2022年アジア競技大会における柔道競技

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2022年アジア競技大会における柔道競技は2023年9月24日から27日の4日間にわたって、中国の杭州で開催された[1]。今大会は当初2022年に開催予定だったが、新型コロナウイルスの影響で2023年に延期となった[2]。              

大会結果[編集]

男子[編集]

階級
60kg以下級 チャイニーズタイペイの旗 楊勇緯 大韓民国の旗 イ・ハリム カザフスタンの旗 マグジャン・シャムシャディン
朝鮮民主主義人民共和国の旗 カン・ジンチェ
66kg以下級 日本の旗 田中龍馬 モンゴルの旗 ヨンドンペレンレイ・バスフー アラブ首長国連邦の旗 ナルマンダフ・バヤンムンフ
大韓民国の旗 アン・バウル
73kg以下級 ウズベキスタンの旗 ムロジョン・ユルドシェフ 日本の旗 橋本壮市 タジキスタンの旗 ベフルジ・ホジャゾダ
モンゴルの旗 ツェンドオチル・ツォグトバータル
81kg以下級 タジキスタンの旗 ソモン・マフマドベコフ 大韓民国の旗 李俊奐 日本の旗 老野祐平
カザフスタンの旗 アビライハン・ジュバナザル
90kg以下級 キルギスの旗 エルラン・シェロフ ウズベキスタンの旗 ダブラト・ボボノフ レバノンの旗 カラムノブ・サガイポフ
アラブ首長国連邦の旗 アラム・グリゴリアン
100kg以下級 ウズベキスタンの旗 ムザファルベク・トゥロボエフ モンゴルの旗 バトフヤグ・ゴンチグスレン アラブ首長国連邦の旗 ジャファル・コストエフ
カザフスタンの旗 ヌルリハン・シャルハン
100kg超級 アラブ首長国連邦の旗 マゴメドマル・マゴメドマロフ タジキスタンの旗 テムール・ラヒモフ ウズベキスタンの旗 アリシェル・ユスポフ
大韓民国の旗 キム・ミンジョン

女子[編集]

階級
48kg以下級 日本の旗 角田夏実 カザフスタンの旗 アビバ・アブジャキノワ ウズベキスタンの旗 ハリマジョン・クルボノワ
中華人民共和国の旗 郭宗英
52kg以下級 ウズベキスタンの旗 ディヨラ・ケルディヨロワ アラブ首長国連邦の旗 ホルロードイ・ビシュレルト モンゴルの旗 ルハグバスレン・ソソルバラム
大韓民国の旗 鄭叡璘
57kg以下級 チャイニーズタイペイの旗 連珍羚 日本の旗 玉置桃 トルクメニスタンの旗 マイサ・パルダエワ
大韓民国の旗 朴恩頌
63kg以下級 日本の旗 髙市未来 中華人民共和国の旗 唐婧 カザフスタンの旗 エスミグル・クユロワ
大韓民国の旗 金智程
70kg以下級 日本の旗 田中志歩 朝鮮民主主義人民共和国の旗 文成姬 ウズベキスタンの旗 グルノザ・マトニヤゾワ
中華人民共和国の旗 馮瑩瑩
78kg以下級 中華人民共和国の旗 馬振昭 日本の旗 高山莉加 ウズベキスタンの旗 イリスホン・クルバンバエワ
大韓民国の旗 尹賢智
78kg超級 大韓民国の旗 金荷倫 中華人民共和国の旗 徐仕妍 日本の旗 冨田若春
モンゴルの旗 アマルサイハン・アディヤスレン

男女混合団体戦[編集]

優勝 2位 3位 3位
日本の旗 日本
玉置桃
大吉賢
田中志歩
桑形萌花
田嶋剛希
老野祐平
高橋瑠璃
太田彪雅
ウズベキスタンの旗 ウズベキスタン
ディヨラ・ケルディヨロワ
ムロジョン・ユルドシェフ
グルノザ・マトニヤゾワ
ダブラト・ボボノフ
リナタ・イルマトワ
アリシェル・ユスポフ
モンゴルの旗 モンゴル
ルハグバトゴー・エンフリーレン
ツェンドオチル・ツォグトバータル
バツーリ・ニャムエルデネ
ガントゥルガ・アルタンバガナ
ダムバダルジャー・ノミンズル
オドフー・ツェツェンツェンゲル
中華人民共和国の旗 中国
蔡琪
チングダガ
唐婧
ブヘビリゲ
徐仕妍
李瑞軒

各国メダル数[編集]

国・地域
1 日本の旗 日本 5 3 2 10
2 ウズベキスタンの旗 ウズベキスタン 3 2 4 9
3 チャイニーズタイペイの旗 チャイニーズタイペイ 2 0 0 2
4 大韓民国の旗 韓国 1 2 6 9
5 中華人民共和国の旗 中国 1 2 3 6
6 アラブ首長国連邦の旗 アラブ首長国連邦 1 1 3 5
7 タジキスタンの旗 タジキスタン 1 1 1 3
8 キルギスの旗 キルギス 1 0 0 1
9 モンゴルの旗 モンゴル 0 2 4 6
10 カザフスタンの旗 カザフスタン 0 1 4 5
11 朝鮮民主主義人民共和国の旗 北朝鮮 0 1 1 2
12 レバノンの旗 レバノン 0 0 1 1
トルクメニスタンの旗 トルクメニスタン 0 0 1 1
Total 15 15 30 60

備考[編集]

  • 今大会の女子48㎏級準決勝でカザフスタンのアビバ・アブジャキノワと韓国のイ・ヘギョンが対戦した際に、イの右手が組み手争いのさなかアブジャキノワの顎に直撃した。この際にイは謝罪の意を示したものの、ゴールデンスコア|GSに入って2分過ぎに、今度はイの右手がアブジャキノワの左頬に張り手を喰らわす格好となった。アブジャキノワは左目の下が赤く腫れて、その場にうずくまった。イはこれにより3つ目の指導を受けて反則負けとなった。この行為は柔道精神に反するものだとみなされたため、イは3位決定戦に出場する権利を与えられなかった。イはこの処分に納得がいかない様子で、アブジャキノワの握手にも応じず、座り込んで抗議の意を示した。中国の地元紙である新浪新聞香港英字紙サウスチャイナ・モーニング・ポストなど複数のメディアがイの行為を報じると、中国のネットユーザーからは「これはとても卑劣だ」「いったい何の競技なんだ?」「汚い、とても汚い!」「韓国ではそれが普通なのか?」などといった厳しい批判の声が寄せられた。一方、韓国のテレビ局SBSでこの試合を解説していた2018年のアジア大会金メダリストの金成民は、「柔道の試合をたくさん見てきましたが、なぜこれが反則なのかがわからない。今はちょっと混乱して解説できないですね」と述べると、朝鮮日報も「釈然としない判定だった。試合後にしばらく畳の上に立ち尽くしたイ・ヘギョンは涙とともに会場を去った」と報じた[3][4][5]
  • 今大会の男子73㎏級初戦で韓国のカン・ホンチョルと北朝鮮のキム・チョルグァンが対戦すると、キムが一本勝ちを収めたものの、試合後にキムはカンとの握手を拒否した。キムは2018年の世界選手権における男女混合団体戦で韓国と北朝鮮が南北統一チームを結成した際にチームの一員として出場していた。また、キムは国際大会に出場する度に韓国の選手たちと仲良く過ごしていたという。韓国代表チームの関係者は、「南北統一チームで出場したとき、選手たちは互いを“兄さん”“弟よ”と呼び合い、笑顔で温かく接していた。しかし今回再会したキム・チョルグァンは、私が知る5年前の彼ではなかった」と語った。なお、女子70㎏級初戦で韓国のハン・ヒジュが北朝鮮のムン・ソンヒに敗れた際に、ムンの方から握手を求めてきたため、キムの行為は北朝鮮チーム全体による意思表示ではないともみなされている[6][7]

脚注[編集]

                                 

外部サイト[編集]

  • Asian Games Hangzhou