真夜中

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真夜中(まよなか)とは、の中間点であり、正子(しょうし)、子夜(しや)ともいう。

真夜中の語は、 深夜(しんや)、深更(しんこう)、夜半(やはん)と同様に夜深くの時間帯を指す場合があるので、夜の正12時(午前0時)をいう場合は、「正子」を使う方が紛れがない。正子の対義語は、「正午」で昼の中間点をいう。

現代では、どの文化や分野でも、公式には1日の始まりを正子(夜の正12時)とすることがほとんどであるが、天文学ではかつては正午(昼の12時)が1日の起点であった(天文時)。ユリウス日における日の起点が正午であるのもこのためである。

語源[編集]

昼の正12時(午後0時)を正午(しょうご。(うま)の刻)と言うように、夜の正12時(午前0時)を正子(しょうし。(ね)の刻)と言う。時刻を十二支で表したとき、日没と日の出の中間が〈〉であり、日の出と日没の中間が〈午〉だからである(十二時辰#時刻との対応)。

英語での表現[編集]

「真夜中」に相当する英語のmidnightも多義語であり、文脈によって意味が異なる。「at midnight」の場合は、正子(夜の正12時)を意味するが、the midnight hoursは、深夜を意味する。

正子を意味する場合のmidnightは、主に西洋文化を中心として、一日の終わりと次の日の始まりを定義するのに適宜用いられていた時刻である。 これは、日が変わる午前0時と思われがちであるが、天文学的には日の入り日の出夜明け)の中間点は0時とは限らず、季節変動がある。本項では、midnightに相当する概念について、これらの点を単なる『夜』や『0時』と区別する。

Solar midnightは、正子に当たる時刻で、太陽天底に最も近づく時刻であり、夜のうち日暮れや夜明けから最も離れた時刻である。各地域の時間帯が存在する関係で、時計における時刻と太陽が子午線を通るmidnight は厳密にはずれていることが多いものの、数多くのサイトが太陽時での計算を行っている。このSolar midnightは、時間帯よりもむしろ経度に依存する。

一日の始まり 正午から正子へ[編集]

通常用いられる日付と時刻では、正子(真夜中の正12時)が1日の始まりである。しかし、天文学ではクラウディオス・プトレマイオスの創始以来、1日の始まりを正午(昼の正12時)とする「天文時」(astronomical time)を使っていた。これは夜間観測中に日付けが変わる不便を避けるためであった[1]。そして、この「天文時」に対して、正子に1日が始まる、普通に用いられる時刻系を「常用時」と称していた。

天文時は紛らわしいので、1924年末で廃止され(詳細は、グリニッジ標準時#天文時の廃止を参照。)、1925年1月1日以降は、天文学においても常用時が採用された。このため、正子がどちらの日に属するものかを区別する方法が必要となる。

正子と正午の時刻表現[編集]

(詳細は、午前と午後を参照)[2][3][4]

24時間表記では、単純に"00:00"を一日の始まりとし、"24:00"を一日の終わりとすることで足りる。つまり、『今日の24:00』と『明日の00:00』が同じとなる。

12時間表記は、アルメニアギリシャのほか、英語圏や南米に見られるが、正午には'noon' ' midday' や '12 noon'、24:00 には'midnight' や '12 midnight' という表記をすることで区別をつけている。

その一方で、コンピュータやデジタル時計においては、正子は "12:00 a.m." を、正午は "12:00 p.m." を表示している。これらの表記法では正子と正午の区別は曖昧で不明確である。実際、12:00 を表すときに"a.m."や"p.m."を用いるのは不適切である。そもそもこれらの略語は、ante meridiem(正午前、before noon)とpost meridiem(正午後、after noon)である。正午は前でも後でもないのであるから、どちらの略語を用いてもおかしい (12:00:01 p.m. のように少しでもずれれば正確な表記となる) 。同様に、正子も正午から12時間前でもあり12時間後でもあるので不適切となる(正子そのものが、午前でも午後でもないとみなされる)。これらを誤解なく表すには以下の方法がある。

  1. 24時間表記を使う (00:00, 12:00, and 24:00)
  2. "12 noon"と"12 midnight" を使う("12 midnight" は依然曖昧となる)
  3. どの2日の間かを明示する(土曜から日曜にまたがる深夜、12月14日と15日の間の深夜)
  4. "12:01 a.m." や "11:59 p.m." をあえて用いる

最後の方法は旅行業では一般的なものであり、特に列車飛行機のスケジュールに混乱を招かないために用いられる[5]

なお、 の上で一日の始まりとして異なる時刻を用いている宗教もいくつかある。例えば、ヘブライ暦イスラム暦ユダヤ暦教会暦では、日没時(。夕方の18時)が一日の始まりである(クリスマス・イヴ#概要を参照)。

多くの先進国、特に北米においては、一日の始まりとして2 - 5時の間を指す人が多い。これは、正子を超えて仕事をする労働者が多く存在することによる。多数のテレビ局もこの慣習に従って広告をしている。イギリスでは、テレビ局やラジオ局は午前6時を一日の始まり・終わりとみなしている。

文化における意味[編集]

旧来の魔術的な考え方では、midnight は solar midnight、つまり、solar noonの対蹠であるとされている。これは、実世界と別世界(otherworld) を、光の近地点と暗黒の遠地点とに結び付けて考える思考軸となっている。こうして、midnight はカオス黄泉の世界やミステリーを連想させるものとなった。最もひらめく瞬間は、仙骨が自ら現れるときだ、とも考えられていた。もちろん、ひらめきは上述のような暗黒と結びついていると考えられており、midnightには霊魂幽霊悪霊悪魔が訪れるものだと思われていた。

すべての超自然的な闇の生物は— おそろしい夜行性の肉食動物を連想させるが— 夜に出没し、その中間点、つまり midnight に彼らの能力は最大になると信じられていた。スラブの民話によれば、midnight は シチシガ が人の血を吸いに墓から起き上がる時間で、破滅が眠っている人の息を止めに襲撃し、悪魔が罪人のところにやってくる時刻である。ポーランドユダヤ教徒には、midnight は生きた人間にとり憑いて身体を操る悪霊が民衆に取り付き、狂気を引き起こす時刻と信じられていた。

夜が混沌原始性という面をもつことから、別世界から召喚されるすべての行動は、夜の最高点で行われるのが最も容易である。悪霊や悪魔のような超自然的な存在は、どの地域でも、人間の召喚に応えることになっていた。— それは、死をかけた願いであり、飢饉呪い、悪魔への服従や契約であった。魔術師魔術黒魔術などの行動は、当時最も容易なことだった。複雑な儀式を要するという記されているものがある一方で、ある民話では、midnight に交差点で悪魔を呼ぶという非常に単純で神聖でなくてもよい方法が信じられていた。信頼できる時計が無く時刻が確認できないような状態では、夜に鏡を覗き込むことさえも、悪魔が中から見返してくるために危険だと考えられていた。

また、midnightは魔術に用いる成分を集める時間ともされ、様々なハーブはmidnightに収穫すると最も効能があると考えられていた。

キリスト教の民話においては、キリストが厩で生まれたこともあり、クリスマスイブクリスマスの間のmidnightには動物が会話している。

原子力科学者会報(Bulletin of the Atomic Scientists)が発表している世界終末時計においては、midnight を核戦争の時刻として象徴的に用いている。

midnightはシンデレラのような民話にも見られるように、任務を完了する期限として用いられる。

出典[編集]

  1. ^ 1日の始まり 国立天文台 > 暦計算室 > 暦Wiki >1日の始まり
  2. ^ 午前と午後 国立天文台 > 暦計算室 > 暦Wiki > 要素 > 1日とは? > 午前と午後
  3. ^ 質問4-1)正午は午前12時?それとも、午後12時? よくある質問ベスト5、自然科学研究機構国立天文台
  4. ^ 午前12時? 午後0時? (独)情報通信研究機構 周波数標準課、1989年2月15日
  5. ^ NIST Time and Frequency FAQ(2010年4月12日時点のアーカイブ

外部リンク[編集]

関連項目[編集]