ^ 永井克孝氏が死去 東京大名誉教授 - 日本経済新聞社、2014年。
  2. ^ 生化学者の無教会派 永井克孝兄へのオマージュ金子務公式サイト
  3. ^ 財団ニュース』平成26年度第1号、4頁。
  4. ^ a b c d e JSCR Newsletter』第18巻第2号、17頁。
  5. ^ a b c d 財団ニュース』平成26年度第1号、3頁。
  6. ^ a b c 『生命のかたち―木村雄吉の学問と思策 (人と学問選書)』著者略歴 - Amazon.co.jp
  7. ^ 藤原賞受賞者 藤原科学財団
  8. ^ 「2002年秋の叙勲 勲三等以上と在外邦人、外国人叙勲の受章者一覧」『読売新聞』2002年11月3日朝刊
  9. ^ 日本糖鎖科学コンソーシアム:概要:経緯
  10. ^ 日本糖鎖科学コンソーシアム:概要:理事長あいさつ
  11. ^ JSCR Newsletter』第18巻第2号、17頁。『基礎老化研究』第38巻第3号、61頁。

参考文献

関連文献

外部リンク

学職
先代
大沢利昭
日本生化学会会長
第37代:1987年 - 1988年
次代
沼正作
先代
設立
日本糖鎖科学コンソーシアム会長
初代
次代
川嵜敏祐
先代
今堀和友
三菱化学生命科学研究所所長
第4代:1995年 - 2004年
次代
関谷剛男