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(2015年11月 )
1の冪根 (いちのべきこん、英 : root of unity )、または1の累乗根 (いちのるいじょうこん)は、数学 において、冪乗 して 1 になる(冪単 である)ような数 のことである。すなわち、ある自然数 n が存在して
zn = 1
となる z のことである。通常は複素数 の範囲で考えるが、場合によっては p 進数 のような他の数の体系内で考える場合もある。以下では主として複素数の場合について述べる。
自然数 n に対し、m (< n ) 乗しても決して 1 にならず、n 乗して初めて 1 になるような 1 の冪根は n 乗根として原始的 (primitive) であるという。自然数 n を固定せず、1 の原始 n 冪根あるいは 1 の原始 n 乗根として得られる数を総称し、1の原始冪根 (いちのげんしべきこん)、または1の原始累乗根 (いちのげんしるいじょうこん)という。
1の原始冪根 [ 編集 ]
複素数 の範囲では、1 の原始 n 乗根は n ≥ 3 のとき2つ以上存在する。ド・モアブルの定理 より、1 の原始 n 乗根の一つは
ζ
n
=
cos
2
π
n
+
i
sin
2
π
n
{\displaystyle \zeta _{n}=\cos {\frac {2\pi }{n}}+i\sin {\frac {2\pi }{n}}}
で与えられることが分かる。この時、ζn の共役複素数 ζ n も 1 の原始 n 乗根である。n と互いに素な自然数 m に対して ξn m は 1 の原始 n 乗根であり、逆に 1 の原始 n 乗根はこの形に表せる。すなわち、1の原始 n 乗根は、オイラーのφ関数 を用いて、ちょうど φ (n ) 個存在する。
方程式 xn = 1 を考える。この方程式の根 は、ド・モアブルの定理より、
x
=
cos
2
π
k
n
+
i
sin
2
π
k
n
(
0
≤
k
≤
n
−
1
)
{\displaystyle x=\cos {\frac {2\pi k}{n}}+i\sin {\frac {2\pi k}{n}}\quad (0\leq k\leq n-1)}
であるが、1 の原始 n 乗根 ξn を一つ選べば、
x
=
ξ
n
k
(
0
≤
k
≤
n
−
1
)
{\displaystyle x={\xi _{n}}^{k}\quad (0\leq k\leq n-1)}
と書くことができる。
また上記のように根を三角関数で表すことは容易であるが、それが根号を用いて表示できること、つまり方程式が代数的にも可解であることはガウス により証明された。
1の原始冪根の例 [ 編集 ]
以下、
i
{\displaystyle i}
は虚数単位 である。
ξ
2
=
−
1
{\displaystyle \xi _{2}=-1}
ξ
3
=
−
1
±
3
i
2
{\displaystyle \xi _{3}={\frac {-1\pm {\sqrt {3}}\,i}{2}}}
(しばしば ω と書かれる )
ξ
4
=
±
i
{\displaystyle \xi _{4}=\pm i}
ξ
5
=
−
1
+
5
±
i
10
+
2
5
4
,
−
1
−
5
±
i
10
−
2
5
4
{\displaystyle \xi _{5}={\frac {-1+{\sqrt {5}}\pm i{\sqrt {10+2{\sqrt {5}}}}}{4}},{\frac {-1-{\sqrt {5}}\pm i{\sqrt {10-2{\sqrt {5}}}}}{4}}}
ξ
6
=
1
±
3
i
2
{\displaystyle \xi _{6}={\frac {1\pm {\sqrt {3}}\,i}{2}}}
ξ
8
=
2
±
2
i
2
,
−
2
±
2
i
2
{\displaystyle \xi _{8}={{{\sqrt {2}}\pm {\sqrt {2}}i} \over 2},{{-{\sqrt {2}}\pm {\sqrt {2}}i} \over 2}}
1 の冪根は全て、ガウス平面 における単位円 上にある。また概要 で述べたことは 1 の n 乗根の全体が位数 n の巡回群 となることを示している。
a を複素数とするとき、a の n 乗根を任意に一つ選んで n √a と記せば、1 の n 乗根に各々 n √a を掛けたものが複素数係数の方程式 xn − a = 0 の根の全体となる。
1 の n 乗根をガウス平面上に表し、線分で結ぶと単位円に内接する正 n 角形 となる。これは 1 の原始 n 乗根の一つを ξn として以下の式が成り立つことと同じである:
∑
k
=
0
n
−
1
ξ
n
k
=
1
+
ξ
n
+
ξ
n
2
+
⋯
+
ξ
n
n
−
2
+
ξ
n
n
−
1
=
0
{\displaystyle \sum _{k=0}^{n-1}\xi _{n}^{k}=1+\xi _{n}+{\xi _{n}}^{2}+\cdots +{\xi _{n}}^{n-2}+{\xi _{n}}^{n-1}=0}
関連項目 [ 編集 ]