田湾原子力発電所

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
移動: 案内検索
田湾原子力発電所
稼働中の1号機、2号機と第2期で建設される3号機、4号機
田湾原子力発電所の位置
田湾原子力発電所の位置
中華人民共和国
座標 北緯34度41分13秒 東経119度27分35秒 / 北緯34.68694度 東経119.45972度 / 34.68694; 119.45972 (田湾原子力発電所)座標: 北緯34度41分13秒 東経119度27分35秒 / 北緯34.68694度 東経119.45972度 / 34.68694; 119.45972 (田湾原子力発電所)
現況 運転中
着工 1999年
運転開始 2006年5月17日
事業主体 中国核工業集団、江蘇核電有限公司
原子炉
運転中 2 × 1000
建設中 1 × 1000 MW
計画中 3 × 1000 MW
2 × 1200 MW
種類 PWR
原子炉製造元 アトムストロイエクスポルト
発電量
平均発電量 1,235 GWh
正味年間発電量 1,235 GWh
2013年1月現在
テンプレートを表示

田湾原子力発電所中国語: 田湾核电站/田灣核電站)は中華人民共和国江蘇省連雲港市原子力発電所黄海沿岸、連雲港市の東部約30kmの位置に存在する。将来的に中国本土で最大級の発電能力を持つ原子力発電所になると予想されている。

現在はロシアアトムストロイエクスポルトが建設した1000MW級の原子炉2基が稼働中である。1号機は2006年に運用を開始し、2号機は2007年に運用が開始された[1]ロシア・トゥデイの報道によれば、IAEAは田湾原発を「世界で最も安全な原子力発電所」と述べたとされる[2]

歴史[編集]

1号機の建設は1999年10月20日に開始され、2号機は2000年10月20日に開始された。1号機は2005年12月20日に初臨界を達成した。2号機の建設は2007年5月に完了し、8月には商業運転を開始した[1]。これは中露両国が原子力計画を共同運営した初の試みであった。

2010年11月23日、江蘇核電有限公司はアトムストロイエクルポストと1060MWe級のVVER-1000型原子炉を3号機と4号機として供給する契約を締結した[3][4]。建設は2011年の日本の福島第一原子力発電所事故によって開始が遅れたが、2012年12月に開始された[5]

経緯[編集]

田湾原子力発電所ではロシアが供給するロシア型加圧水型原子炉の技術が使われている。1号機、2号機ともおおよそ33億米ドルの費用がかかっている。原子炉はロシアで一般的な原子炉形式であるVVER-1000/392型の中国向けモデル1000/428である。

これらのVVER-1000型原子炉は封じ込め殻に入れられており、20トンまでの航空機が衝突した場合でも重大な被害には至らないとされる。また、地震に対する防護もさらに追加されている。他の重要な安全機構としては炉心冷却系と炉心封じ込めシステムなどがある。なお、中国は当初この原発向けの燃料生産を行っていなかったため、ロシア側が最初の燃料装填を行った。今後はロシアの核燃料生産企業TVEL英語版から導入された技術を利用して、2010年から中国国内での燃料生産を始める計画である[6]

アトムストロイエクスポルトの中国代表のAlexandr Selikhovは「この発電所は4つの安全レベルをもっている。ダブルアスベストクラスタはいかなる種類の放出も防護する。また、トラップと呼ばれる革新的な安全性の改善があり、これは核燃料破損の場合の漏れを防ぐ。」と述べている

田湾原子力発電所はサードパーティ製の部品を使用しており、原子炉とターボ発電機はロシア設計であり、制御室はシーメンスなどからなる国際共同事業体が設計・建設を行った。田湾原発はこのようにして厳しく認定された安全基準を満たすように建設された。安全系は既にそれまでの発電所でも取り入れられていたが、以前の安全系への監視は国際安全基準に適合していなかった。

中国で建設された新しいVVER-1000型炉は94%のシステムが自動化されており、燃料装填の手順などでは人間の手を必要とするものの、ほとんどの状況下で発電所は自律的に作動する。制御室は5人の人員のみで運用可能である。

建造される原子炉は5号機と6号機を除いてすべて第3世代原子炉である。

原子炉[編集]

原子炉[7] 原子炉形式 正味発電量 総発電量 建設開始 送電網同期 商業運転 運転終了
1号機 (Tianwan-1)[8] VVER-1000/428 (AES-91) 933 MW 1,000 MW 1999年10月20日 2006年5月12日 2007年5月17日
2号機 (Tianwan-2)[9] VVER-1000/428 (AES-91) 933 MW 1,000 MW 2000年10月20日 2007年5月14日 2007年8月16日
3号機 (Tianwan-3) VVER-1000/428M (AES-91) 1,000 MW 2012年12月27日 2018年(予定)
4号機 (Tianwan-4) VVER-1000/428M (AES-91) 1,000 MW 2013年[10](予定) 2019年(予定)
5号機 (Tianwan-5) CNP-1000 1,000 MW
6号機 (Tianwan-6) CNP-1000 1,000 MW
7号機 (Tianwan-7)[10] VVER-1200 1,200 MW
8号機 (Tianwan-8)[10] VVER-1200 1,200 MW

関連項目[編集]

[編集]

  1. ^ a b The second power unit of TAES commissioned for commercial operation”. AtomInfo.ru (2007年8月18日). 2010年5月12日閲覧。
  2. ^ Russian-Chinese nuclear station safest in the world: IAEA”. ロシア・トゥデイ (2007年12月7日). 2013年6月29日閲覧。
  3. ^ “ASE contracted to build Tianwan phase 2”. World Nuclear News. (2010年11月23日). http://www.world-nuclear-news.org/NN-ASE_contracted_to_build_Tianwan_phase_2-2311104.html 2010年11月23日閲覧。 
  4. ^ “EPC contract signed for Tianwan Phase II”. World Nuclear News. (2011年10月13日). http://www.world-nuclear-news.org/NN-EPC_contract_signed_for_Tianwan_Phase_II-1310115.html 2011年10月28日閲覧。 
  5. ^ “First concrete at Tianwan 3”. World Nuclear News. (29 December 2012). http://www.world-nuclear-news.org/NN_First_concrete_at_Tianwan_3_2912121.aspx 2 January 2013閲覧。 
  6. ^ Tianwan fuel fabrication moves to China; March 2010
  7. ^ China, People's Republic of”. Power Reactor Information System (PRIS). 国際原子力機関 (IAEA). 2010年5月12日閲覧。
  8. ^ Tianwan 1”. PRIS. IAEA. 2013年1月2日閲覧。
  9. ^ Tianwan 2”. PRIS. IAEA. 2013年1月2日閲覧。
  10. ^ a b c Nuclear Power in China”. Information Papers. 世界原子力協会 (WNA) (2012年12月29日). 2 January 2013閲覧。