薮内清

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ナビゲーションに移動 検索に移動

薮内 清(やぶうち きよし、明治39年(1906年2月12日 - 平成12年(2000年6月2日)は、日本天文学者科学史学者中国科学史)で、京都大学名誉教授。

人物[編集]

薮内の名は1953年4月7日カール・ラインムートによって発見された小惑星に名付けられた。薮内の名がつけられた小惑星については2652 Yabuutiを参照。

初めは天文学研究者であったが、新城新蔵の影響を受けて古代中国の暦法研究へ転じた。

来歴[編集]

兵庫県神戸市生まれ。甲陽中学校旧制大阪高等学校(現大阪大学)理科丙類を経て、昭和4年(1929年京都帝国大学理学部宇宙物理学科卒業。

昭和4年京都帝国大学副手、昭和10年(1935年東方文化学院京都研究所(現京都大学人文科学研究所)嘱託、後に同研究員。昭和23年(1948年)京都大学研究員、昭和24年(1949年)同大人文科学研究所教授として、共同研究などにより中国科学史研究を世界的水準で進め高めた。昭和42年(1967年)同所長。その間、昭和30年(1955年)から日本天文学会副理事長を務めた。昭和44年(1969年)京大を定年退官し、同名誉教授。昭和44年から昭和54年(1979年)まで龍谷大学教授。昭和45年(1970年)に紫綬褒章及び朝日賞、昭和47年(1972年)にアメリカ科学史ジョージ・サートン・メダルを受賞した。昭和51年(1976年)に勲二等瑞宝章を受章。昭和58年(1983年)1月に「講書始の儀」講師を務め、同年日本学士院会員に選出された。

著書[編集]

単著[編集]

  • 『支那の天文学』(恒星社厚生閣 1943年
    • 『中国の天文学』(恒星社厚生閣 1949年)
  • 『支那数学史概説』(山口書店 1944年
  • 『支那数学史』(山口書店 1944年)
  • 『隋唐歴法史之研究』 東方文化研究所東洋暦術調査事業報告(三省堂 1944年/増訂版・臨川書店 1989年
  • 『ギリシヤ科學の精神』(全國書房 1946年
  • 『近世天文学史』(恒星社厚生閣 1947年
  • 『自然科学史 第1』(恒星社厚生閣 1952年)
  • 『天文学史』(朝倉書店 1955年)
  • 『一般天文学』(恒星社厚生閣 1963年、新版1981年)
  • 『中国古代の科学』(角川新書 1964年/講談社学術文庫 2004年
  • 『中国の科学文明』(岩波新書 1970年)-度々復刊
  • 『中国の天文暦法』(平凡社 1969年、増訂版1990年
  • 『中国文明の形成』(岩波書店 1972年 復刊1994年)
  • 『中国の科学と日本』(朝日新聞社 1972年/朝日選書 1978年
  • 『中国の数学』(岩波新書 1974年 復刊1991年、1996年)
  • 『歴史はいつ始まったか』(中公新書 1980年
  • 『科学史からみた中国文明』(日本放送出版協会NHKブックス〉 1982年)

著作集[編集]

  • 藪内清著作集臨川書店、2017年12月から刊行
  1. 『定本 中国の天文暦法』
  2. 『漢書律暦志の研究/隋唐暦法史の研究』
  3. 『天文学史I』
  4. 『天文学史II』
  5. 『科学・技術史』
  6. 『自然科学史/数学史/医学史』
  7. 『欧文・中文論文/付録/総索引』

共著[編集]

  • 『地球と月・地球及び月の運動』(恒星社厚生閣 圖説天文講座 1937年)
  • 漢書律暦志の研究』(東方文化研究所研究報告)能田忠亮共著(全國書房 1947年/改訂版・臨川書店、1979年)
  • 『星座・中国・朝鮮・日本・印度の星座』、野尻抱影
(新天文学講座1:恒星社厚生閣 1964年、新版1977年)
  • 『天文学の歴史・東洋天文学』(新天文学講座12:恒星社厚生閣、1964年、新版1977年)
  • 『科学史概説』 石蔵甚平共著 (朝倉書店 1965年、新版1982年)
  • 元号を考える』 桑原武夫ほか (現代評論社、1977年)-元号法制定反対の目的で刊行
  • 『授時暦 訳注と研究』 中山茂共著 (新版アイ・ケイコーポレーション 2006年)
  • 『立杭窯の研究 技術・生活・人間』 京都大学人文科学研究所研究報告、(恒星社厚生閣 1955年)

編著・解説[編集]

  • 世界の名著 続1 中国の科学』(中央公論社 1975年、新版中公バックス 1979年)
  • 『科学の名著2 中国天文学・数学集』(朝日出版社 1980年)
  • 『天工開物の研究 京都大学人文科学研究所研究報告』(恒星社厚生閣 1953年)。改訂版が、平凡社〈東洋文庫〉 1969年
  • 『中国中世科学技術史の研究』(角川書店 1963年/新版 臨川書店 1998年)
  • 『江戸時代の科学器械』 宗田一共編(恒星社厚生閣 1964年)
  • 『宋元時代の科学技術史』 京都大学人文科学研究所 (臨川書店 1967年/新版 朋友書店 1997年)
  • 『明清時代の科学技術史』 吉田光邦共編:京都大学人文科学研究所 (臨川書店 1970年/新版 朋友書店 1997年)
  • 『明治前日本天文学史』(日本学士院同刊行会編、1960年、復刊1979年)

訳書[編集]

  • 『神秘の宇宙』(ジェイムズ・ホプウッド・ジーンズ 恒星社厚生閣 1937年)
  • 『新物理學の宇宙像』(ジェイムズ・ホプウッド・ジーンズ 恒星社厚生閣 1937年)
  • 『支那数学史』(李儼 生活社 1940年)
  • 『アルマゲスト』(プトレマイオス 恒星社厚生閣 1948年、1958年/新版1993年)
  • 『時間の測定』(ジュン・グランエ、文庫クセジュ白水社 1953年)
  • 『星界の報告、太陽黒点論』(ガリレオ・ガリレイ、「世界大思想全集(第2期・31) 社会・宗教・科学思想篇」、河出書房新社、1963年)。岩波文庫は、弟子による改訳版
  • 天工開物』(宋応星、平凡社〈東洋文庫〉、1969年)。ワイド版2004年
  • 『数の世界』(デビッド・バーガミニ、タイムライフブックス 1973年)
  • ヘベリウス星座図絵』(地人書館 1977年、新版1993年)
  • 『中国の印刷術 その発明と西伝 (全2巻)』(T.F.カーター、石橋正子共訳、平凡社〈東洋文庫〉、1977年)。ワイド版2006年
  • 墨子』(平凡社〈東洋文庫〉、1996年)。ワイド版2009年、元版は、平凡社中国古典文学大系 5」所収。

監修・回想[編集]

  • 『中国の科学と文明』(全11巻、ジョゼフ・ニーダム 思索社 1991年)のち新思索社。監修
  • 『中国科学の流れ』(ニーダム 思索社 1984年) 。解説
  • 『東洋の科学と技術 藪内清先生頌寿記念論文集』(同朋舎出版 1982年
  • 東方学 第115号 「先学を語る」――薮内清博士』(東方学会、2008年1月)、弟子らの座談での回想を収録。