口臭
口臭(こうしゅう、英語: bad breath、halitosis)とは、口腔および呼気の嫌な臭いのこと[1]。
概説
広辞苑では「口中の不潔および気道・消化器の疾患から起こる」という[1]。また、臭いの強い食品を食べることによっても起きる。人の口臭は生活習慣や体内環境によって臭いの有無や種類が大きく左右される。臭いの強い食品を避け、食事の後には歯磨き(できれば、加えて舌の洗浄)を行うことで口腔内を清潔に保ち、また胃や腸の調子を整えることなどが、口臭を防止する上で基本的な方法である。
口臭が特に強い動物もいる。
原因
口臭の原因はいくつかに分類されることがある。 「大きく生理的口臭(一時的なものを含む)と病的口臭(慢性的なもの)に分けられるが、それぞれの区分は相対的なものである。」とも[要出典]。
生理的口臭
- 健康状態や年齢性別に関わりなく起こる口の臭いである。口の中が不快な感じになるため、後述する病的口臭に比べ本人に自覚症状があるケースが多いとされる。生活リズムや習慣、精神状態などに応じて発生する。口臭の多くがこの生理的口臭である。
生理的口臭の種類は数多い。以下に列挙する。
- 飲食
- 歯垢
- 舌苔の堆積
- 強いストレスや睡眠などによる口内の乾燥
- 膿栓によるもの
- 喫煙によるもの
- 口呼吸によるもの
- 口の中が乾き、口臭が発生する。これは、口呼吸によって唾液量が減り細菌の量が増えるためである。
- 女性特有のケース
- 生理時の精神的不調によるもののほか、女性に多い便秘により、便秘している腸から腸内ガスが吸収され血管内を運ばれ、肺から放出され口腔に至る為である。
病的口臭
- 慢性的な問題を孕んでおり、これらの多くは、他人からするとかなり強い臭いである場合が多いが、病気によるものであるゆえ本人の自覚症状がない場合も多い。
対策
臭いの強い食品を食べることは避ける、食事の後には毎回、歯ブラシや歯間ブラシと洗口液で歯磨きを行い歯垢をおとす(さらに舌も洗い清潔な状態に保つ)、ストレスをためないようにし生活リズムを保ち睡眠を十分にとることで胃の調子を整える、といったところが口臭防止の基本である。 また、タバコを吸っている人はそれを控える。飲酒量が多い人はそれを控え目にする。他にも、特に上で指摘したような何か医学的な原因がある場合は、その原因の除去を行う。また、生理的口臭は根本的に口内の唾液不足が考えられる為、日頃から常に唾液で口腔内を潤すとともに口の乾燥状態を避ける必要がある。ガムや飴といった唾液の出やすい物を食べ唾液の出やすい環境作りをする事で唾液が出にくい人も唾液の分泌を促進させる事が出来る。口臭原因の一つでもある舌苔も唾液で舌表面を十分に潤してから舌みがきを行うと口腔内が乾燥状態の時よりも汚れを落としやすくなる。
口臭の激しい動物
牛などの動物に激しい口臭を持つものがいるが、これは主に牧草などの飼料が胃で発酵した際に生じる特定のガスが原因であり、人間の口臭とは質的に異なる場合が多い。
脚注
- ^ a b 広辞苑 第五版 p.897「口臭」
- ^ 井上重治『微生物と香り ミクロの世界のアロマの力』フレグランスジャーナル社、2002年8月1日、113頁。ISBN 4-89479-057-2。