コンテンツにスキップ

長征1号

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
長征1号

長征1号簡体字中国語: 长征一号英語: Long March 1)は、中国衛星打ち上げロケット長征シリーズの最初のロケットで、長征1号とその改良型の長征1号Dの2タイプが存在する。

タイプ

[編集]

長征1号

[編集]

1965年に研究が始まった。東風4号型IRBMをベースにし、第3段用の固体ロケットモータを新しく開発した。1970年4月24日、中国初の人工衛星東方紅1号を打ち上げた。1971年に2度目の打ち上げを行い、以後使用されていない。

  • 段数: 3
  • 全長: 29.86 m
    • 第1段: 17.835 m
    • 第2段: 7.486 m
    • 第3段: 4.565 m
  • 直径: 2.250 m
  • 重量(発射時): 81,570 kg
    • 第1段: 65,250 kg
      • 燃料: 61,070 kg
    • 第2段: 13,550 kg
      • 燃料: 11,210 kg
    • 第3段: 2,200 kg
      • 燃料: 1,800 kg
  • 推力: 1,020,000 N
  • ペイロードLEO): 300 kg

長征1号D

[編集]

長征1号Dは長征1号のステージ改良型であり、中国の宇宙機関の宇宙機のために使われる。主として第一段エンジンを1020 kNから1101.2 kNにし、第2段と第3段もパフォーマンスを改善したもの。この改良した長征1号Dは様々な低軌道の衛星を打ち上げることができ、衛星の指向性を回転または非回転にできる。1995年5月に初打ち上げが成功した。1997年に2度目の打ち上げに成功、2002年の3度目の打ち上げは失敗し[1]、以後使用されていない。

技術仕様
ロケット全体 第1段 第2段 第3段
*Stages: 3
  • 全長 28.220 m
  • 翼幅 3.810 m
  • 離陸時質量 81,075 kg
  • 離陸時推力 1101.2 kN
  • 推力質量比 13.6 N/kg
  • 積載
    • 930 kg (回転)
    • 750 kg(非回転)(300 km 円軌道, 傾斜角 57 度)
  • 軌道投入精度
    • 偏心率 0.001 - 0.005
    • 軌道傾斜角偏差 < 0.3 度 (300〜1000 km 円軌道)
  • 全長 19.735 m
  • 直径 2.250 m
  • ステージ質量 65,040 kg
    • 構造物 4,080 kg
    • 燃料 60,860 kg
  • エンジン YF-2A
  • 燃料 HNO3-27S/UDMH
  • 離陸推力 (海面) 1101.2 kN
  • 比推力: 2378 N·s/kg
  • 燃焼時間 ~132 s
  • 全長 6.037 m
  • 直径 2.250 m
  • ステージ質量 13,490 kg
  • 構造物 1,100 kg
  • 燃料 12,380 kg
  • エンジン YF-40 (2基)
  • 燃料 N2O4/UDMH
  • 真空中推力 100.86 kN
  • 比推力 2981.2 N·s/kg
  • 燃焼時間 360 s
  • 全長: 1.696 m
  • 直径: 2.054 m
  • ステージ質量 1,315 kg
  • 構造物 523 kg
  • 燃料 792 kg
    • 液体 147 kg
    • 固体 645 kg
  • 固体エンジン FG-36

脚注

[編集]
  1. ^ CZ-1” (英語). Encyclopedia Astronautica. 2013年12月3日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年8月21日閲覧。