薄明

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日の入りのすぐ後(神戸港
薄明の分類
日の出前(長崎港

薄明(はくめい)は、日の出のすぐ前、日の入りのすぐ後の、空が薄明るい(薄暗い)時のことである。大気中の塵による光の散乱により発生する。英語トワイライトtwilight)も薄明のことである。

名称[編集]

日の出前においては「黎明(れいめい)」「払暁(ふつぎょう)」「彼者誰(かわたれ)」「明け(あけ)」「夜明け(よあけ)」「(あかつき)」「東雲(しののめ)」「(あけぼの)」などの名がある。一方、日の入り後については「黄昏(たそがれ)」「夕暮れ(ゆうぐれ)」「日暮れ(ひぐれ)」「薄暮(はくぼ)」といった語がある。[1]

日の出前の「彼者誰(かわたれ)」は「彼は誰」、日没後の「黄昏(たそがれ)」は「誰そ彼」が元々の意味であり、いずれも薄暗くて人の見分けがつきにくいことから、このように呼ばれる。

また、日の入り後については「[2]」あるいは「宵のうち」とも言い、日没直後(下記の「市民薄明」に相当する)は「宵の口」とも言う。さらに、この時間帯は「逢魔時(おうまがとき)」あるいは「大禍時(おおまがとき)」とも呼ばれており、化け物や妖怪などの魔物に出会いやすい時間だと考えられてきた。

分類[編集]

太陽高度(太陽の中心位置と地平線との角度)により、以下の3つの薄明が定義されている。

市民薄明常用薄明、第三薄明Civil twilight
太陽高度-50分~-6度。まだ十分に明るさが残っていて、人工照明がなくても屋外で活動ができる明るさ。「50分」は太陽の視半径「16分」に、地平線付近の大気差「34分」を加味した角度であり、これだけ地平線の下に入っている時が日の出・日の入り(太陽の上端が地平線に接した時)ということになる。
航海薄明第二薄明Naval twilight (Nautical twilight)
太陽高度-6度~-12度。海面と空との境が見分けられる程度の明るさ。
天文薄明第一薄明Astronomical twilight
太陽高度-12度~-18度。6等星までを肉眼で見分けられる暗さになる前の明るさ。

その他[編集]

理科年表では、江戸時代の明け六つ、暮六つに相当する時間として、太陽高度が-7度21分40秒になる時刻を夜明け日暮れとしている。

高緯度地方では、日が沈まずに薄明にならない場合や、沈んでも天文薄明や航海薄明にならない場合(白夜)もある。また、近年の都市部では、人工照明によって空が明るく照らしだされ、深夜になっても完全に暗い空にならない地域も多くなっている。

脚注[編集]

  1. ^ これら全てが正確に薄明と同様の表現とは限らない。日の出後、日の入り前を含む語もある。
  2. ^ 「宵」には「徹宵」のように夜全体を指す意味がある。

関連項目[編集]

外部リンク[編集]