志賀浩二

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志賀 浩二(しが こうじ、1930年昭和5年)10月8日 - )は、日本数学者、理学博士東京工業大学名誉教授。専門は微分位相幾何学数学教育[1]

略歴

新潟県新潟市出身。1949年昭和24年)3月に新潟県立新潟高等学校を卒業[注 1]、4月に官立新潟高等学校に入学、5月に新潟大学が発足して官立新潟高等学校は新潟大学新潟高等学校となった。

1950年(昭和25年)3月に新潟大学新潟高等学校は閉校となり、4月に志賀浩二は否応なしに新潟大学理学部数学科の学生となった[3]

1953年(昭和28年)に新潟大学を卒業、東京大学大学院数物系数学科修士課程に入学、矢野健太郎に師事[4]1955年(昭和30年)に修了。

1975年(昭和50年)に東京工業大学理学部数学科教授に就任、1988年(昭和63年)に東京工業大学を退官、桐蔭学園横浜大学工学部教授に就任、2004年平成16年)に桐蔭横浜大学を退職。

2005年(平成17年)に「数多くの数学啓発書の執筆および編集により数学の研究・教育・普及に大きく貢献」により第1回日本数学会出版賞を受賞した[5]

年譜

著書

  • 『変形の理論』松島与三[ほか共著]、数学振興会、1963年。
  • 『近代ベクトル解析入門』廣川書店、1967年。
  • 『精解演習 集合・位相・測度』廣川書店、1972年。
    • 『集合・位相・測度』朝倉書店、2006年。
  • 岩波講座 基礎数学 1: 幾何学i 多様体論I』岩波書店、1976年。
  • 『岩波講座 基礎数学 2: 幾何学i 多様体論II』岩波書店、1976年。
  • 『岩波講座 基礎数学 5: 幾何学i 多様体論III』岩波書店、1976年。
    • 『多様体論』岩波書店、1990年。
  • 『現代数学への招待 多様体とは何か』岩波書店、1979年。
    • 『現代数学への招待 多様体とは何か』筑摩書房、2013年。
  • 『おーい!数学 式とグラフ』岩波書店、1981年。
  • 『無限への一歩』岩波書店、1983年。
  • 『新数学I』森本明彦細井勉[共著]、教育出版、1988年。
  • 『数学30講シリーズ 1: 微分・積分30講』朝倉書店、1988年。
  • 『数学30講シリーズ 2: 線形代数30講』朝倉書店、1988年。
  • 『無限からの光芒 ポーランド学派の数学者たち』日本評論社、1988年。
  • 『数学30講シリーズ 3: 集合への30講』朝倉書店、1988年。
  • 『数学30講シリーズ 4: 位相への30講』朝倉書店、1988年。
  • 『数学30講シリーズ 5: 解析入門30講』朝倉書店、1988年。
  • 『数学30講シリーズ 6: 複素数30講』朝倉書店、1989年。
  • 『数学30講シリーズ 7: ベクトル解析30講』朝倉書店、1989年。
  • 『数学30講シリーズ 8: 群論への30講』朝倉書店、1989年。
  • 『数学 7日間の旅』紀伊国屋書店、1990年。
    • 『数学 7日間の旅』新装版、紀伊国屋書店、2018年。
  • 『数学30講シリーズ 9: ルベーグ積分30講』朝倉書店、1990年。
  • 『数学30講シリーズ 10: 固有値問題30講』朝倉書店、1991年。
  • 『対話・20世紀数学の飛翔 1: 解析の表現したもの』青本和彦[共著]、日本評論社、1992年。
  • 『対話・20世紀数学の飛翔 2: 数学を育てる土壌』上野健爾[共著]、日本評論社、1992年。
  • 『対話・20世紀数学の飛翔 3: 確率論をめぐって』高橋陽一郎[共著]、日本評論社、1992年。
  • 『対話・20世紀数学の飛翔 4: 数学のおもしろさ』斎藤恭司[共著]、日本評論社、1992年。
  • 『対話・20世紀数学の飛翔 5: トポロジーの展開』森田茂之[共著]、日本評論社、1992年。
  • 『数学が生まれる物語 第1週: 数の誕生』岩波書店、1992年。
  • 『数学が生まれる物語 第2週: 数の世界』岩波書店、1992年。
  • 『数学が生まれる物語 第3週: 式と方程式』岩波書店、1992年。
  • 『数学が生まれる物語 第4週: 座標とグラフ』岩波書店、1992年。
  • 『数学が生まれる物語 第5週: 関数とグラフ』岩波書店、1992年。
  • 『数学が生まれる物語 第6週: 図形』岩波書店、1992年。
    • 『数学が生まれる物語 第1週: 数の誕生』岩波書店、2013年。
    • 『数学が生まれる物語 第2週: 数の世界』岩波書店、2013年。
    • 『数学が生まれる物語 第3週: 式と方程式』岩波書店、2013年。
    • 『数学が生まれる物語 第4週: 座標とグラフ』岩波書店、2013年。
    • 『数学が生まれる物語 第5週: 関数とグラフ』岩波書店、2013年。
    • 『数学が生まれる物語 第6週: 図形』岩波書店、2013年。
  • 『数学が育っていく物語 第1週: 極限の深み 数列と級数』岩波書店、1994年。
  • 『数学が育っていく物語 第2週: 解析性 実数から複素数へ』岩波書店、1994年。
  • 『数学が育っていく物語 第3週: 積分の世界 一様収束とフーリエ級数』岩波書店、1994年。
  • 『数学が育っていく物語 第4週: 線形性 有限次元から無限次元へ』岩波書店、1994年。
  • 『数学が育っていく物語 第5週: 方程式 解ける鎖, 解けない鎖』岩波書店、1994年。
  • 『数学が育っていく物語 第6週: 曲面 硬い面, 柔らかい面』岩波書店、1994年。
  • 『高校生に贈る 数学 I』上野健爾・森田茂之[共著]、岩波書店、1995年。
  • 『高校生に贈る 数学 II』上野健爾・森田茂之[共著]、岩波書店、1995年。
  • 『無限のなかの数学』岩波書店、1995年。
  • 『高校生に贈る 数学 III』砂田利一[共著]、岩波書店、1996年。
  • 『対話でまなぶ数学教室 1: 数はひろがる』岩波書店、1997年。
  • 『対話でまなぶ数学教室 2: 数式の登場』岩波書店、1997年。
  • 『対話でまなぶ数学教室 3: 変化をとらえる』岩波書店、1997年。
  • 『対話でまなぶ数学教室 4: 無限の解析』岩波書店、1997年。
  • 『対話でまなぶ数学教室 5: 躍動する関数』岩波書店、1997年。
  • 『対話でまなぶ数学教室 6: 遠くはるかな流れ』岩波書店、1997年。
  • 『数学のひろば 1年目、2年目用の問題解答』別冊、増田一男[共著]、岩波書店、1998年。
  • 『数の大航海 対数の誕生と広がり』日本評論社、1999年。
  • 『〈生涯学習〉はじめからの数学 1: 数について』朝倉書店、2000年。
  • 『〈生涯学習〉はじめからの数学 2: 式について』朝倉書店、2000年。
    • 『はじめからの数学 1: 数について』普及版、朝倉書店、2010年。
    • 『はじめからの数学 2: 式について』普及版、朝倉書店、2010年。
  • 『数学:教えるヒント, 学ぶヒント 1』日本評論社、2000年。
  • 『数学:教えるヒント, 学ぶヒント 2』日本評論社、2000年。
  • 『中高一貫数学コース 数学1』岩波書店、2001年。
  • 『中高一貫数学コース 数学1をたのしむ』岩波書店、2001年。
  • 『中高一貫数学コース 数学2』岩波書店、2002年。
  • 『はじめからの数学 3: 関数について』朝倉書店、2002年。
    • 『はじめからの数学 3: 関数について』普及版、朝倉書店、2010年。
  • 『中高一貫数学コース 数学2をたのしむ』岩波書店、2002年。
  • 『中高一貫数学コース 数学3』岩波書店、2003年。
  • 『中高一貫数学コース 数学3をたのしむ』岩波書店、2003年。
  • 『中高一貫数学コース 数学4』岩波書店、2003年。
  • 『中高一貫数学コース 数学5』岩波書店、2004年。
  • 『中高一貫数学コース 新しい数学教科書の構想』岩波書店、2004年。
  • 『中高一貫数学コース 数学4をたのしむ』岩波書店、2004年。
  • 『中高一貫数学コース 数学5をたのしむ』岩波書店、2005年。
  • 『算数から見えてくる数学: 1 数からはじまる』岩波書店、2005年。
  • 『算数から見えてくる数学: 2 式のはたらき』岩波書店、2006年。
  • 『算数から見えてくる数学: 3 図形のひろがり』岩波書店、2006年。
  • 『算数から見えてくる数学: 4 関数への一歩』岩波書店、2006年。
  • 『数学の流れ30講 上: 16世紀まで』朝倉書店、2007年。
  • 『算数から見えてくる数学: 5 数学のかがやき』岩波書店、2007年。
  • 『数学の流れ30講 中: 17世紀から19世紀まで』朝倉書店、2007年。
  • 『大人のための数学 1: 数と量の出会い 数学入門』紀伊国屋書店、2007年。
  • 『大人のための数学 2: 変化する世界をとらえる 微分の考え、積分の見方』紀伊国屋書店、2007年。
  • 『大人のための数学 3: 無限への飛翔 集合論の誕生』紀伊国屋書店、2008年。
  • 『大人のための数学 4: 広い世界へ向けて 解析学の展開』紀伊国屋書店、2008年。
  • 『大人のための数学 5: 抽象への憧れ 位相空間:20世紀数学のパラダイム』紀伊国屋書店、2008年。
  • 『大人のための数学 6: 無限をつつみこむ量 ルベーグの独創』紀伊国屋書店、2008年。
  • 『大人のための数学 7: 線形という構造へ 次元を超えて』紀伊国屋書店、2009年。
  • 『数学の流れ30講 下: 20世紀数学の広がり』朝倉書店、2009年。
  • 『数学が歩いてきた道』PHP研究所、2009年。
  • 『数学という学問 概念を探る I』筑摩書房、2011年。
  • 『数学という学問 概念を探る II』筑摩書房、2012年。
  • 『数学という学問 概念を探る III』筑摩書房、2013年。

編書

  • 『数学のたのしみ 1: ζゼータの世界』上野健爾砂田利一[共編]、日本評論社、1997年。
  • 『数学のたのしみ 2: q解析学のルネサンス』上野健爾・砂田利一[共編]、日本評論社、1997年。
  • 『数学のたのしみ 3: 4次元をのぞく』上野健爾・砂田利一[共編]、日本評論社、1997年。
  • 『数学のたのしみ 4: 解析学の展開』上野健爾・砂田利一[共編]、日本評論社、1997年。
  • 『数学のたのしみ 5: 結び目の不思議』上野健爾・砂田利一[共編]、日本評論社、1998年。
  • 『数学のたのしみ 6: 力学系理論と数論のからみあい』上野健爾・砂田利一[共編]、日本評論社、1998年。
  • 『数学のたのしみ 7: 21世紀の幾何学』上野健爾・砂田利一[共編]、日本評論社、1998年。
  • 『数学のたのしみ 8: 確率論の広がり』上野健爾・砂田利一[共編]、日本評論社、1998年。
  • 『数学のたのしみ 9: 3次元の魅力』上野健爾・砂田利一[共編]、日本評論社、1998年。
  • 『数学のたのしみ 10: 双対性をさがす』上野健爾・砂田利一[共編]、日本評論社、1998年。
  • 『数学のたのしみ 11: 多項式環の視点 グレブナー基底』上野健爾・砂田利一[共編]、日本評論社、1999年。
  • 『数学のたのしみ 12: ラプラシアンの諸相』上野健爾・砂田利一[共編]、日本評論社、1999年。
  • 『数学のたのしみ 13: 佐藤幹夫の数学』上野健爾・砂田利一[共編]、日本評論社、1999年。
  • 『数学のたのしみ 14: 組合せ論を育む土壌』上野健爾・砂田利一[共編]、日本評論社、1999年。
  • 『数学のたのしみ 15: 岩澤数学の全貌 その豊穣の世界』上野健爾・砂田利一[共編]、日本評論社、1999年。
  • 『数学のたのしみ 16: 指数定理の裾野』上野健爾・砂田利一[共編]、日本評論社、1999年。
  • 『現代数学の土壌 数学をささえる基本概念』上野健爾・砂田利一[共編]、日本評論社、2000年。
  • 『数学のたのしみ 17: フェルマー最終定理以後の数論』上野健爾・砂田利一[共編]、日本評論社、2000年。
  • 『数学のたのしみ 18: 20世紀数学の渦流 1』上野健爾・砂田利一[共編]、日本評論社、2000年。
  • 『数学のたのしみ 19: 20世紀数学の渦流 2』上野健爾・砂田利一[共編]、日本評論社、2000年。
  • 『数学のたのしみ 20: 小平数学の調和と美』上野健爾・砂田利一[共編]、日本評論社、2000年。
  • 『数学のたのしみ 21: 有限幾何の世界』上野健爾・砂田利一[共編]、日本評論社、2000年。
  • 『数学のたのしみ 22: 非線型の沃野』上野健爾・砂田利一[共編]、日本評論社、2000年。
  • 『数学のたのしみ 23: ディンキン図形をめぐって』上野健爾・砂田利一[共編]、日本評論社、2001年。
  • 『数学のたのしみ 24: 漸近解析の豊かな世界』上野健爾・砂田利一[共編]、日本評論社、2001年。
  • 『数学のたのしみ 25: 非線形波動のおもしろさ』上野健爾・砂田利一[共編]、日本評論社、2001年。
  • 『数学のたのしみ 26: 無限からの波』上野健爾・砂田利一[共編]、日本評論社、2001年。
  • 『現代数学の展望』上野健爾・砂田利一[共編]、日本評論社、2001年。
  • 『現代数学の土壌 数学をささえる基本概念 2』上野健爾・砂田利一[共編]、日本評論社、2001年。
  • 『数学のたのしみ 27: 素数とは?』上野健爾・砂田利一[共編]、日本評論社、2001年。
  • 『数学のたのしみ 28: モジュライのたのしみ』上野健爾・砂田利一[共編]、日本評論社、2001年。
  • 『数学のたのしみ 29: 数学を語る』上野健爾・砂田利一[共編]、日本評論社、2002年。
  • 『数学のたのしみ 30: 数学への夢・数学に託す夢』上野健爾・砂田利一[共編]、日本評論社、2002年。

訳書

  • 『モース理論 多様体上の解析学とトポロジーとの関連』ジョン・ウィラード・ミルナー[著]、吉岡書店、1968年。
  • 『数学のひろば 柔らかい思考を育てる問題集 I』ドミトリ・フォミーン、セルゲイ・ゲンキン、イリヤ・イテンベルク[著]、田中紀子[共訳]、岩波書店、1998年。
  • 『数学のひろば 柔らかい思考を育てる問題集 II』ドミトリ・フォミーン、セルゲイ・ゲンキン、イリヤ・イテンベルク[著]、田中紀子[共訳]、岩波書店、1998年。
    • 『やわらかな思考を育てる数学問題集 1』ドミトリ・フォミーン、セルゲイ・ゲンキン、イリヤ・イテンベルク[著]、田中紀子[共訳]、岩波書店、2012年。
    • 『やわらかな思考を育てる数学問題集 2』ドミトリ・フォミーン、セルゲイ・ゲンキン、イリヤ・イテンベルク[著]、田中紀子[共訳]、岩波書店、2012年。
    • 『やわらかな思考を育てる数学問題集 3』ドミトリ・フォミーン、セルゲイ・ゲンキン、イリヤ・イテンベルク[著]、田中紀子[共訳]、岩波書店、2012年。

編訳書

監訳書

  • 『バナッハとポーランド数学』ローマン・カウージャ[著]、阪本ひろむ[訳]、シュプリンガー・フェアラーク東京、2005年。
    • 『バナッハとポーランド数学』ローマン・カウージャ[著]、阪本ひろむ[訳]、丸善、2012年。

論文

脚注

注釈

  1. ^ 1988年昭和63年)6月に志賀浩二は小平邦彦を招請して新潟県立新潟高等学校で講演してもらった[2]。講演の記録が1996年平成8年)4月に岩波書店から出版された『岩波講座 現代数学への入門 6』の「読者通信」第2号に収められている。

出典

参考文献

  • 「志賀浩二」『新潟県 人物・人材情報リスト 2019 第1巻』508頁、日外アソシエーツ[編]、日外アソシエーツ、2018年。
  • 小平先生のこと (PDF) 」『青山同窓会報』第47号、2-3面、志賀浩二[著]、青山同窓会、1988年。
  • 今は昔 (PDF) 」『会報』第4号、3-4面、志賀浩二[著]、新潟大学理学部同窓会、1998年。

関連文献

外部リンク