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四十八滝

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2021年12月6日 (月) 08:34; いなかもの (会話 | 投稿記録) による版 (各地の四十八滝)(日時は個人設定で未設定ならUTC

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四十八滝(しじゅうはちたき)とは、日本群に付される名称である。特定の地域に複数の滝がある場合に名付けられている場合が多い。

語源

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一般に複数の滝群の事を四十八滝と呼ばれる理由については、

  • いろは歌四十八音」に合わせて48の滝を選出しているもの
  • 仏教において「阿弥陀如来が立てた四十八願」に因んだもの
  • 単に数多くあることを慣用的数字の「四十八」で表したもの。「四十八」が付されているが実数は48とは限らず、単に「非常に多い」との意味合いで呼ばれたものであるという説

があるとされ、当該滝群の名の由来が実際にそれらのうちの何れであるのか、あるいはこれら以外であるのかは明らかでない。ただし、各地にある四十八滝のうち、実際に四十八以上の滝が存在している例は少ない。

各地の四十八滝

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比較的よく知られている滝群の総称としての四十八滝としては、下記のものがある。

各地の「四十八滝」滝群
四十八滝名 所在地 主な滝 備考
藤沢四十八滝 岩手県遠野市 キッチが瀧、銚子の口瀧、明神の瀧、扇の瀧、尾ヶ瀬瀧、
應瀧(男滝・女滝)
長野川上流藤沢渓流[1]
寺沢四十八滝 岩手県遠野市 不動滝、一ノ滝、二ノ滝、三ノ滝 寺沢川[2]
住田四十八滝 岩手県住田町 願掛けの滝、龍灯の滝 気仙川上流[3]
鳳鳴四十八滝 宮城県仙台市青葉区 不動滝(棒目木の滝) 広瀬川上流、仙台市杜の都わがまち緑の名所100選[4]
日光四十八滝 栃木県日光市 華厳の滝霧降の滝竜頭の滝湯滝裏見滝、初音滝、
寂光滝、白糸滝、丁字滝、玉簾の滝、マックラ滝
日光市一体の滝の総称、日光七十二滝とも呼ばれる、
実際に四十八滝存在するといわれるが含まれる滝は諸説あり不明、
華厳の滝、霧降の滝は日本の滝百選、華厳の滝は日本三名瀑
大源太四十八滝 新潟県湯沢町 上の滝、下の滝 大源太湖下流の滝群、大半はダム建設により消失[5]
宇津江四十八滝 岐阜県高山市 魚返滝、朝霧滝、平滝、函滝、上段滝、梵音滝、王滝、
銚子口滝、障泥滝、盌水滝、瑠璃滝、布晒滝、上平滝
宇津江川上流、21世紀に残したい日本の自然100選、
岐阜県の名水50選飛騨・美濃紅葉三十三選岐阜県立自然公園
赤目四十八滝 三重県名張市 行者滝、銚子滝、霊蛇滝、不動滝、乙女滝、大日滝、
千手滝、布曳滝、竜ヶ壺、縋藤滝、陰陽滝、姉妹滝、
柿窪滝、笄滝、雨降滝、骸骨滝、斜滝、荷担滝、雛壇滝、
夫婦滝、琴滝、琵琶滝、巌窟滝
淀川上流滝川、日本の滝百選、森林浴の森100選遊歩百選
平成の名水百選美しい日本の歩きたくなるみち500選
滝畑四十八滝 大阪府河内長野市 光滝、荒滝、御光滝、大滝、夫婦滝、布引滝、権現滝、
稚児滝、シュロ滝、カラ滝、尼滝
大和川支流石川大阪みどりの百選
有馬四十八滝 兵庫県神戸市北区 七曲滝、百間滝、似位滝、白石滝、蜘蛛滝、蟇滝、ナメ滝 六甲山紅葉谷・白石谷一帯、冬は大半が凍結し氷瀑で有名[6]
阿瀬四十八滝 兵庫県豊岡市 龍王滝、源太夫滝、恐れ滝、不動滝、いもじが滝、
出会いの滝、蛇つぼ、鉄砲滝、座禅の滝、月照滝
氷ノ山後山那岐山国定公園内、金山跡がある[7]
「ひょうご森林浴場50選」、「ひょうご風景100選」
筱見四十八滝 兵庫県丹波篠山市 手洗い滝、弁天滝、肩ヶ滝、長滝、シャレ滝、大滝、
二の滝、一の滝
多紀連山県立自然公園内[8]
8つの滝が水が枯れることなく始終流れる事から転じて四十八滝となった
小城四十八滝 兵庫県香美町 サナの滝、夫婦滝、三段滝 矢田川支流山田川[9]但馬山岳県立自然公園
那智四十八滝 和歌山県那智勝浦町 那智一の滝、曽以の滝(文覚の滝)、波津井の滝、
宇美耶売の滝、登美褒斯の滝(布引の滝)、
那智二の滝(如意輪の滝)、那智三の滝(馬頭観音滝)、
地智利滝、地津の滝(岩屋の滝)、中津の滝、天津の滝、
喜多の滝(北辰の滝、妙見滝)、多須伎の滝(持国天の滝)、
保登乎利の滝(多門天の滝)、奈免良の滝(口なめら滝)、
金山の滝(奥奈免良の滝)、弥都波能売の滝、須曽呂の滝、
句句廼馳の滝、嘉良須祇の滝、大日霊女滝(大陽の滝)、
登磨免の滝(念仏の滝)、倍牟の滝(弁財天の滝)、
登利奇の滝(十五童子の滝)、多々良の滝、恵機珥の滝、
珠波留の滝(広目天の滝)、揚利計の滝、
都露岐の滝(増長天の滝、牛尾の滝、阿利計の滝)、
可遇突智の滝(垂珠の滝)、多摩の滝(帝釈の滝)、
伊奈美の滝(新客の滝)、烏瑠奇の滝、飛都岐の滝、
味廼の滝(三ツ滝)、美奈味の滝(南極の滝)、
奈珂悟の滝(陰陽滝)、鳴伺多礼の滝(津利波志の滝)、
夜見の滝(久良雅里滝)、布里智利滝、珠保志滝(奥滝)、
登美の滝(毘沙門の滝)、九頭竜滝(美津珂計滝)、
波二夜須の滝、摩津宇の滝(松尾の滝、琴糸の滝)、
月夜見の滝、弖利古の滝、内陣の滝
那智山における修験道瀧篭行場[10]
ユネスコ世界遺産紀伊山地の霊場と参詣道』の一部、
那智滝(那智一の滝)は日本の滝百選、日本三名瀑、
曽以の滝(文覚の滝)は平成23年台風第12号による大雨で岩が崩落消失[11]
雨滝四十八滝 鳥取県鳥取市 雨滝布引の滝、筥滝、樋滝、平滝、比丘尼滝、夫婦滝、
親子滝、馬淵滝、一番滝、二番滝、菖蒲谷滝
雨滝渓谷一帯の滝群の総称、雨滝は日本の滝百選
矢部四十八滝 熊本県山都町 五老ヶ滝、とどろ滝、赤禿の滝、千滝、上司尾滝、孫滝、
鵜の子滝、鷹滝、つばめ滝、ひさげ滝、田吉滝、聖滝、
尻原滝、念珠滝、小野尻の滝、横野滝、(御岳)竜宮滝、
白滝、天神滝、うなぎ滝、白糸の滝、滝切滝、津賀野滝、
松蔵滝、上菅滝、鳥原滝、越早滝、犬飼滝、
牧野の三段滝、千代万代の滝、南田前滝、南田後滝、
綾織の滝、本滝、轟滝、姥川滝、布勢滝、椛の木滝、
観音滝、(島木)竜宮滝、木鷺野滝、福良滝、雄滝、雌滝、
そうめん滝、木原谷滝、鍵の戸滝、竿渡滝
山都町一体の滝群の総称、
五老ヶ滝、聖滝は国名勝指定[12]

また、単独の滝の名称として「四十八滝」と名付けられている滝も存在する。

各地の四十八滝 (単独の滝の名称として)
四十八滝名 所在地 備考
四十八滝 秋田県大館市 長木川渓谷[13]
四十八滝 秋田県大仙市 斉内川上流金堀沢
四十八滝 秋田県北秋田市 阿仁川上流の支沢[14]
四十八滝 秋田県藤里町 粕毛川上流の支沢

注釈

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