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'''プロット''' ({{lang-en|plot}}) とは、[[ストーリー]]の要約である。プロットは、出来事を原因と結果の順序で並べた文章である。原因と結果の順序とは、「XによってYが起こり、YによってZが起こる」という並びである。このとき、因果関係にない出来事は省略されるため、プロットは出来事の要約になる。「王女は雪山に逃げた女王を追う。'''だから'''、王女は雪山で女王を見つける」<ref>{{Citebook|last=Lee|first=Jennifer|title=FROZEN|url=http://waltdisneystudiosawards.com/downloads/frozen-screenplay.pdf|format=PDF|accessdate=2014-06-23|date=2013-09-23|publisher=the Walt Disney Animation Studios|language=English|pages=35-65.}}</ref>はプロットである。一方で、ストーリーは、出来事を起こる時間の順序どおり、省略せずに並べた文章であり、プロットとは区別される。「王女は雪山に逃げた女王を追う。'''それから'''、女王は魔法で氷の城を建てる」<ref>{{Citebook|last=Lee|first=Jennifer|title=FROZEN|url=http://waltdisneystudiosawards.com/downloads/frozen-screenplay.pdf|format=PDF|accessdate=2014-06-23|date=2013-09-23|publisher=the Walt Disney Animation Studios|language=English|pages=35-38.}}</ref>はストーリーである。このように、'''「だから」で出来事のつながるものがプロット'''であり、ただ単に「それから」でつながるものがストーリーである。すなわち、'''プロットは論理'''であり、ストーリーは時間である。プロットは時間ではないが、「始まり」「中間」「終わり」があり、それら3つの部分は、原因と結果の関係で結びついている<ref>ここまで。{{Cite book|和書|author=ジェラルド・プリンス|title=物語論辞典|publisher=松柏社|series=松柏社叢書|edition=増補版|date=1997-07|language=Japanese|isbn=978-4881988763}}</ref><ref>ここまで。{{Citebook|last=Dibell|first=Ansen|title=Plot|date=1999-08|publisher=Writer's Digest Books||series=Elements of Fiction Writing|language=English|page=6.|isbn=978-0898799460}}</ref><ref>ここまで。{{Cite web|author=Joan Vinall-Cox, Ph.D.|title=Story Includes Plot|url=http://www.slideshare.net/vinall/story-and-plot|accessdate=2014-07-12|language=English|archivedate=2014-05-30|archiveurl=https://web.archive.org/web/20140530025029/http://www.slideshare.net/vinall/story-and-plot}}</ref>。映画などのプロット ({{仮リンク|トリートメント|en|Film treatment}}) は通常、そのような「[[三幕構成]]」に基づいており、また、後述するプロットポイント (転換点) が追加される<ref>{{Cite web|work=シネマセンス|title=トリートメント|publisher=[[アールト大学]] (旧[[ヘルシンキ芸術デザイン大学]])|language=Japanese|accessdate=2014-07-11|url=http://elokuvantaju.uiah.fi/nihon_go/kyoozai/kyakuhon/treatment.jsp|archivedate=2014-07-10|archiveurl=https://web.archive.org/web/20140710185425/http://elokuvantaju.uiah.fi/nihon_go/kyoozai/kyakuhon/treatment.jsp}}</ref>。
'''プロット'''({{lang-en|plot}})は、創作分野の[[専門用語]]としては、[[小説]]・[[戯曲]]・[[映画]]・[[漫画]]等の創作物における、枠組み・構成のことを言う。[[ストーリー]]とは区別される。
<!--(編者注: 出典がありません。)「国王が亡くなり、王妃も亡くなった」はストーリーであり、「国王が亡くなり、『悲しみのあまり』王妃も亡くなった」はプロットである。-->
<!-- [[日本語]]として創作分野での用法のほかに[[外来語]]として用いられている例は、{{節stub}}|あるようなら記述を。
<!-- [[日本語]]として創作分野での用法のほかに[[外来語]]として用いられている例は、{{節stub}}|あるようなら記述を。
-->
-->
== 概 ==
== 概 ==
プロットによって、ストーリーが要約され、その全体像を把握することが可能になる<ref> Jenna Blum, 2013, ''The Modern Scholar'' published by Recorded Books, ''The Author at Work: The Art of Writing Fiction'', Disk 1, Track 10, ISBN 978-1-4703-8437-1</ref>。プロットは、[[時間#時間の向き|時間軸]]にしたがっているとは限らないが、出来事の原因と結果、すなわち因果関係で最初から最後までつながっている。A⇢B⇢C までがストーリーとすれば、A によって C が起こり、かつ、B が C とは直接に関係がないとき、 B を省いた A→C がプロットである。例えば、「王子が靴を手がかりに[[シンデレラ]]を探す」「靴はシンデレラの意地悪な姉たちの足には合わない」「靴が足に合ったのは王国でシンデレラだけである」というストーリーのうち、靴が姉たちの足に合わないという出来事は、プロットでは省略される。また、映画『[[タイタニック (1997年の映画)|タイタニック]]』('97) では、ストーリーの上で、主人公が船首で両腕を広げる場面や、楽団が船の沈むまで演奏を続ける場面といった有名なシーンがあるが、それらは以降の出来事に影響しないため、プロットでは重視されない。プロットは原因と結果の連鎖である<ref>ここまで。{{Cite book|和書|author=ジェラルド・プリンス|title=物語論辞典|publisher=松柏社|series=松柏社叢書|edition=増補版|date=1997-07|language=Japanese|isbn=978-4881988763}}</ref><ref>ここまで。{{Citebook|last=Dibell|first=Ansen|title=Plot|date=1999-08|publisher=Writer's Digest Books||series=Elements of Fiction Writing|language=English|page=6.|isbn=978-0898799460}}</ref><ref>ここまで。{{Cite web|author=Joan Vinall-Cox, Ph.D.|title=Story Includes Plot|url=http://www.slideshare.net/vinall/story-and-plot|accessdate=2014-07-12|language=English|archivedate=2014-05-30|archiveurl=https://web.archive.org/web/20140530025029/http://www.slideshare.net/vinall/story-and-plot}}</ref><ref>ここまで。{{Cite web|author=Chapman, Harvey|title=What Is a Plot In a Novel?|work=Novel Writing Help|publisher=Novel-Writing-Help.com|url=http://www.novel-writing-help.com/what-is-a-plot.html|accessdate=2014-07-11|language=English|archivedate=2014-07-11|archiveurl=https://web.archive.org/web/20140711074451/http://www.novel-writing-help.com/what-is-a-plot.html}}</ref>。プロットとストーリーについては、イギリスの作家[[E・M・フォースター]]が[[1927年]]に発表した『小説の諸相』での解説が有名である<ref>『[[ブリタニカ百科事典|ブリタニカ国際大百科事典]]』 「小項目事典」 Britannica Japan Co., Ltd. 「[http://kotobank.jp/word/プロット?dic=britannica&oid=10524600 プロット plot]」の頁。</ref>。
[[文芸評論]]では、[[物語]]の中で起きている来事時間に沿って並べられたものが「ストーリー」でるのに対して、その出来事を再構成したものを「プロット」と呼ぶ。プロットは[[時間#時間の向き|時間軸]]に沿っているとは限らないが、出来事の因果関係を示している。例えば「妻が重い病気になった。夫は毎日泣き暮らすようになった」はストーリー、「夫は毎日泣き暮らすようになった。理由がわからなかったが、妻が重い病気になったからだとわかった」はプロットである、などと説明されることが多い
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(編者注: がありません)<!--例えば「妻が重い病気になった。夫は毎日泣き暮らすようになった」はストーリー、「夫は毎日泣き暮らすようになった。理由がわからなかったが、妻が重い病気になったからだとわかった」はプロットである。
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(編者注: 出典がありません。)[[純文学]]や[[短編小説]]では、プロットらしいプロットのない作品も少なからずあるが、[[エンターテインメント]]や[[長編小説]]などの構成力を必要とする創作では、プロットを練ることが不可欠であると考えられている。ただし、[[スティーヴン・キング]]のように、プロット無しで長編エンターテインメント小説を書き、大成した作家もいないわけではない。
-->

プロットは、[[脚本]]などを執筆する前に、ストーリーの大まかな構成が分かるようにするために書かれる。日本の映画産業では、プロットは、脚本家自らの執筆のためだけの文章ではなく、企画書に添付して[[プロデューサー]]に提出される。この場合のプロットは、[[製作|製作者]]が読むことを前提としたビジネス文書である。そのとき、プロットの枚数は、[[ワープロソフト|ワープロ]]で1枚ほどの梗概 (シノプシス) から、同30枚以上まで様々である。脚本家の[[斉藤ひろし]]は、日本では、コンクールに応募するときにはワープロで1-2枚程度、新人がプロデューサーに企画を持ち込むときには同5-10枚程度が望ましいとしている<ref>ここまで。{{Cite book|和書|author=[[斉藤ひろし]]|title=斉藤ひろしのシナリオ教室: 1週間でマスター|publisher=雷鳥社|date=2006-03-15|page=82 f.|language=Japanese|isbn=978-4844134480}}</ref>。

== 形式 ==
{{see also|三幕構成}}
=== フィールドの分類 ===
[[三幕構成]]を理論化した脚本家、脚本指導者の[[シド・フィールド]]<ref>「訳者あとがき」 [[#フィールド]] p. 346.</ref>によれば、あらすじには、「要約」と「再現」の2種類がある。'''要約'''は、大まかに出来事の流れをまとめたものである〔編者注: これがプロットにあたる〕。
{{Quotation|女王は生まれ持った魔法の力をコントロールできなくなる。秘密にしていた魔法の力が公になる。女王は山に逃れ、そこで孤独に暮らそうとする<ref>ここまで。{{Citebook|last=Lee|first=Jennifer|title=FROZEN|url=http://waltdisneystudiosawards.com/downloads/frozen-screenplay.pdf|format=PDF|accessdate=2014-06-23|date=2013-09-23|publisher=the Walt Disney Animation Studios|language=English|pages=32-38.}}</ref>。}}
'''再現'''は、出来事をありのまま具体的に描写することである〔編者注: これがストーリーにあたる〕。
{{Quotation|夜。切り立った雪山の峰を1人で登る若い女王。小雪が降っている。女王は手袋を捨てて氷の魔法を使い始める。雪だるまが作られる。女王がマントを脱ぐ。魔法によって崖に氷の橋がかかる。女王はその橋を渡った後、氷の城を造り始める。女王を中心にして氷の柱と床がせり上がってくる。氷の天井とシャンデリラが出来る。女王は冠を外し、青白色のドレスの姿に変身する。女王は城のバルコニーに出て朝日の光を浴びる<ref>ここまで。{{Citebook|last=Lee|first=Jennifer|title=FROZEN|url=http://waltdisneystudiosawards.com/downloads/frozen-screenplay.pdf|format=PDF|accessdate=2014-06-23|date=2013-09-23|publisher=the Walt Disney Animation Studios|language=English|pages=36-38.}}</ref>。}}
このように、要約と再現は対照をなすものである〔以上、出典の例を改変〕<ref>ここまで。[[#フィールドII]] pp. 70 f.</ref>。

フィールドは、あらすじを4ページで書くように指導していた。そのうち、ストーリーを連結する4つの重要ポイントでは「再現」、それ以外の部分では「要約」が用いられる。4つの重要ポイントとは、オープニング、プロットポイント I, II、およびエンディングの4つである<ref>ここまで。[[#フィールドII]] pp. 65, 68-76.</ref><ref group="注釈">一方で、脚本家で俳優のウェンデル・ウェルマンは、プロットを作成する段階において、プロットポイント I、ミッドポイント (中間点)、およびプロットポイント II という中間部の三大転換シーンからまず決めることを提案している。その結果、残りのプロット作成は、楽しく容易なものになるという (ウェンデル・ウェルマン 『映画ライターズ・ロードマップ: “プロット構築”最前線の歩き方』 フィルムアート社、2005年、144頁。)。</ref>。プロットポイント (ターニング・ポイント) とは、幕と幕の境目にあり、「アクションを起こさせ、物語を違う方向性に向かわせる事件やエピソードなど」を指している<ref>[[#フィールド]] pp. 22 f.</ref>。

=== シガーの分類 ===
著名な{{仮リンク|スクリプト・ドクター|en|Script doctor}}である{{仮リンク|リンダ・シーガー|label=リンダ・シガー (シーガー)|en|Linda Seger}}<ref>[[#シガー]] 奥付。</ref>は、アイディアを整理する方法として、アウトライン、トリートメント、およびライターズ・ノートを挙げている<ref>[[#シガー]] pp. 25-30.</ref>。

==== アウトライン ====
'''アウトライン'''は、それぞれのシーンを数行で書き出したものである。実際の脚本に最も近い段階であり、シガーによれば、これだけで脚本を書き始めることが出来る。以下は『[[アナと雪の女王]]』('13) の冒頭の例<ref>{{Citebook|last=Lee|first=Jennifer|title=FROZEN|url=http://waltdisneystudiosawards.com/downloads/frozen-screenplay.pdf|format=PDF|accessdate=2014-06-23|date=2013-09-23|publisher=the Walt Disney Animation Studios|language=English|pages=2-8.}}</ref>である〔出典の例を改変〕<ref>ここまで。[[#シガー]] pp. 25 f.</ref>。
# 魔法の雪遊び。ここでアナとエルサを設定する。
# アナとエルサの関係を固める。
# アナがエルサの氷の魔法を頭に受ける。
# [[トロール]]の長老の忠告。アナは記憶を消される。
# 国王は姉妹を引き離す。エルサは部屋に隠される。

==== トリートメント ====
'''トリートメント'''は、 ストーリーがどのように始まり、どのような対立、衝突があり、どのように終わるのかを要約した文章である〔編者注: ここでいうトリートメントは、プロットとほぼ同様のものを指している〕。トリートメントには、ストーリーの短いあらすじ (シノプシス) との大きな違いはない。トリートメントは、ストーリーラインの流れを論理的に書くものである。そのため、トリートメントによって、ストーリーの問題点が明確になる。一方で、脚本家は、満足するまでストーリーラインを自由にリライト (書き直し) できる。トリートメントの枚数は通常、8-15ページである。アメリカにおいても、製作者の依頼により、脚本の要約としてトリートメントを求められる場合がある。その場合は、通常、5-12ページである<ref>ここまで。[[#シガー]] pp. 26-28.</ref>。

==== ライターズ・ノート ====
'''ライターズ・ノート'''は、キャラクターの掘り下げを行うノート〔以下ノート〕である。ノートは、キャラクターの内面を描写し、それにより、キャラクターの言動を理解するツールになる。ノートでは、キャラクターの人物描写、行動、人間関係、収入、家族構成、および学歴/学校歴などといった種々の情報が明確にされる。書き手の知人の中に、キャラクターと似ている点を見出すことも方法の一つである。また、ノートによって作品のテーマを考察することも出来る (テーマがキャラクターに与える影響など)。前述のトリートメントは主にストーリーの推敲<small>(すいこう)</small>に用いられる。それに対して、ノートはキャラクター (またはテーマ) を理解することが主な目的である<ref>ここまで。[[#シガー]] pp. 28-30.</ref>。

=== カード ===

== 歴史 ==
[[File:Freytags_pyramid.svg|thumb|right|256px|[[グスタフ・フライターク|フライターク]]のピラミッド (三角形)。]]
[[File:Three_Act_Structure.svg|thumb|right|400px|[[三幕構成]]の見取り図。]]
<!--(編者注: 出典がありません。)
元々は、単に筋に関連する出来事がひとつの形を形成したもののことをプロットと呼んだ。
-->
[[紀元前4世紀]]、[[古代ギリシア]]の[[哲学|哲学者]][[アリストテレス]]が『[[詩学 (アリストテレス)|詩学]]』の中で既に、「始まり」「中間」「終わり」の3つの部分にドラマを「分割」し、それをドラマに共通の構造として述べている (1450b)<ref>Perseus Digital Library (2006). [http://www.perseus.tufts.edu/cgi-bin/ptext?lookup=Aristot.+Poet.+1450b Aristotle, ''Poetics'']</ref>。
<!--(編者注: 出典がありません。)
この基本的な意味でのプロットという用語は、現代でも小説などの創作の現場でよく使われ、[[物語]]を作るときの設計図・構想のことを指す。物語のあらすじ、登場人物の設定や相関図、事件、小道具、[[世界観]]などがプロットに含まれる。
-->

[[1863年]]、ドイツの作家[[グスタフ・フライターク]]は、 "Die Technik des Dramas" (戯曲の技法) で、アリストテレスの悲劇論をベースにしながら、画期的な理論を打ち出した ('''フライタークのピラミッド''')。フライタークは、ドラマを5つの部分に「分割」し、なおかつ、それぞれの部分の「機能」を定義した。すなわち、「序幕」「上昇」「クライマックス」「下降」「破局」がその5段階である。フライタークによれば、悲劇はクライマックスを頂点とする三角形の構造を持つ。そのストーリーはクライマックスで上昇から下降へと反転し、結末の破局に向かう。フライタークの分析は、そのまま5幕の演劇に対応している<ref>ここまで。{{Cite journal|author=松永, 知子|title=ドラマの叙事化について|journal=文教大学紀要|volume=11|page=143.|publisher=文教大学|date=1978-03|language=Japanese|url=http://sucra.saitama-u.ac.jp/modules/xoonips/detail.php?id=BKK0001459|accessdate=2014-07-11}}</ref>。映画において[[三幕構成#ミッドポイント|ミッドポイント]] (中間点) から始まる主人公の転落は、フライタークのピラミッド (三角形) に代表される古典劇の構成を継承したものである<ref>{{Cite web|work=シネマセンス|title=中間点|publisher=[[アールト大学]] (旧[[ヘルシンキ芸術デザイン大学]])|language=Japanese|accessdate=2014-07-11|url=http://elokuvantaju.uiah.fi/nihon_go/kyoozai/kyakuhon/chuukanten.jsp|archivedate=2014-07-10|archiveurl=https://web.archive.org/web/20140710210444/http://elokuvantaju.uiah.fi/nihon_go/kyoozai/kyakuhon/chuukanten.jsp}}</ref>。


[[1979年]]、アメリカの脚本家[[シド・フィールド]]は、映画のストーリーを3つの部分に「分割」し、また、その3つの部分の「機能」を分類した。これは映画に共通する基礎を分析したものであり、'''[[三幕構成]]''' (Three-act structure) と呼ばれる<ref>ここまで。「訳者あとがき」 [[#フィールド]] p. 346.</ref><ref>ここまで。[[#フィールド]] pp. 15-27.</ref>。映画における三幕構成では、映画は3つの幕 (act) に分けられ、それぞれの幕は「設定」「対立」<ref>{{Cite web|url=http://sydfield.com/writers-tools/the-paradigm-worksheet/|title=THE PARADIGM WORKSHEET|accessdate=2014-03-27|last=Field|first=Syd|year=2013|publisher=sydfield.com|language=English|archivedate=2013-09-06|archiveurl=http://web.archive.org/web/20140327003711/http://sydfield.com/writers-tools/the-paradigm-worksheet/|ref=paradigm}}</ref>「解決」の役割を持っている<ref>[[#フィールド]] pp. 17-22.</ref>。幕と幕はプロットポイント (転換点) でつながっている<ref>[[#フィールド]] p. 23.</ref>。このモデルは分析のツールとしての有効性が認められ、映画の制作においては、三幕構成に基づいて脚本を作成することが一般的になっている<ref>{{Cite web|work=シネマセンス|title=構造|publisher=[[アールト大学]] (旧[[ヘルシンキ芸術デザイン大学]])|language=Japanese|accessdate=2014-04-29|url=http://elokuvantaju.uiah.fi/nihon_go/kyoozai/kyakuhon/kouzou.jsp|archivedate=2014-04-28|archiveurl=https://web.archive.org/web/20140428020425/http://elokuvantaju.uiah.fi/nihon_go/kyoozai/kyakuhon/kouzou.jsp}}</ref><ref>{{Cite web|work=シネマセンス|title=幕|publisher=[[アールト大学]] (旧[[ヘルシンキ芸術デザイン大学]])|language=Japanese|accessdate=2014-04-26|url=http://elokuvantaju.uiah.fi/nihon_go/kyoozai/kyakuhon/maku.jsp|archivedate=2014-04-26|archiveurl=https://web.archive.org/web/20140426012928/http://elokuvantaju.uiah.fi/nihon_go/kyoozai/kyakuhon/maku.jsp}}</ref>。
[[純文学]]や[[短編小説]]では、プロットらしいプロットのない作品も少なからずあるが、[[エンターテインメント]]や[[長編小説]]などの構成力を必要とする創作では、プロットを練ることが不可欠であると考えられている。ただし、[[スティーヴン・キング]]のように、プロット無しで長編エンターテインメント小説を書き、大成した作家もいないわけではない。


== 諸論 ==
== 脚注 ==
=== 注釈 ===
元々は、単に筋に関連する出来事がひとつの形を形成したもののことをプロットと呼んだ。[[紀元前4世紀]]、[[古代ギリシア]]の[[哲学者]][[アリストテレス]]が『 [[詩学 (アリストテレス)|詩学]]』の中で既に「始め・中・終り」の3つに区分するという基本的なプロットについて述べている( 「[[三幕構成]]」)。この基本的な意味でのプロットという用語は、現代でも小説などの創作の現場でよく使われ、[[物語]]を作るときの設計図・構想のことを指す。物語のあらすじ、登場人物の設定や相関図、事件、小道具、[[世界観]]などがプロットに含まれる。
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=== 出典 ===
プロットとストーリーについては、[[イギリス]]の[[作家]][[E・M・フォースター]]が[[1927年]]に発表した『小説の諸相』での解説が有名である。
{{reflist|2}}


== 参考文献 ==
* {{Cite book|和書|author={{仮リンク|リンダ・シーガー|label=リンダ・シガー (リンダ・シーガー)|en|Linda Seger}}|title=ハリウッド・リライティング・バイブル|publisher=愛育社|year=2000|isbn=4750000655|language=Japanese|ref=シガー}}
* {{Cite book|和書|author=[[シド・フィールド]]|title=映画を書くためにあなたがしなくてはならないこと: シド・フィールドの脚本術|publisher=フィルムアート社|year=2009|isbn=4845909278|language=Japanese|ref=フィールド}}
* {{Cite book|和書|author=[[シド・フィールド]]|title=素晴らしい映画を書くためにあなたに必要なワークブック: シド・フィールドの脚本術2|publisher=フィルムアート社||year=2012|isbn=4845911779|language=Japanese|ref=フィールドII}}
== 関連項目 ==
== 関連項目 ==
{{Wiktionary|plot}}
{{Wiktionary|plot}}
* [[文学]]
* [[三幕構成]]
* [[三幕構成]]
* [[起承転結]]
* [[起承転結]]
* [[序破急]]
* [[語り手]]


{{Narrative}}
{{Narrative}}

2014年7月12日 (土) 09:06時点における版

プロット (英語: plot) とは、ストーリーの要約である。プロットは、出来事を原因と結果の順序で並べた文章である。原因と結果の順序とは、「XによってYが起こり、YによってZが起こる」という並びである。このとき、因果関係にない出来事は省略されるため、プロットは出来事の要約になる。「王女は雪山に逃げた女王を追う。だから、王女は雪山で女王を見つける」[1]はプロットである。一方で、ストーリーは、出来事を起こる時間の順序どおり、省略せずに並べた文章であり、プロットとは区別される。「王女は雪山に逃げた女王を追う。それから、女王は魔法で氷の城を建てる」[2]はストーリーである。このように、「だから」で出来事のつながるものがプロットであり、ただ単に「それから」でつながるものがストーリーである。すなわち、プロットは論理であり、ストーリーは時間である。プロットは時間ではないが、「始まり」「中間」「終わり」があり、それら3つの部分は、原因と結果の関係で結びついている[3][4][5]。映画などのプロット (トリートメント英語版) は通常、そのような「三幕構成」に基づいており、また、後述するプロットポイント (転換点) が追加される[6]

概要

プロットによって、ストーリーが要約され、その全体像を把握することが可能になる[7]。プロットは、時間軸にしたがっているとは限らないが、出来事の原因と結果、すなわち因果関係で最初から最後までつながっている。A⇢B⇢C までがストーリーとすれば、A によって C が起こり、かつ、B が C とは直接に関係がないとき、 B を省いた A→C がプロットである。例えば、「王子が靴を手がかりにシンデレラを探す」「靴はシンデレラの意地悪な姉たちの足には合わない」「靴が足に合ったのは王国でシンデレラだけである」というストーリーのうち、靴が姉たちの足に合わないという出来事は、プロットでは省略される。また、映画『タイタニック』('97) では、ストーリーの上で、主人公が船首で両腕を広げる場面や、楽団が船の沈むまで演奏を続ける場面といった有名なシーンがあるが、それらは以降の出来事に影響しないため、プロットでは重視されない。プロットは原因と結果の連鎖である[8][9][10][11]。プロットとストーリーについては、イギリスの作家E・M・フォースター1927年に発表した『小説の諸相』での解説が有名である[12]

プロットは、脚本などを執筆する前に、ストーリーの大まかな構成が分かるようにするために書かれる。日本の映画産業では、プロットは、脚本家自らの執筆のためだけの文章ではなく、企画書に添付してプロデューサーに提出される。この場合のプロットは、製作者が読むことを前提としたビジネス文書である。そのとき、プロットの枚数は、ワープロで1枚ほどの梗概 (シノプシス) から、同30枚以上まで様々である。脚本家の斉藤ひろしは、日本では、コンクールに応募するときにはワープロで1-2枚程度、新人がプロデューサーに企画を持ち込むときには同5-10枚程度が望ましいとしている[13]

形式

フィールドの分類

三幕構成を理論化した脚本家、脚本指導者のシド・フィールド[14]によれば、あらすじには、「要約」と「再現」の2種類がある。要約は、大まかに出来事の流れをまとめたものである〔編者注: これがプロットにあたる〕。

女王は生まれ持った魔法の力をコントロールできなくなる。秘密にしていた魔法の力が公になる。女王は山に逃れ、そこで孤独に暮らそうとする[15]

再現は、出来事をありのまま具体的に描写することである〔編者注: これがストーリーにあたる〕。

夜。切り立った雪山の峰を1人で登る若い女王。小雪が降っている。女王は手袋を捨てて氷の魔法を使い始める。雪だるまが作られる。女王がマントを脱ぐ。魔法によって崖に氷の橋がかかる。女王はその橋を渡った後、氷の城を造り始める。女王を中心にして氷の柱と床がせり上がってくる。氷の天井とシャンデリラが出来る。女王は冠を外し、青白色のドレスの姿に変身する。女王は城のバルコニーに出て朝日の光を浴びる[16]

このように、要約と再現は対照をなすものである〔以上、出典の例を改変〕[17]

フィールドは、あらすじを4ページで書くように指導していた。そのうち、ストーリーを連結する4つの重要ポイントでは「再現」、それ以外の部分では「要約」が用いられる。4つの重要ポイントとは、オープニング、プロットポイント I, II、およびエンディングの4つである[18][注釈 1]。プロットポイント (ターニング・ポイント) とは、幕と幕の境目にあり、「アクションを起こさせ、物語を違う方向性に向かわせる事件やエピソードなど」を指している[19]

シガーの分類

著名なスクリプト・ドクター英語版であるリンダ・シガー (シーガー)英語版[20]は、アイディアを整理する方法として、アウトライン、トリートメント、およびライターズ・ノートを挙げている[21]

アウトライン

アウトラインは、それぞれのシーンを数行で書き出したものである。実際の脚本に最も近い段階であり、シガーによれば、これだけで脚本を書き始めることが出来る。以下は『アナと雪の女王』('13) の冒頭の例[22]である〔出典の例を改変〕[23]

  1. 魔法の雪遊び。ここでアナとエルサを設定する。
  2. アナとエルサの関係を固める。
  3. アナがエルサの氷の魔法を頭に受ける。
  4. トロールの長老の忠告。アナは記憶を消される。
  5. 国王は姉妹を引き離す。エルサは部屋に隠される。

トリートメント

トリートメントは、 ストーリーがどのように始まり、どのような対立、衝突があり、どのように終わるのかを要約した文章である〔編者注: ここでいうトリートメントは、プロットとほぼ同様のものを指している〕。トリートメントには、ストーリーの短いあらすじ (シノプシス) との大きな違いはない。トリートメントは、ストーリーラインの流れを論理的に書くものである。そのため、トリートメントによって、ストーリーの問題点が明確になる。一方で、脚本家は、満足するまでストーリーラインを自由にリライト (書き直し) できる。トリートメントの枚数は通常、8-15ページである。アメリカにおいても、製作者の依頼により、脚本の要約としてトリートメントを求められる場合がある。その場合は、通常、5-12ページである[24]

ライターズ・ノート

ライターズ・ノートは、キャラクターの掘り下げを行うノート〔以下ノート〕である。ノートは、キャラクターの内面を描写し、それにより、キャラクターの言動を理解するツールになる。ノートでは、キャラクターの人物描写、行動、人間関係、収入、家族構成、および学歴/学校歴などといった種々の情報が明確にされる。書き手の知人の中に、キャラクターと似ている点を見出すことも方法の一つである。また、ノートによって作品のテーマを考察することも出来る (テーマがキャラクターに与える影響など)。前述のトリートメントは主にストーリーの推敲(すいこう)に用いられる。それに対して、ノートはキャラクター (またはテーマ) を理解することが主な目的である[25]

カード

歴史

ファイル:Freytags pyramid.svg
フライタークのピラミッド (三角形)。
三幕構成の見取り図。

紀元前4世紀古代ギリシア哲学者アリストテレスが『詩学』の中で既に、「始まり」「中間」「終わり」の3つの部分にドラマを「分割」し、それをドラマに共通の構造として述べている (1450b)[26]

1863年、ドイツの作家グスタフ・フライタークは、 "Die Technik des Dramas" (戯曲の技法) で、アリストテレスの悲劇論をベースにしながら、画期的な理論を打ち出した (フライタークのピラミッド)。フライタークは、ドラマを5つの部分に「分割」し、なおかつ、それぞれの部分の「機能」を定義した。すなわち、「序幕」「上昇」「クライマックス」「下降」「破局」がその5段階である。フライタークによれば、悲劇はクライマックスを頂点とする三角形の構造を持つ。そのストーリーはクライマックスで上昇から下降へと反転し、結末の破局に向かう。フライタークの分析は、そのまま5幕の演劇に対応している[27]。映画においてミッドポイント (中間点) から始まる主人公の転落は、フライタークのピラミッド (三角形) に代表される古典劇の構成を継承したものである[28]

1979年、アメリカの脚本家シド・フィールドは、映画のストーリーを3つの部分に「分割」し、また、その3つの部分の「機能」を分類した。これは映画に共通する基礎を分析したものであり、三幕構成 (Three-act structure) と呼ばれる[29][30]。映画における三幕構成では、映画は3つの幕 (act) に分けられ、それぞれの幕は「設定」「対立」[31]「解決」の役割を持っている[32]。幕と幕はプロットポイント (転換点) でつながっている[33]。このモデルは分析のツールとしての有効性が認められ、映画の制作においては、三幕構成に基づいて脚本を作成することが一般的になっている[34][35]

脚注

注釈

  1. ^ 一方で、脚本家で俳優のウェンデル・ウェルマンは、プロットを作成する段階において、プロットポイント I、ミッドポイント (中間点)、およびプロットポイント II という中間部の三大転換シーンからまず決めることを提案している。その結果、残りのプロット作成は、楽しく容易なものになるという (ウェンデル・ウェルマン 『映画ライターズ・ロードマップ: “プロット構築”最前線の歩き方』 フィルムアート社、2005年、144頁。)。

出典

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  2. ^ Lee, Jennifer (2013-09-23) (English) (PDF). FROZEN. the Walt Disney Animation Studios. pp. 35-38.. http://waltdisneystudiosawards.com/downloads/frozen-screenplay.pdf 2014年6月23日閲覧。 
  3. ^ ここまで。ジェラルド・プリンス(Japanese)『物語論辞典』(増補版)松柏社〈松柏社叢書〉、1997年7月。ISBN 978-4881988763 
  4. ^ ここまで。Dibell, Ansen (1999-08) (English). Plot. Elements of Fiction Writing. Writer's Digest Books. p. 6.. ISBN 978-0898799460 
  5. ^ ここまで。Joan Vinall-Cox, Ph.D.. “Story Includes Plot” (English). 2014年5月30日時点のオリジナルよりアーカイブ。2014年7月12日閲覧。
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  7. ^ Jenna Blum, 2013, The Modern Scholar published by Recorded Books, The Author at Work: The Art of Writing Fiction, Disk 1, Track 10, ISBN 978-1-4703-8437-1
  8. ^ ここまで。ジェラルド・プリンス(Japanese)『物語論辞典』(増補版)松柏社〈松柏社叢書〉、1997年7月。ISBN 978-4881988763 
  9. ^ ここまで。Dibell, Ansen (1999-08) (English). Plot. Elements of Fiction Writing. Writer's Digest Books. p. 6.. ISBN 978-0898799460 
  10. ^ ここまで。Joan Vinall-Cox, Ph.D.. “Story Includes Plot” (English). 2014年5月30日時点のオリジナルよりアーカイブ。2014年7月12日閲覧。
  11. ^ ここまで。Chapman, Harvey. “What Is a Plot In a Novel?” (English). Novel Writing Help. Novel-Writing-Help.com. 2014年7月11日時点のオリジナルよりアーカイブ。2014年7月11日閲覧。
  12. ^ ブリタニカ国際大百科事典』 「小項目事典」 Britannica Japan Co., Ltd. 「プロット plot」の頁。
  13. ^ ここまで。斉藤ひろし(Japanese)『斉藤ひろしのシナリオ教室: 1週間でマスター』雷鳥社、2006年3月15日、82 f.頁。ISBN 978-4844134480 
  14. ^ 「訳者あとがき」 #フィールド p. 346.
  15. ^ ここまで。Lee, Jennifer (2013-09-23) (English) (PDF). FROZEN. the Walt Disney Animation Studios. pp. 32-38.. http://waltdisneystudiosawards.com/downloads/frozen-screenplay.pdf 2014年6月23日閲覧。 
  16. ^ ここまで。Lee, Jennifer (2013-09-23) (English) (PDF). FROZEN. the Walt Disney Animation Studios. pp. 36-38.. http://waltdisneystudiosawards.com/downloads/frozen-screenplay.pdf 2014年6月23日閲覧。 
  17. ^ ここまで。#フィールドII pp. 70 f.
  18. ^ ここまで。#フィールドII pp. 65, 68-76.
  19. ^ #フィールド pp. 22 f.
  20. ^ #シガー 奥付。
  21. ^ #シガー pp. 25-30.
  22. ^ Lee, Jennifer (2013-09-23) (English) (PDF). FROZEN. the Walt Disney Animation Studios. pp. 2-8.. http://waltdisneystudiosawards.com/downloads/frozen-screenplay.pdf 2014年6月23日閲覧。 
  23. ^ ここまで。#シガー pp. 25 f.
  24. ^ ここまで。#シガー pp. 26-28.
  25. ^ ここまで。#シガー pp. 28-30.
  26. ^ Perseus Digital Library (2006). Aristotle, Poetics
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  28. ^ 中間点” (Japanese). シネマセンス. アールト大学 (旧ヘルシンキ芸術デザイン大学). 2014年7月10日時点のオリジナルよりアーカイブ。2014年7月11日閲覧。
  29. ^ ここまで。「訳者あとがき」 #フィールド p. 346.
  30. ^ ここまで。#フィールド pp. 15-27.
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  32. ^ #フィールド pp. 17-22.
  33. ^ #フィールド p. 23.
  34. ^ 構造” (Japanese). シネマセンス. アールト大学 (旧ヘルシンキ芸術デザイン大学). 2014年4月28日時点のオリジナルよりアーカイブ。2014年4月29日閲覧。
  35. ^ ” (Japanese). シネマセンス. アールト大学 (旧ヘルシンキ芸術デザイン大学). 2014年4月26日時点のオリジナルよりアーカイブ。2014年4月26日閲覧。

参考文献

関連項目