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ゴマシジミ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

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ゴマシジミ
ゴマシジミ
保全状況評価
絶滅危惧II類環境省レッドリスト
分類
: 動物界 Animalia
: 節足動物門 Arthropoda
: 昆虫綱 Insecta
: チョウ目(鱗翅目) Lepidoptera
上科 : アゲハチョウ上科 Papilionoidea
: シジミチョウ科 Lycaenidae
亜科 : ヒメシジミ亜科 Polyommatinae
: ゴマシジミ属 Maculinea
: ゴマシジミ M. teleius
学名
Maculinea teleius
(Bergstrasser, 1779
和名
ゴマシジミ(胡麻小灰蝶)
英名
Scarce Large Blue
亜種
  • 白山亜種 M. t. hakusanensis
    (Fujioka)
  • 飛騨山脈亜種 M. t. hosonoi
    (A. Takahashi)
  • 関東中部亜種 M. t. kazamoto
    (H. Druce)
  • 中部地方中山帯・中国地方・九州亜種 M. t. daisensis
  • 北海道西部亜種 M. t. muratae
  • 北海道東部亜種 M. t. ogumae
    (Matsumura)
  • 東北地方北部亜種 M. t. shiriyensis
    (Matsumura)

ゴマシジミ(胡麻小灰蝶、学名 Maculinea teleius)は、チョウ目(鱗翅目)シジミチョウ科チョウ。裏面にゴマ状の小さな斑点がある。地域によって変異が多い。前翅長18-24mm。湿原草原に生息し、成虫は年1回、7-9月にかけて現れる。

概要

北海道では、長い地下茎によって道路法面を補強するために土手に植えられるナガボノシロワレモコウの広がりと共に各地で分布を広げているが、ワレモコウを食草にしている地域である青森県から九州にかけての自然草原では、極端に数を減らしている。一方、カライトソウを食草とするグループは一般に「山ゴマ」と呼ばれており、表面が黒化したものが目立つ。こちらは山深いこともあり個体数は安定している。一般に標高が高い地域は黒いタイプのものが多く得られる。

三齢幼虫まではワレモコウの花を食べるが、大きくなるとクシケアリによってに運ばれる。巣に入った幼虫は、体から出る甘い液体をアリに与える一方で、アリの幼虫を食べて育つ。成長した幼虫はアリの巣の中で越冬し、翌年の7月中旬頃に成虫となる。アリは成虫になると同時に襲いかかってくるため、巣の出口や外で蛹になり、成虫となった途端に巣から逃げるように飛ぶ。

分布

北海道から九州にかけて分布するが、本州以南では分布域が不連続。四国にはいない。現在分布が確認されている都道府県は北海道、青森県、岩手県群馬県新潟県山梨県長野県静岡県岐阜県富山県石川県福井県鳥取県島根県岡山県広島県大分県熊本県宮崎県である。秋田県山形県福島県神奈川県では絶滅愛知県でも2000年まで見られたものの、現在は記録がないため県内絶滅と考えられる。それにつながる岐阜県や長野県の南部でも近年の記録はない。

国外ではユーラシア大陸北部。

保全状況評価

ゴマシジミ 飛騨山脈亜種 M. t. hosonoi(A. Takahashi)
ゴマシジミ 関東中部亜種 M. t. kazamoto (H. Druce)
ゴマシジミ 中部地方中山帯・中国地方・九州亜種 M. t. daisensis
ゴマシジミ 北海道東部亜種 M. t. ogumae (Matsumura)

絶滅危惧II類 (VU)環境省レッドリスト

関東中部亜種 (M. t. kazamoto)は、2016年種の保存法により国内希少野生動植物種に指定されている。[1]

参考文献

  • 猪又敏男編・解説、松本克臣写真『『蝶』』山と溪谷社〈新装版山溪フィールドブックス〉、2006年。ISBN 4-635-06062-4 
  • 牧林功解説、青山潤三写真『日本の蝶』成美堂出版〈ポケット図鑑〉、1994年。ISBN 4-415-08045-6 
  • 日本環境動物昆虫学会編 編『チョウの調べ方』今井長兵衛・石井実監修、文教出版、1998年。ISBN 4938489112OCLC 170389984 

関連項目

出典

外部リンク