立川健二

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立川 健二(たつかわ けんじ、1958年7月31日 - )は、埼玉県浦和市(現さいたま市)出身の思想評論家

来歴[編集]

埼玉県浦和市(現さいたま市)出身。1982年東京外国語大学フランス語科卒。1989年東京大学大学院人文科学研究科仏文科中退。

フェルディナン・ド・ソシュール研究の集大成として『≪力≫の思想家 ソシュール』、『現代言語論』(山田広昭との共著)を出版。大阪市立大学勤務の後、東北学院大学教養学部専任講師として赴任した1991年に『誘惑論』を上梓し、注目を集める。

ソシュール研究の立場から、言語と文化、記号論などの講義を担当。学部生対象のゼミ「誘惑論セミネール」、また、現代言語論研究会を主宰し、論文集『PHILOLOGIE』を同会で出版。同大学助教授時代に『愛の言語学』(1995年)を上梓。その一方で、会の運営については自己中心的だという指摘もあり、賛否両論が出て退会者が続出し、人間不信に陥る。

その後、文教大学教授となり、同会も休会状態に陥る。2000年、自身が教育職には向いていないことを自ら悟り辞職。右翼、左翼双方への批判を織り込んだ「ポストナショナリズムの精神」を上梓、西部邁の『発言者』に寄稿・連載したが、2001年に西部の意向で関係を断たれた[1]

著書[編集]

  • 『「力」の思想家ソシュール』風の薔薇 1986
  • 『誘惑論 言語と(しての)主体』新曜社 1991
  • 『愛の言語学』夏目書房 1995
  • 『ポストナショナリズムの精神』現代書館 2000
  • 『言語の復権のためにーソシュール、イェルムスレウザメンホフ』論創社、2020
  • 『国家と実存 「ユダヤ人国家」の彼方へ』彩流社、2022

共著[編集]

翻訳[編集]

関連項目[編集]

脚注[編集]

  1. ^ 『国家と実存』14p