樹原涼子
きはら りょうこ 樹原 涼子 | |
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生誕 | 熊本県熊本市 |
国籍 | 日本 |
出身校 | 武蔵野音楽大学 |
著名な実績 | ピアノランド(メソッド) |
樹原 涼子(きはら りょうこ)は、日本のピアニスト・作曲家[1]。熊本県熊本市出身[2]。武蔵野音楽大学器楽学科ピアノ専攻卒業[3][4][5]。ピアノを、八戸澄江や有馬俊一、白石百合子らに教わり、ジャズピアノ・編曲・音楽理論などを八城一夫に教わる[5][4][3][2]。 1991年2月から出版され、ロングセラーとなって180万部を超えた、メソッドの「ピアノランド」の著者である[5][4][3][2][6][7][8]。このメソッドは、非常に音楽性を引き出すとしてピアノ教育界で高評価となった[3]。
演奏家や講師以外にも、ゲーム『俺の屍を越えてゆけ』など、メディアへの楽曲提供を行っている[9][8]。
父は元熊本日日新聞の記者にして、『走れ二十五万キロ マラソンの父 金栗四三伝』の著者でもある長谷川孝道であり、2013年の同著の復刻の際には樹原本人も編集に協力している[10]。 また、『俺の屍を越えてゆけ2』に参加した作曲家の樹原孝之介は息子である[11][12]。
作風
[編集]『俺の屍を越えてゆけ』のゲームデザイナーである桝田省治は、樹原の音楽について「いろんな価値基準があると思うんだけど,『古かろうが新しかろうが,いいものはいいという信念』みたいな,普遍性をすごく感じますね。」と4Gamer.netとのインタビューの中で評価すると同時に、「いろんな武器があるんだけど,総攻撃をする必要がないんだよ。」とも話しており、同じ曲でも時間や場所・人員が変わると雰囲気まで変化すると説明している[9]。インタビューに同席していた樹原本人も、ピアノコンサートができるようなホールでは、ピアノソロのみも演奏する場合があると付け加えている[9]。
活動歴
[編集]ピアノランドフェスティバル
2000年より、ピアニスト小原孝をゲストに迎え、毎年夏、各地で開催。
第21回にあたる2020年は、無観客配信の形で行う。
録音応募プロジェクト
2011年、2013年〜2018年まで、全国の子供達から、樹原作品の演奏を録音して応募してもらい、録音審査を経て、公開レッスン、さらに選ばれた子供が、ピアノランドフェスティバルのステージで演奏できる、というプロジェクトを開催。
楽楽子育て応援プロジェクト
2011年から、各地の言い出しっぺさんが企画した、樹原の子育てトーク&コンサートが全国24箇所で開催された。
レッツプレイピアノランド
2013年、2015年に熊本のピアノ講師有志が企画、樹原作品を子供達がステージで演奏して、樹原本人からアドバイスをもらうというコンサートを開催。その後、2018年から各地に広がり、東京、大阪、名古屋などで開催されている。
樹原涼子と名器を巡る旅
- 第1回 ベヒシュタイン(2015年3月)
- 第2回 ShigeruKawai(2015年6月)
- 第3回 ベーゼンドルファー(2015年11月)
- 第4回 ファツィオリ(2016年3月)
《樹原涼子》を弾きたいシリーズ トーク&コンサート
- 第1回 宮谷理香(2017年4月)
- 第2回 舘野泉(2017年11月)
- 第3回 小原孝(2018年5月)
- ツアー(倉敷,大阪,熊本) 宮谷理香(2018年10月)
- ツアー(東京,神戸) 舘野泉(2019年4月)
樹原涼子が直接指導するクラス
[編集]ピアノランドマスターコース
1994年より、ピアノランドメソッドの教え方を著者自ら講義する、連続講座を開催。第1期〜第15期まで、2018年まで、24年間、延べ約510名が受講。
現在は、DVDピアノランドマスターコースとしてリモートで継続中。
樹原涼子のコード塾
2005年より、コードについての20回の連続講座を開催。現在第8期開講中で、DVDでも学べる。延べ約280名が受講。
講師を派遣して行う樹原涼子企画の勉強会
[編集]- ピアノランド勉強会 テキスト:ピアノランドメソッド全て
- “聴きとり術”勉強会 テキスト:『耳を開く 聴きとり術 コード編』
- スケール勉強会 テキスト:『ピアノランド スケール・モード・アルペジオ』
- 即興演奏勉強会 テキスト:『即興演奏 12のとびら 音楽をつくってみよう』
- 樹原涼子曲集勉強会
- 『こころの小箱』『夢の中の夢』『やさしいまなざし』『風 巡る』『時の旅』他
- 芸術劇場(NHK教育)「進化するピアノ教則本」(2005年10月)
- ヒミツのちからんど(NHK教育)「作曲って楽しい!」(2009年2月)
- テレビ寺子屋(テレビ静岡)(2012年/2013年/2015年/2018年/2021年)
連載
[編集]- 月刊誌『ショパン』
- 「涼子のレッスン室」(1996年1月号〜1996年12月号)
- 月刊誌『ムジカノーヴァ』
- 「ようこそ『ピアノランド』へ」(2004年4月号〜2007年3月号)
- 「耳を開く 聴きとり術講座」(2009年4月号〜2010年3月号)
- 「耳を開く 聴きとり術講座 part2」(2010年4月号〜2012年3月号)
- 「耳を開く 聴きとり術講座 コード編」(2012年4月号〜2013年3月号)
- 「耳を開く 聴きとり術講座 コード編 ドミナントモーション編」(2013年4月号〜2014年3月号)
- 「耳を開く 聴きとり術講座 コード編 曲の中のドミナントモーション」(2014年4月号〜2015年3月号)
- 「スケール・モード・アルペジオ 活用法」(2017年9月号〜2018年4月号)
- 「憧れの即興演奏の扉を開こう!」(2018年5月号〜2019年4月号)
- 「樹原涼子の誌上マスタークラス」(2020年8月号〜 連載中)
- 季刊誌『ピアノランドメイト』(ピアノランドメイト会員向け) 創刊 1991年
- 2021年冬現在、紙とwebでvol.112まで発行中
講座名
[編集]- 即興演奏 12のとびら 音楽をつくってみよう
- 連弾&ソロ『ラプソディ第2番』 レクチャーコンサート
- 連弾組曲集『時の旅』セミナー 連弾組曲は、 音楽の喜びそのものだ
- 時代とともに進化をつづける「ピアノランドメソッド」の全貌
- 樹原涼子ピアノ曲集「こころの小箱」レクチャーコンサート
- 樹原涼子ピアノ曲集『夢の中の夢』レクチャーコンサート
- 樹原涼子ピアノ曲集『やさしいまなざし』レクチャーコンサート
- 樹原涼子ピアノ曲集『風 巡る』レクチャーコンサート
- 耳を開く 聴きとり術 コード編
- 『ピアノランド スケール・モード・アルペジオ』で、音楽の美しさと知識とテクニックを手に入れる!
- 必ず成功する二段階導入法の教え方 はじめからプロの音
- 何を弾くにも 手のフォームとペダル! ソナチネの前に身につけたいテクニック 上達への道はここからスタート
- ピアノ発表会で 生徒も先生も輝くための選曲と、演奏のポイント
出版物
[編集]楽譜
[編集]- 『ピアノランド1』音楽之友社/1991年2月
- 『ピアノランド2』音楽之友社/1991年2月
- 『ピアノランド3』音楽之友社/1991年8月
- 『ピアノランド4』音楽之友社/1991年10月
- 『ピアノランド5』音楽之友社/1992年2月
- 『ピアノランドたのしいテクニック上 中央Cから両手5指のポジション』音楽之友社/1993年1月
- 『優しく弾けるたのしい保育の歌 ピアノランドで歌って遊ぼう1・2』音楽之友社/1993年3月
- 『ピアノランドたのしいテクニック中 ポジション移動』音楽之友社/1993年10月
- 『ピアノランドたのしいテクニック下 ダイナミクス・ペダリング・和音』音楽之友社/1994年6月
- 『限定版 樹原涼子のピアノの世界 [第1集 子供達へのバラード]』音楽之友社/1998年5月
- 『ピアノランドコンサート上-1 カンガルーのニーナ』音楽之友社/2000年4月
- 『ピアノランドコンサート中-1 ビッグサマー』音楽之友社/2000年6月
- 『ピアノランドコンサート下-1 子猫のワルツ』音楽之友社/2000年11月
- 『プレ・ピアノランド1 はじめてピアノを弾く前にマスターしたいこと』音楽之友社/2002年3月
- 『プレ・ピアノランド2 ピアノを弾く前にマスターしたいこと』音楽之友社/2002年6月
- 『プレ・ピアノランド3 はじめてピアノを弾くときに』音楽之友社/2002年10月
- 『樹原涼子“The Four Seasons”ベスト・セレクション』リットーミュージック/2005年9月
- 『樹原涼子のみんなでコーラス ともだちになりたい』音楽之友社/2008年7月
- ピアノ曲集『こころの小箱』音楽之友社/2011年7月
- 発表会用ピアノ曲集 改訂版『ピアノランドコンサート上』音楽之友社/2012年7月
- 発表会用ピアノ曲集 改訂版『ピアノランドコンサート中』音楽之友社/2012年7月
- 発表会用ピアノ曲集 改訂版『ピアノランドコンサート下』音楽之友社/2012年7月
- ピアノ曲集『夢の中の夢』音楽之友社/2012年7月
- ピアノ連弾のための『ラプソディ第1番』音楽之友社/2012年8月
- ピアノ曲集『やさしいまなざし』/2013年7月
- 再販『樹原涼子“The Four Seasons”ベスト・セレクション』樹原涼子スタジオ/2013年11月
- 『耳を開く 聴きとり術 コード編』音楽之友社/2014年8月(書籍扱い)
- 『ピアノランド スケール・モード・アルペジオ』音楽之友社/2016年7月
- ピアノ曲集『風 巡る』音楽之友社/2017年8月
- 連弾組曲集『時の旅』音楽之友社/2018年8月
- 『即興演奏 12のとびら 音楽をつくってみよう』音楽之友社/2019年7月(書籍扱い)
- ピアノ連弾&ソロ『ラプソディ第2番』音楽之友社/2020年8月
- 『ピアノランド こどものスケール・ブック』音楽之友社/2021年1月
- 舘野泉 左手のピアノ・シリーズ 『左手のためのピアノ小品集』に「ふたり」「想い出の小箱」収録 音楽之友社/2016年9月
- 舘野泉『左手のためのピアノ珠玉集』に「季節の三部作 1. 萌えいづるとき 2. 濡れた紫陽花 3. 椿 散る」収録 音楽之友社/2020年5月
書籍
[編集]- 『ピアノを教えるってこと、習うってこと』音楽之友社/2006年7月
- 『いきなり&もう一度! 才能以前のピアノの常識』講談社/2009年8月
- 『樹原家の子育てーピアノランドと笑顔の毎日』角川書店/2010年7月
- 『耳を開く 聴きとり術 コード編』音楽之友社/2014年8月
- 『ピアノを弾きたいあなたへ』(『いきなり&もう一度! 才能以前のピアノの常識』文庫化)講談社+α文庫/2015年2月
- 『樹原涼子からあなたへ”贈る言葉”300選 もっとピアノが好きになる!』音楽之友社/2017年10月
- 『即興演奏 12のとびら 音楽をつくってみよう』音楽之友社/2019年7月
CD
[編集]- 『ギリシャ神話のように』ミディ/1993年5月
- 『ピアノランドⅠ』連弾:小原孝 ミディ/1993年12月
- 『ピアノランドⅡ』連弾:小原孝 ミディ/1993年12月
- 『俺の屍を越えてゆけ』サントラ ?/1999年7月
- 『“The Four Seasons”<Winter>』樹原涼子スタジオ/2003年12月
- 『“The Four Seasons”<Spring>』樹原涼子スタジオ/2004年4月
- 『“The Four Seasons”<Summer>』樹原涼子スタジオ/2004年7月
- 『“The Four Seasons”<Autumn>』樹原涼子スタジオ/2004年11月
- 『ピアノランドコンサート』連弾:小原孝 樹原涼子スタジオ/2007年8月
- 『こころの小箱』連弾:小原孝、樹原孝之介 樹原涼子スタジオ/2013年8月
ユニット
[編集]HARA HARA 倶楽部(小原孝とのユニット) <CD>
- 『おいしい時間』樹原涼子スタジオ/2004年5月
- 『光る星があったから』樹原涼子スタジオ/2005年10月
- 『風はどこから』樹原涼子スタジオ/2013年7月
ミュージックデータ
[編集]<フロッピーディスク>
- 『ピアノランド1』『ピアノランド2』『ピアノランド3』『ピアノランド4』『ピアノランド5』GS版 音楽之友社/1994年10月
- 『ピアノランドたのしいテクニック上 Ⅰ・Ⅱ』『ピアノランドたのしいテクニック中 Ⅰ・Ⅱ』GS版 音楽之友社/1996年3月
- 『ピアノランドたのしいテクニック下』GS版 音楽之友社/1996年6月
- 『ピアノランドコンサート上』GS・XG 音楽之友社/2000年5月
- 『ピアノランド1』『ピアノランド2』XG版 音楽之友社/2000年5月
- 『ピアノランドコンサート中』GS・XG 音楽之友社/2000年6月
- 『ピアノランドコンサート下』GS・XG 音楽之友社/2000年12月
- 『プレ・ピアノランド1・2』音楽之友社/2002年3月
- 『プレ・ピアノランド3』音楽之友社/2002年11月
- 『ピアノランド3』『ピアノランド4』『ピアノランド5』XG版 音楽之友社/2005年3月
<USBメモリー>
- 『ピアノランド』『プレ・ピアノランド』『ピアノランドたのしいテクニック』「ピアノランドコンサート』音楽之友社/2010年7月
<ミュージックデータダウンロード>
- 『ピアノランド』シリーズ ontomo-shop/2015年7月
ゲーム音楽
[編集]<編曲>
<作曲・歌唱>
- 『リンダキューブ』PCE版 NECHE/1995年10月
- 『リンダキューブ アゲイン』PS版 SCE/1997年9月
- 『リンダキューブ 完全版』セガサターン/1998年6月
- 『俺の屍を越えてゆけ[14]』 SCE/1999年6月
ビデオ・DVD
[編集]- ビデオ『はじめから音楽を』エディロール/1995年12月
- ビデオ『ピアノランドの世界1〜6巻』音楽之友社/1998年5月
- DVD『ピアノランドの世界』<あとで困らない二段階導入法のすべて><公開レッスン&カルテの書き方>(ビデオ『ピアノランドの世界』をDVD化 音楽之友社/2006年7月
- DVD『えいごでピアノランド』英訳:クリステル・チアリ、連弾:樹原孝之介 音楽之友社/2020年4月
共著
[編集]- 『バイオリンランド』共著:安部慶子/音楽之友社
<楽譜>
- 1巻 オープン弦で美しいボウイングを/1999年10月
- 2巻 はじめてのフィンガリング/1999年10月
- 3巻 はじめてのシフティングといろいろなボウイング/2003年8月
<ミュージックデータ>
- 1巻・2巻 GS版・XG版 1999年10月
<CD>
- 『バイオリンランド123』樹原涼子スタジオ/2003年9月
- 『安部慶子 plays 樹原涼子』樹原涼子スタジオ/2003年9月
- 『八城一夫からの贈り物』編著:田代ユリ・斎藤友子・樹原涼子/八城会/2015年10月
その他
[編集]<監修>
- ピアノランド音楽ノート(2段、3段、4段) 音楽之友社/2000年8月)
脚注
[編集]- ^ “樹原涼子|ONTOMOナビゲーター”. 音楽っていいなぁ、を毎日に。| Webマガジン「ONTOMO」. 2021年11月18日閲覧。
- ^ a b c “樹原涼子 プロフィール”. 2020年10月30日閲覧。
- ^ a b c d “プロフィール”. pianoland.co.jp. 2020年10月30日閲覧。
- ^ a b c “樹原涼子 プロフィール|講演会・セミナーの講師紹介なら講演依頼.com”. www.kouenirai.com. 2020年10月30日閲覧。
- ^ a b c “樹原 涼子 | 講師プロフィール”. 講演依頼ならTBSキャスティング. 2020年10月30日閲覧。
- ^ “樹原涼子 講師プロフィール 公開講座のお知らせ - 音楽之友社”. www.ongakunotomo.co.jp. 2020年10月30日閲覧。
- ^ “第1回「ピアノランドの教え方」 連載開始! ご挨拶”. pianoland.co.jp. 2020年10月30日閲覧。
- ^ a b “ピアノランドを英語でほか” (jp). 毎日新聞. (2020年4月11日) 2020年12月6日閲覧。
- ^ a b c “桝田省治氏と樹原涼子さんに聞いた,リメイク版「俺の屍を越えてゆけ」のショートインタビューを掲載”. www.4gamer.net. Aetas (2011年3月8日). 2020年12月6日閲覧。
- ^ 山口一臣 (2019年6月7日). “100年前に、現代でも通用する練習法を編み出した“日本のマラソンの父”金栗四三”. 朝日新聞デジタル&M. 2020年12月6日閲覧。
- ^ “一族惨殺。宿命を背負い、一族は蘇る。PS Vita「俺の屍を越えてゆけ 2」基本的なゲームサイクルや全国の一族との繋がりが生み出す新しい楽しみも紹介”. Gamer. 2020年12月6日閲覧。
- ^ “第601回 大ヒットゲーム“俺屍(おれしか)2”のBGMを制作! 学生時代の経験を生かしプロの作曲家に”. 早稲田ウィークリー (2014年9月). 2020年12月6日閲覧。
- ^ “11月10日、ゲーム『俺の屍をこえてゆけ』リメイク版が発売になりました!”. 樹原涼子 ようこそピアノランドへ!. 2021年2月16日閲覧。
- ^ “第601回 大ヒットゲーム“俺屍(おれしか)2”のBGMを制作! 学生時代の経験を生かしプロの作曲家に”. 早稲田ウィークリー. 2021年2月16日閲覧。
外部リンク
[編集]- 樹原涼子 ようこそ!ピアノランドへ - 樹原涼子ホームページ
- 樹原涼子 (@LiokoKihara) - X(旧Twitter)