「夢オチ」の版間の差分

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→‎夢オチの作品: 「部分的にしか夢オチでない」「厳密には夢オチでない」と明記ある物を除去;ノート参照。
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=== 小説・童話 ===
=== 小説・童話 ===
* [[銀河鉄道の夜]]
* [[銀河鉄道の夜]]
* [[中井英夫|とらんぷ譚]]
*:連作であるが、「幻想博物館」をはじめ数編の作品に夢オチが見られる。
* [[不思議の国のアリス]]
* [[不思議の国のアリス]]
* [[蟲と眼球シリーズ]]
* [[蟲と眼球シリーズ]]
* [[青い鳥]]
* [[青い鳥]]
* [[はれときどきぶた]]シリーズ([[ぼくへそまでまんが]]、[[ゆめからゆめんぼ]])


=== 映画 ===
=== 映画 ===
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* [[ファイト・クラブ]]
* [[ファイト・クラブ]]
* [[未来世紀ブラジル]]
* [[未来世紀ブラジル]]
* [[惑星ソラリス]]
* [[惑星アドベンチャー 火星人襲来]]
* [[惑星アドベンチャー 火星人襲来]]
* [[紅い眼鏡]]
* [[紅い眼鏡]]
* [[トーキングヘッド]]
* [[トーキングヘッド]]
* [[アヴァロン (映画)]]
* [[アヴァロン (映画)]]
* [[サイレン ~FORBIDDEN SIREN~]]
*:正確にはヒロインの妄想オチ。原作ゲームと全く関係の無いストーリーと展開、背景設定をしてしまった為に原作([[SIREN]]、及び、[[SIREN2]])のファンから大きな非難を浴びる結果になった。
* [[オープン・ユア・アイズ]]
* [[オープン・ユア・アイズ]]
* [[バニラ・スカイ]] ※オープン・ユア・アイズのリメイク作品
* [[バニラ・スカイ]] ※オープン・ユア・アイズのリメイク作品
* [[アメリカン・サイコ]]
* [[アメリカン・サイコ]]
* [[マルホランド・ドライブ]]
* [[マルホランド・ドライブ]]
方もある。
* [[ロスト・ハイウェイ]]
*:最後の2作はどこまでが夢でどのシーンから現実なのか分からない作りになっており、厳密には夢オチではないという見方もある。
* [[3-4X10月]]
* [[3-4X10月]]
*:最後に[[柳ユーレイ]]が球場のトイレから出てくるのがオチ。
*:最後に[[柳ユーレイ]]が球場のトイレから出てくるのがオチ。
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* [[超光戦士シャンゼリオン]]
* [[超光戦士シャンゼリオン]]
*:劇中の描写を見ただけでは夢オチと判断しづらい場合もあるが、[[脚本]]の[[井上敏樹]]が「夢オチのつもりで書いた」と語っている。また夢オチ的要素を含むがゆえに最終話がとてつもなく衝撃的な展開となったことでも知られる。
*:劇中の描写を見ただけでは夢オチと判断しづらい場合もあるが、[[脚本]]の[[井上敏樹]]が「夢オチのつもりで書いた」と語っている。また夢オチ的要素を含むがゆえに最終話がとてつもなく衝撃的な展開となったことでも知られる。
* [[キャプテン・スカーレット]]
*:イギリスにおける第31話が夢オチだが、日本ではこれが最終エピソードとして放映された。そのため日本では「どうしようもない最終回で、イギリスでもこんな最終回が放映された」と思い込んでいた視聴者も多い。なお同一スタッフ作品『[[海底大戦争 スティングレイ]]』にも夢オチの話がある。
* [[地球防衛軍テラホークス]]
*:最終回の絶体絶命が、実はキャラクター(マスコットロボット)の見ていた夢であった。
* [[ウルトラQ]]
*:第17話「1/8計画」 - ヒロインが階段から転げ落ちて、気絶した間に見たことがストーリーの大半を占める。
* [[ウルトラマンダイナ]]
*:第42話「うたかたの空夢」
* [[行け!ゴッドマン]]
*:第26回ゴッドマン対イボギラーその4~その6 - ゴットマンがピンチに陥るが、戦い自体が登場人物の夢だった。
* [[未来戦隊タイムレンジャー]]
*:「Case File 38 ぐっどないと」
* [[爆竜戦隊アバレンジャー]]
*:「第44話 サラリーマンはアバレ仕掛けの夢を見るか?」
* [[相棒]] Season6
*:第17話「新・Wの悲喜劇」


=== 漫画・アニメ ===
=== 漫画・アニメ ===
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* [[あぶさん]]
* [[あぶさん]]
*:現実とほぼリアルタイムに連載が進行するため[[福岡ソフトバンクホークス|ホークス]]が[[パシフィックリーグ|パ・リーグ]]を制した時点で[[日本選手権シリーズ|日本シリーズ]]の物語を始めるも現実には[[プレーオフ]]で敗退したため日本シリーズの物語は夢として処理された。
*:現実とほぼリアルタイムに連載が進行するため[[福岡ソフトバンクホークス|ホークス]]が[[パシフィックリーグ|パ・リーグ]]を制した時点で[[日本選手権シリーズ|日本シリーズ]]の物語を始めるも現実には[[プレーオフ]]で敗退したため日本シリーズの物語は夢として処理された。
* [[らんま1/2 熱闘編]] (45回放送「乱馬、ついに呪泉郷へ行く」)
* [[うる星やつら]] (アニメ版 78回放送「みじめ! 愛とさすらいの母!?」)
* [[うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー]](劇場アニメ)
* [[うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー]](劇場アニメ)
*:夢オチとしては変則型で、制作側の談では「胡蝶の夢」がヒントになっているとされているが内容は大きく異なる。
*:夢オチとしては変則型で、制作側の談では「胡蝶の夢」がヒントになっているとされているが内容は大きく異なる。
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*:また最終話は今までの話が主人公のモノローグ形式で物語が進んでいきヒロインと親族が家族崩壊を目論むペテン師という方向で物語が進んでいくが主人公が無銭飲食するための嘘。
*:また最終話は今までの話が主人公のモノローグ形式で物語が進んでいきヒロインと親族が家族崩壊を目論むペテン師という方向で物語が進んでいくが主人公が無銭飲食するための嘘。
*:話であることが発覚するも実はそれも突然いなくなったヒロインを探す主人公がトラックの中で見ていたというオチも用意されている。
*:話であることが発覚するも実はそれも突然いなくなったヒロインを探す主人公がトラックの中で見ていたというオチも用意されている。
* [[代紋TAKE2]]
*:正確には[[コンピュータゲーム]]の世界であったというオチ。
* [[かってに改蔵]]
*:正確には「箱庭病棟」オチ。
* [[ゲゲゲの鬼太郎]]
*:普通の人間が妖怪や死者の世界を垣間見る話の場合、その出来事が(その人にとって)夢だったとも取れる演出が為されることが多い(「幽霊電車」「地獄マラソン」など)。また、「週刊実話」連載時には鬼太郎やねずみ男の見た夢または妄想というオチの話が多数ある。
* [[ケロロ軍曹 (アニメ)|ケロロ軍曹]] (アニメ第110話Bパート、第135話Bパート)
* [[さよなら絶望先生]] (原作47話・アニメ二期6話Bパート「夢無し芳一の話」)
*:最初から夢オチと宣言された上で物語が進む。
* [[ツバサ-RESERVoir CHRoNiCLE-]]
*:桜花国編。実際は桜花国の娯楽施設にある一つのアトラクションであった。ゲームから離脱する際、後に重要な役割を持つアイテムを手にする。
* [[東京大学物語]]
*:正確には妄想オチ。主人公が超人的ともいえる明晰な頭脳の持ち主であるため、妄想とはいえ一瞬である。
* [[ドラえもん]] (てんとう虫コミックス5巻「うつつまくら」)
*:夢を夢と認識した上で多様な世界を巡るため逆転構造は存在しない。同作で言えば「もしもボックス」を使用した時のような平行世界ものに近い。
* [[ドラえもん のび太と夢幻三剣士]]
*:本作は「夢の世界」に入り込んで有能な剣士として戦う主人公たちの活躍を描いたもので、作中人物は夢を夢と認識した上で行動している。さらに言えば世界そのものは主人公らの住む世界や意識と独立した時間を持つファンタジー風世界であり、夢オチと言うよりは異世界冒険譚(同じドラえもん長編映画で言えば「宇宙開拓史」)と言える。
*:「宇宙開拓史」は原作者が話を描いたもので、また作者の別作品中にも類似した構造の話が多数見られる。
*:上記の「宇宙開拓史」以外では「のび太のアニマル惑星」などがこれにあたる。
*:(以下重大な展開部分を含む)またアニマル惑星の作中には眠った後でピンクの煙に包まれて異世界に行くのを登場人物が夢だと思いこんでいる場面があり、ある意味で夢オチとは逆の構造を持っている。
* [[泣くようぐいす]]
* [[泣くようぐいす]]
*:夢オチ&連載打ち切りによるバッドエンド。
*:夢オチ&連載打ち切りによるバッドエンド。
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*:ヒロインが見ていた夢の中で起きた出来事と解釈される。ただし諸事情による意図的な時間軸のループが繰り返された作品であるため、最終回も同様に第1話にループするオチとする評もある([[新沢基栄|作者]]は「『夢オチ』と解釈されるのは心外」と述べており、ループオチであることを示唆するような描写を加筆している)。なお、明らかな夢オチとしては『3年奇面組』に「主人公の夢」というオチの番外編があり、終盤にも夢オチのエピソードがある。
*:ヒロインが見ていた夢の中で起きた出来事と解釈される。ただし諸事情による意図的な時間軸のループが繰り返された作品であるため、最終回も同様に第1話にループするオチとする評もある([[新沢基栄|作者]]は「『夢オチ』と解釈されるのは心外」と述べており、ループオチであることを示唆するような描写を加筆している)。なお、明らかな夢オチとしては『3年奇面組』に「主人公の夢」というオチの番外編があり、終盤にも夢オチのエピソードがある。
* [[洗礼 (漫画)|洗礼]]
* [[洗礼 (漫画)|洗礼]]
* [[勇者警察ジェイデッカー]] (第40話)
* [[星のカービィ (アニメ)|星のカービィ]] (アニメ版第96話後半から97話前半、パイロット版)
* [[名探偵コナン (アニメ)#|名探偵コナン コナンvsキッドvsヤイバ 宝刀争奪大作戦!]]
* [[ONE PIECE 麦わら劇場]]の「仁義ないTIME」
*:物語にまるで絡んでいないモアイが見た夢というオチ。
* [[エンジェル伝説]]
*:後半のエピソードの1話で、ファンタジー映画を見た主人公が居眠りをすると映画世界の勇者になって冒険する夢を見る。ただしすぐに夢だと気付いて行動する上、何度も途中で目覚めて中断されるためにメタフィクションがループするという連続する夢オチの話がある。
* [[宇宙家族カールビンソン]]
*:「夢から覚めたと思ったらそれも夢だった」というギャグマンガやホラー映画で多用される形式の夢オチ(自身の存在を虚構ではないかと疑うような)が出てくる。[[あさりよしとお]]はこの手のオチを好んで用いており、「まんがサイエンス」収録の夢の話でも、同様のオチが見られる。
*[[骨の音]] ※重大な展開部分を含む
*:[[岩明均]]の短編集。この中の一編に「夢の中で女性を殺す姿を見る」男の話が登場する。果たして彼は殺人者なのか?上記2つのような構造の「夢オチ」は追記部分の夢=虚構というメタ構造的な認識をトリックに利用した心理サスペンスとも言える。
*[[地獄先生ぬ〜べ〜]] 第137話「次元妖怪 まくらがえし」
*:この話は、分類上は夢オチの一つであり、まくらがえしという妖怪が、眠っている子供に虚構の世界を体験させるというもので、読者には予めこれから主人公が体験することがメタ世界であることを告げている。しかしながら、最終的にこの体験は本当にパラレルワールドに飛ばされた上での実体験だったのか、それとも単なる夢(フィクション)だったのか、その結論を曖昧にすることで、本作で特に告げたかった主旨をあぶり出す構成となっており、高度な構成技術が見られる。同作品の中でも特に評判の高い名作であり、アニメ版の最終話にも用いられ、より話の主旨が分かるようにエピソードが加えられた。
*[[平成天才バカボン]] 最終話
*:バカボンのパパ他メインキャラたちが自分たちの映画を見ていたという劇中劇…かと思えばその場面がさらに劇中劇であった…という場面が延々と繰り返されるというループオチ。
*[[ヤッターマン]] (1977年版第38話)
*:ボヤッキーが見た夢オチ。
*[[銀魂]](第89話、第113話)


=== 人形劇 ===
=== 人形劇 ===
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* [[歌月十夜]]
* [[歌月十夜]]
* [[灼眼のシャナ]]PS2、DS版
* [[灼眼のシャナ]]PS2、DS版
* [[涼宮ハルヒの約束]] (エンディングのパターンの1つ)
* [[さよならを教えて 〜comment te dire adieu〜]]
*:正確には精神科の入院患者だった主人公の妄想によるものだったというオチ。


== 関連項目 ==
== 関連項目 ==

2008年11月29日 (土) 07:45時点における版

夢オチ(ゆめオチ、夢落ち)とは落ちの一種で、物語の最後に「それまでの出来事は、じつはすべてだった」という結末を明かして終わること。または、そのような手法のこと。

概要

基本的には伝統・古典に属する手法である。古くは「胡蝶の夢」(中国の古典「荘子」の一節)にみられる。一般にはモーリス・メーテルリンクの「青い鳥」や「枕中記」の「邯鄲の枕」(一炊の夢)などが夢オチの代表的作品として知られている。

もとは作品中に伏線・理由付け、あるいはミスリードを誘うような仕掛けがないと成立しない高度なテクニックであり、短編や一話完結型の作品ではどんでん返しの一つとして高く評価されることもある。また夢の中で見たものや得たものが、目覚めた時に現実に手元にあるという、変形した形の夢オチもよく用いられる。

しかし大抵のケースでは、諸々の事情で強引に物語を終了させるために用いられたり、単に奇をてらう目的で使われるなどの低い次元に留まるものが多く、それまでの世界観や話の流れを根底から覆すことに対しては総じて評判が悪い。

特に長年連載が続いていて読者の多い物語で唐突にこの手法をとると、非難の嵐になることも少なくない。作者側にとっては、一種の「禁じ手」とも言える手法である(雑誌連載の漫画などでは不人気で打ち切りになった場合など、短期間で物語の収拾を無理矢理付けるためこの手法が用いられることが現在でも少なくない。また一話完結の作品では、その回のオチとして使われることがある)。

このように夢オチは一般的にネガティブなイメージが強いため、現在ではストーリー展開の手法として用いられることは少なくなってはいる。

また広義には夢でなくともそれまで構築していた世界・世界観・前提を、最後で一気に崩す手法のことをこう呼ぶこともある。

「夢オチ」は先の広義のようにネガティブに捉えられる面も多いが、そのパターンは古典にみられる「結末に夢であったことを発覚させる」種明かしの構図が主である。

逆に作中人物が最初(または途中)から夢の世界であることをはっきりと認識して行動するメタフィクション構造を持ったシナリオも多数存在する。またそうしたメタ的な夢の世界は、世界観や設定そのものを合理的に変化させる表現方法としても多用される(作中人物の考えや記憶を世界に反映させるなどして強引な設定改変を行わない場合。ご都合主義の言い訳に使われるケースも無論あるが)

更にこの変形として作中人物が寝ぼけるなどして世界=夢と認識して行動するパターンもある(目覚めるとその影響が現実に出ているなどと言った逆転パターン)。この構造を組み込んだタイプのホラー・サイコサスペンスものも数多く存在しており、これらは夢オチと言うよりはメタフィクション構造に近い。


注意:以降の記述には物語・作品・登場人物に関するネタバレが含まれます。免責事項もお読みください。


夢オチの作品

落語

小説・童話

映画

方もある。

テレビドラマ・特撮

漫画・アニメ

  • 青いブリンク(アニメ)
  • あずまんが大王(劇場アニメ)
  • あぶさん
    現実とほぼリアルタイムに連載が進行するためホークスパ・リーグを制した時点で日本シリーズの物語を始めるも現実にはプレーオフで敗退したため日本シリーズの物語は夢として処理された。
  • うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー(劇場アニメ)
    夢オチとしては変則型で、制作側の談では「胡蝶の夢」がヒントになっているとされているが内容は大きく異なる。
    「みじめ! 愛とさすらいの母!?」も「ビューティフル・ドリーマー」も登場人物が自分が夢の中にいることに気づき、夢を逆手に取ったような行動を繰り広げる。
  • 御先祖様万々歳!
    死の間際に主人公または何者かが見た夢オチ。主人公の死の間際に蝶が登場する事と最終話のタイトルにより「胡蝶の夢」を暗示させる物になっている。
    また最終話は今までの話が主人公のモノローグ形式で物語が進んでいきヒロインと親族が家族崩壊を目論むペテン師という方向で物語が進んでいくが主人公が無銭飲食するための嘘。
    話であることが発覚するも実はそれも突然いなくなったヒロインを探す主人公がトラックの中で見ていたというオチも用意されている。
  • 泣くようぐいす
    夢オチ&連載打ち切りによるバッドエンド。
  • ハイスクール!奇面組
    ヒロインが見ていた夢の中で起きた出来事と解釈される。ただし諸事情による意図的な時間軸のループが繰り返された作品であるため、最終回も同様に第1話にループするオチとする評もある(作者は「『夢オチ』と解釈されるのは心外」と述べており、ループオチであることを示唆するような描写を加筆している)。なお、明らかな夢オチとしては『3年奇面組』に「主人公の夢」というオチの番外編があり、終盤にも夢オチのエピソードがある。
  • 洗礼

人形劇

  • ぐ〜チョコランタン(2008年夏休みスペシャル 2008年7月21日〜26日放送)
    通常は1日1話放送するところを、1週間かけて放送し、次第にスプーの過去が明らかになっていく…と思いきや、最終日でスプーが見た夢だったというオチ。

ゲーム

関連項目