地方・小出版流通センター
種類 | 株式会社 |
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本社所在地 |
日本 〒162-0836 東京都新宿区南町20 |
設立 | 1976年3月22日 |
業種 | 卸売業 |
法人番号 | 9011101047689 |
事業内容 | 書籍・雑誌卸売業、仲介業 |
代表者 | 川上賢一(代表取締役) |
資本金 | 1,000万円 |
売上高 | 16億4294万円(2008年度)[1] |
従業員数 | 22名(2009年3月現在)[1] |
外部リンク | 地方・小出版流通センター |
地方・小出版流通センター(ちほう・しょうしゅっぱんりゅうつうせんたー)は、地方の出版社や小規模出版社が刊行した書籍や雑誌の取次業務を行う日本の企業。
概要
地方出版社が刊行した各地域の特色ある書籍や雑誌を都市部に流通させるとともに、都市部の小規模な出版社の刊行物を地方へと流通させるため、これらの出版社から刊行物を買い取り、大手取次会社の流通ルートに載せる取次業務を行う[2]。地方・小規模出版流通の中核といえる存在である。2022年3月末時点の取引社数は114社[1]。
創業当初よりアンテナショップ「書肆(しょし)アクセス」(神田神保町、1981年に神田小川町より移転)を運営し、書店への卸売と一般読者への販売を行ってきたが、利用客の減少により2007年11月17日に同店の営業を終了した[3][4]。
沿革
1970年代までの日本の書籍流通業界では、大手の取次会社は効率面の問題から地方出版社や小規模出版社の刊行物をほとんど取り扱っておらず、こうした出版社が全国規模で出版物を流通させることは困難だった[5]。一方、都市部では、書店や図書館によって地方出版物の企画展示や即売会が行われる機会も増え、地方から都市部への人口の流入もあって、地方出版物のニーズが高まっていた[5][6]。こうした状況を受けて、1976年3月、模索舎店員だっだ川上賢一らが呼びかけ人となり、地方出版社社長や書店主など有志40人による出資を得て、資本金450万円(当時)で設立された[5]。初年度から180社、約5000点の書籍を扱い、その後も地方出版物のブームに乗って、1990年代半ばまでは順調に業績を伸ばした[5]。1976年に神田小川町にアンテナショップ「書肆アクセス」を開店[3]。1981年には神田神保町のすずらん通りに移転し、様々なジャンルの地方出版物を手軽に入手することができる神保町の名物書店として多くの利用客を集めた[3]。しかし1990年代後半より、バブル崩壊の余波や若者の活字離れなどによる、いわゆる出版不況、さらにネット販売の拡大などの影響を受け、業績が伸び悩んだ[6][7]。「書肆アクセス」も利用客の減少から、1998年に4700万円あった売り上げが2006年には2800万円に落ち込むなど経営難に陥り、2007年に閉店した[4]。書肆アクセスの閉店に伴い、本社を2007年11月に神田神保町より新宿区南町に移転したが、長期的な市場の縮小傾向は続き、2019年6月現在、さらなる規模縮小を考えているという[8]。川上は毎週、無明舎出版に新刊ニュース[9]を書いており、これが事実上の広報媒体となっている。
主な刊行物
- アクセス (地方出版情報誌・月刊)
主な取引出版社(者)
1000社程度の取引先がある[10]。
北海道
- 亜璃西社
- かりん舎
- 寿郎社
- 中西出版
- 共同文化社
- 北海道出版企画センター
- 北海道新聞社
- 北海道大学出版会
青森県
- 東奥日報社
- 北方新社
- 路上社
岩手県
- 岩手日報社
- ツーワンライフ
宮城県
秋田県
福島県
- 歴史春秋社
栃木県
群馬県
埼玉県
- 埼玉新聞社
- さきたま出版会
- ドリーム・ミュージック・ファクトリー
- まつやま書房
千葉県
- 暗黒通信団
- たけしま出版
東京都
神奈川県
新潟県
- 考古堂書店
富山県
- 桂書房
- 北日本新聞社
石川県
- 橋本確文堂
山梨県
長野県
岐阜県
静岡県
- 大日蓮出版
- 羽衣出版
愛知県
- あるむ
- グリーン情報
- 樹林舎
- ブックショップ「マイタウン」
滋賀県
- サンライズ出版
- 自照社
京都府
大阪府
兵庫県
- アートヴィレッジ
- 邑書林
奈良県
- 金壽堂出版
- 京阪奈情報教育出版
鳥取県
- 今井出版(今井印刷【今井書店グループ】)
島根県
- 山陰中央新報社
- ハーベスト出版(谷口印刷)
岡山県
広島県
山口県
- みずのわ出版
- フジデンシ出版
香川県
- 美巧社
愛媛県
- 愛媛新聞社
- 創風社出版
高知県
- 高知新聞社
- リーブル出版
福岡県
長崎県
- 長崎文献社
熊本県
宮崎県
- ヴィッセン出版
- 鉱脈社
鹿児島県
- 南方新社
- ラグーナ出版
沖縄県
脚注・参考資料
- ^ a b c 『地方・小決算、3年連続の減収 最終黒字は確保』新文化通信 2009年6月18日号、2009年6月24日閲覧
- ^ 『出版最前線 (17) インタビュー 小出版流通センター・川上賢一氏』読売新聞(東京・朝刊)、1994年8月8日
- ^ a b c 清田義昭『名物書店が閉店する理由』共同通信、2007年8月23日
- ^ a b 『元気なくす地域・小出版 /「書肆アクセス」11月閉店』河北新報、2007年10月25日
- ^ a b c d 『「地方の本」発掘続け20年 地方・小出版流通センター』朝日新聞(東京・朝刊)、1995年4月27日
- ^ a b 『地方・小出版流通センター 書店「書肆アクセス」併設 「地方の本」送り届け四半世紀』西日本新聞(夕刊)、2000年10月27日
- ^ なお2008年度の最終損益では黒字を確保している。
- ^ 地方・小出版ニュース6月号の川上の記事による。
- ^ http://www.mumyosha.co.jp/topics/kawakami.html
- ^ http://neil.chips.jp/chihosho/linkpage.html
外部リンク
- 公式ウェブサイト
- アクセスWeb版
- 地方・小出版流通センター (@local_small) - X(旧Twitter)