アセビ
アセビ | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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Pieris japonica
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分類(APG III) | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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学名 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
Pieris japonica (Thunb.) D.Don ex G.Don subsp. japonica[1] | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
シノニム | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
亜種・変種・品種[3] | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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アセビ(馬酔木、梫木、学名: Pieris japonica subsp. japonica)は、ツツジ科アセビ属の常緑低木。日本に自生し、観賞用に植栽もされる。別名あしび、あせぼ。
馬酔木の名は、「馬」が葉を食べれば毒に当たり、「酔」うが如くにふらつくようになる「木」という所から付いた名前であるとされる。
形態・生態
樹高は1.5mから4mほどである。
早春になると枝先に10cmほどの複総状の花序を垂らし、多くの白くつぼ状の花をつける。雄蕊は10本で、2個の角を持ち毛深い。園芸品種にピンクの花を付けるアケボノアセビ(ベニバナアセビ)[1]などがある。
果実は扇球状になる。
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花(白色)
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花(ピンク)
分布
日本の本州、四国、九州の山地に自生する。やや乾燥した環境を好む。
多くの草食哺乳類は食べるのを避け、食べ残される。そのため、草食動物の多い地域では、この木が目立って多くなることがあり、アセビが不自然なほど多い地域は草食獣による食害が多いことを疑うこともできる。たとえば、奈良公園では、シカが他の木を食べ、この木を食べないため、アセビが相対的に多くなっている[4]。
人間との関わり
アセビは庭園樹、公園樹として好んで植栽されるほか、花もの盆栽等としても利用される。
有毒植物であり、葉を煎じて殺虫剤に利用される。古くは葉の煎汁がシラミ、ウジ、菜園の虫退治に用いられた[5]。有毒成分はグラヤノトキシンI(旧名アセボトキシン)、アセボプルプリン、アセボイン、ジテルペン、アンドロメドトキシン。毒部位は、全株、葉、樹皮、茎、花。毒症状は、血圧低下、腹痛、下痢、嘔吐、呼吸麻痺、神経麻痺。近年では、殺虫効果を自然農薬として利用する試みがなされている。
ニホンジカが忌避する植物のため、シカの生息密度が高く食害を受けやすい森林では、アセビをシキミなどともに混植する試みが行われたことがある[6]。
万葉集の歌
- 磯の上に生ふるあしびを手折らめど見すべき君がありといはなくに 大伯皇女 (巻2・166番)
アセビ属
アセビ属(アセビぞく、学名: Pieris)は、ツツジ科の属の一つ。世界に約十種が存在する。
- Pieris cultivars
- アメリカアセビ Pieris floribunda
- ヒマラヤアセビ Pieris formosa (Wall.) D.Don
- リュウキュウアセビまたはオキナワアセビ Pieris koidzumiana Ohwi - アセビの変種(P. j. subsp. koidzumiana)とすることもある。奄美大島と沖縄本島に分布したが、園芸用の採取により、野生では絶滅したとされている。沖縄本島の場合、国指定の天然記念物に指定された生育地において、1983年若木が1本確認されたのが最後の発見例である。
- アセビ(狭義) Pieris japonica (Thunb.) D.Don ex G.Don
- Pieris nana
- Pieris phillyreifolia
- Pieris swinhoei
- タイワンアセビ Pieris taiwanensis
脚注
- ^ 米倉浩司・梶田忠 (2003-). “Pieris japonica (Thunb.) D.Don ex G.Don subsp. japonica”. BG Plants 和名−学名インデックス(YList). 2014年1月23日閲覧。
- ^ 清水晶子; 加藤僖重・大場秀章. “表1. 東京大学総合研究博物館にライデン大学国立植物学博物館から寄贈されたシーボルト・コレクション”. シーボルトの21世紀. 東京大学総合研究博物館. 2009年1月28日閲覧。
- ^ 米倉浩司; 梶田忠 (2003-). “BG Plants簡易検索結果表示”. 「BG Plants 和名−学名インデックス」(YList). 千葉大学. 2014年1月23日閲覧。[リンク切れ]
- ^ 大場達之・高橋秀男「アセビ」、『週刊朝日百科植物の世界』63、6の85頁。
- ^ 倉田悟「アセビ」『新版 林業百科事典』第2版第5刷 p11 日本林業技術協会 1984年(昭和59年)出版
- ^ “シカの不嗜好植物との混植によるヒノキ苗の食害軽減効果の検証” (PDF). 林野庁中部森林管理局 (2013年). 2020年4月29日閲覧。
参考文献
- 茂木透写真『樹に咲く花 合弁花・単子葉・裸子植物』高橋秀男・勝山輝男監修、山と溪谷社〈山溪ハンディ図鑑〉、2001年、126-129頁。ISBN 4-635-07005-0。
- 大場達之・高橋秀男「アセビ」、『週刊朝日百科植物の世界』63、朝日新聞社、1995年7月2日発行。
関連項目
外部リンク
- "Pieris japonica (Thunb.) D. Don ex G. Don". Germplasm Resources Information Network (GRIN). Agricultural Research Service (ARS), United States Department of Agriculture (USDA). 2014年1月23日閲覧。
- "Pieris japonica (Thunb.) D. Don ex G. Don" (英語). Integrated Taxonomic Information System. 2014年1月23日閲覧。
- "Pieris japonica". National Center for Biotechnology Information(NCBI) (英語).
- "Pieris japonica" - Encyclopedia of Life
- 波田善夫. “アセビ”. 植物雑学事典. 岡山理科大学生物地球学部. 2014年1月23日閲覧。