坂部恵

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坂部 恵(さかべ めぐみ、男性[1]1936年2月11日 - 2009年6月3日)は、日本哲学者東京大学名誉教授九条の会賛同人[2]

来歴・人物

神奈川県生まれ。

成蹊小学校成蹊中学校・高等学校卒業。[3]

1959年、東京大学文学部哲学科卒業。1965年、東京大学大学院人文科学研究科博士課程満期退学。[4]

1965年より國學院大學専任講師、ついで東京都立大学 (1949-2011)助教授、東京大学文学部哲学科助教授、教授。1997年の定年退官後は桜美林大学教授を務めた。イマヌエル・カント和辻哲郎九鬼周造を研究対象とし、1976年、和辻の「面とペルソナ」を出発点とした『仮面の解釈学』で哲学奨励山崎賞受賞。1986年、『和辻哲郎』でサントリー学芸賞受賞。

2002年、紫綬褒章受章。岩波書店版『カント全集』の監修を行った。晩年に『坂部恵集』が出版された。[5]

2009年6月3日、神経膠芽腫(悪性の脳腫瘍)により死去。[6]

追悼出版に『坂部恵 精神史の水脈を汲む 別冊水声通信』(水声社、2011年6月)がある。

著書

単著

  • 『仮面の解釈学』、東京大学出版会、1976年。
  • 『理性の不安――カント哲学の生成と構造』、勁草書房、1976年。
  • カント』、講談社(人類の知的遺産)、1979年/講談社学術文庫、2001年。
  • 『「ふれる」ことの哲学――人称的世界とその根底』、岩波書店、1983年。
  • 和辻哲郎』、岩波書店(20世紀思想家文庫) 1986年。
  • 『鏡のなかの日本語』、筑摩書房〈ちくまライブラリー22〉、1989年。
  • 『ペルソナの詩学――かたり ふるまい こころ』、岩波書店、1989年。
  • 『不在の歌――九鬼周造の世界』、TBSブリタニカ、1990年。
  • 『かたり』、弘文堂[思想選書]、1990年。
  • 『〈ふるまい〉の詩学』、岩波書店、1997年。
  • 『ヨーロッパ精神史入門――カロリング・ルネサンスの残光』、岩波書店、1997年。
  • 『モデルニテ・バロック――現代精神史序説』、哲学書房、2005年。
  • 『坂部恵集』(全5巻)、岩波書店、2006年~2007年。
    • 1 生成するカント像
    • 2 思想史の余白に
    • 3 共存・あわいのポエジー
    • 4〈しるし〉〈かたり〉〈ふるまい〉
    • 5〈日本〉への視線,思考の文体

編著

翻訳

脚注

  1. ^ 名前により、女性と間違われる事が多く、雑誌『ダ・カーポ』で「活躍している女性学者」にも、名をあげられたこともある。
  2. ^ 「九条の会」賛同者・賛同メッセージ 「九条の会」オフィシャルサイト
  3. ^ 坂部恵氏 逝去 一般社団法人成蹊会
  4. ^ 第4回 河合臨床哲学シンポジウム 河合塾・河合文化教育研究所
  5. ^ 坂部恵 プロフィール 筑摩書房
  6. ^ 坂部恵氏死去 東大名誉教授 共同通信(2009年6月3日配信)