玉本奈々

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玉本 奈々(たまもと なな、1976年昭和51年) 2月23日 - )は、富山県生まれの日本の女性現代美術作家。

繊維造形物によるレリーフ状絵画と立体、インスタレーションで知られる気鋭の現代美術作家。

ミシン糸が縫い込まれ、古木の樹皮か珊瑚のような質感のオブジェと化した布等塊と、飛沫状の着彩、樹脂による凸状波紋など、豊穣な物質的マチエールが特徴。近年、その色彩表現に高い評価を得ている。また、ワークショップや執筆、モデルなど、多岐にわたる活動も注目されている。

2020年には、ポートレートとしてのコラージュされたドローイングを発表。新たな展開にも期待される。

経歴[編集]

生家は格式ある旧家であり、事業家でもあった。玉本家の長女として生を受ける。

生まれつきの弱視に加え、身体が弱かったが、12歳を境に奇跡的に視力が回復。補助視力により「見る」行為が可能となった玉本は、世の中に線が多い事実を知り、ひたすら線を描き続ける。これが彼女のデッサンへの興味の始まりである。15歳より3年に渡り、富山の商業高校と、京都の美術専門学校を両立して学ぶ。経済学を学びつつ、油絵を主とし制作を進めるが、表現方法に限界を感じ、一度油絵の具という手段を捨て、人間の生死に纏うであろう布に興味を抱き始める。大学はファイバーアートを専攻。1998年に成安造形大学を卒業後、大阪の瀧定株式会社のデザイナーとして就職。病を機に退職後、本格的に美術家としての道を歩み始める。その年に、東京の日仏現代美術大賞展にて優秀賞を受賞。他同年にフランスの現代美術展において奨励賞、フランスの選抜作家展にて同じく奨励賞を授与される。2006年に大阪にアトリエを構える。2010年、京都芸術大学大学院修了。

フランスでの公募「Grand Concours International」において、2003年にはフランス共和国名誉賞、2004年にはフランス共和国新人賞、2005、2006年にはフランス共和国栄誉賞を受賞、また、2002~2003年・2005年・2007~2008年の功績として「La Toile d’Or」賞が授与されている。[1][2][3]2019年には東久邇宮記念賞、東久邇宮文化褒賞を受賞。世界遺産の五箇山、菅沼合掌造り集落の国史跡指定50周年、ならびに世界遺産登録25周年の2020年に「概念 2020」が収蔵され、感謝状が授与された。2021年には東久邇宮平和賞を受賞。記念賞、文化褒賞ならびに平和賞のトリプル賞受賞となった。

個展[編集]

  • 2002年に、初の美術館個展「玉本奈々の世界」が富山県民会館美術館にて開催された。その個展を皮切りに、巡回個展として東京のO美術館2002年、茨城県つくば美術館2003年、愛知県の刈谷市美術館2006年他で開催された。
  • 2004年福井市美術館にて「玉本奈々の世界」個展が開催された。[4]
  • 2004年に、個展「玉本奈々の世界 文化の息づきと共に」が富山県 国登録有形文化財の豪農の館・内山邸ならびに薬種商の館・金岡邸にて同時開催された。
  • 2007年に、坂のまち美術館にて個展が開催された。
  • 2007年に、個展「玉本奈々の世界」が世界遺産の相倉合掌造り集落の高桑家ならびに山崎家の2つの家屋にて開催された。
  • 2011〜2012年の2ヶ月間に渡り、高岡市美術館にて、ジュニア☆アート☆ワールド「天までのぼれ!ねがいの龍」ワークショップが開催された。
  • 2015年に、白川郷・五箇山合掌造り集落世界文化遺産登録20周年記念事業として、個展「共鳴り」が開催された[5]。関連イベントとして、ベルギー王立美術館公認解説者・森 耕治講演「マティス、豪奢、静けさ、快楽」玉本奈々さんへのオマージュが催された。
  • 尼信博物館にて尼崎信用金庫スポンサーによる個展「真相-深層」が開催された。
  • 2014年2月28日-3月12日、大阪の枚方市立サンプラザ生涯学習市民センターにて、平成25年度枚方市平和の日記念事業企画展「玉本奈々-向き合う時間」ならびに「増殖×集積」玉本奈々立体「捻転」とのコラボレーションが開催された。[6][7]
  • T-Site枚方(ツタヤ本店)のニューイヤーイベントとして、玉本奈々新刊発売記念の原画展ならびにトーク、サイン会が開催された。[8]
  • 枚方市 市制施行70周年記念事業として、ひらかたまちかど空間アートフェスティバル 個展「仕合せ」が浄行寺にて開催された。併せて、ワークショップ「編むコム」紙で紙を編む。「編むコム」から何が見える?が催された。(旧京街道 枚方宿「東見附」から「西見附」) (大阪)
  • 出展 現代美術の展望VOCA展~新しい平面の作家たち~上野の森美術館  (東京) 
  • 出展 とやま現代作家シリーズ「時の中で-」富山県立近代美術館  (富山)
  • 出展 Salon d’Automne 2002-2003 (Paris, France)
  • 出展 Salon des indépendants 2000-2005 (Paris, France)
  • 出展 国内外のアートフェアに参加 している。 NY・Los Angeles・Cebu・Belgium・Taiwan・Daegu・日本
コレクション
世界遺産 五箇山 菅沼合掌造り集落 富山

地域医療支援病院公益社団法人

北部地区医師会北部地区医師会病院 沖縄

ママステーション 大阪

天の川保育園 大阪

坂の下保育園 富山

高橋コレクション

楊コレクション


著書[編集]

  • 集積ーあるふぁべっとのかたちたち[9]
  • マスクの旅路
  • シロアリの事典 表紙カバー
  • ネイチャー・アンド・ソサエティ研究第1~5巻 表紙カバー

出典[編集]

  1. ^ 玉本奈々 (2009年8月1日). マスクの旅路. 株式会社文芸社ビジュアルアート. ISBN 978-4-7818-0216-9 
  2. ^ 玉本奈々”. 2019年3月閲覧。
  3. ^ 玉本奈々 アマゾン著者紹介”. 2019年3月閲覧。
  4. ^ 玉本奈々の世界 カウベルコーポレーション”. カウベルコーポレーション. 2019年3月閲覧。
  5. ^ 南砺市 (2015年7月). “世界遺産菅沼合掌造り集落内の羽馬家住宅で個展「玉本奈々-共鳴り-」開催”. https://www.city.nanto.toyama.jp/cms-sypher/www/info/detail.jsp?id=14631 
  6. ^ 枚方市平和の日記念事業 玉本奈々-向き合う時間”. 2015年3月閲覧。
  7. ^ 枚方市平和の日記念事業企画展 玉本奈々-向き合う時間”. ホルベイン. 2019年3月閲覧。
  8. ^ 蔦谷書店 (2019年1月1日). “T-site (TSUTAYA本店)ニューイヤーイベント 玉本奈々新刊発売記念 原画展、トーク&サイン会”. http://real.tsite.jp/hirakata/event/2018/12/---4.html 
  9. ^ 玉本奈々 (2019年1月1日). 集積ーあるふぁべっとのかたちたち. 海青社. ISBN 978-4-86099-347-4